脈あり?
それからひと月、夏の季節の終わりを告げるかのように、ヒグラシが鳴く。
そんな切なさとは、真逆に彼との距離を順調に縮めていた。
ノリヒト
「これ美味いよ!さっちゃんすごいね!」
サチ
「そうでしょ?ちゃんとノリヒトの好みの味に合わせてるんだよ〜!」
ノリヒト
「そうなんだ、ありがとう!さっちゃん!」
サチ
「ふっふ〜ん!!いつでも良いのですよ!
私をノリヒトの恋人に、、、なんならお嫁さんでも!!」
ノリヒト
「ふふ、さっちゃんが、お嫁さんに来てくれたら、幸せだろうな、、、。」
サチ
「そうだぞ、そうだぞ、ノリヒト君や、いつでも私に告白したまえ〜!しかと、お受けしよう!」
ノリヒト
「あははは、、、。」
サチ
「プッフフフ、、、。」
彼のために、一生懸命料理を覚えた、当然彼の助言の甲斐もあり、メキメキと、上達して行った、何よりも、こんな冗談を言い合えるまで、二人の仲は縮めたけど、、、、決定打となることが無い、、、サチは少し焦りも感じていた。
(でも、大丈夫、、、焦らない焦らない)
サチの思いとは裏腹に、ノリヒトの周りは慌ただしくなりだした。
以前からのフリーランスの仕事(請負契約)
や、友好のある工学部の助教授(准教授)の手伝い、すでに始まっている、予備試験(司法試験受験資格)
などが重なり、中々プライベートで会える機会が減っていた。
ちなみにサチは、予備試験の受験を来年としている、理由は、今年はノリヒト受験に専念するからだと、、、。
そんなある日の、ランチの時間、、、。
トモコ
「だからね!言ってやったのよ!
そんなにしたいんなら、アレ買ってきてやるから自分でしろ!!ってね!」
今日のトモコはご機嫌斜め、、、S1S2ターム(定期試験)の成績が振るわなかったから、、、。
長い夏休みを使って猛勉強中だった。
サチ
「別にそんなにこん詰めなくて良く無い?」
トモコ
「あんたね〜(怒)恋愛にうつつを抜かしといて、、、なに?なんなの?どーしてそんなに成績がいいわけ?化け物なの?」
サチ
「それは、、、日頃の努力?言っとくけど、
私だってちゃんと彼から勉強教えてもらってるのよ!!化け物は彼だからね!」
トモコ
「なに、さりげなく惚気てるのよ〜(怒)
あ〜やっぱり、あの時、私が彼貰っとけは良かった〜!くそ〜なんで譲ったかなぁ〜」
サチ
「まぁ〜あの時は本当に感謝してるけど、、、
トモコじゃ絶対彼は、落とせないわよ!!」
トモコ
「結局、この世は、顔か、顔なんか!それとも、、、そのロクデモナイ胸か!!そんなものに、、、男どもは、、、言っとくけどね!!
大きくっても、小さくっても、機能は同じなんだからね!調子に乗るんじゃ無いわよ!!」
サチ
「そんなこと私に言わないで!!」
そんなわけで、サチは長い9月の夏休みのせいで、ノリヒトに会えない日々を過ごしていた。