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第三話:少数精鋭フォーマンセル結成

羽田基地 朝 7:00


日が差し込む部屋は、きれいに保たれたホテルのように輝いていた。この部屋は大当たりであった。カーテンをあけ、体を少し軽く動かすと全身からぽきぽきと音がなっていた。


ふとスマホに目をやると昨日交換した隊長のアドレスにメールが残っていた。


「明日は7時くらいに、指令室に来てくれ。正式に君たちの所属する部隊の振り分けやこの基地の説明をするらしいか、寝坊と化すんなよ。したら春久だけ、その後の訓練は体重の3倍の負荷を俺が能力でかけるからな」


などと脅しに来ていた。しかもメッセージにも同様の文章を送ってきて見逃しのない様にカバーしていた。さらにご丁寧に昨日取った記念写真(盗撮)を添えて。もう俺のことが気になりすぎてんじゃないかと心の中でボソッとつぶやいた。


ーーーーー

身支度を済ませ、部屋を飛び出して時間通りに指令室に行くとそこにはすでにメンバーが出そろっていた。俺は悠々に挨拶をすると隊長と墨坪から詰められていた。


「おはようございます。ってあれもう皆さん来ているんですね」


「当たり前だろ。ふつうは10分前には集まるのが常識ってもんだろ」


「そうだよ!。あたしなんか30分も早く来ていたんだからね。あ~あこんなことならもうちょっと寝てられたよ」


「まぁまぁ、そう落ち込むなよ。私としてはもっと早く来てくれたほうが楽だな。私だってしなくてはいけない後処理で手一杯なんだからさ」


「はい。以後気を付けます」


隊長は気だるげに、墨坪はほほを膨らませながらどこか悔しそうに、山風指揮官は、飄々としながら言った。こんな会話も終止香熾さんはニコニコして見守っていた。


「それで今日は何であたしたちをここに呼んだのですか。」


不思議そうな顔をして墨坪がそう聞くと山風指揮官は答える。


「それはだな。はいってきたばかりの君たちにはいくつか説明しなければならない。まず初めにここは一応軍の施設であることは大丈夫だな。」


「はい。それは大丈夫です。だよな、墨坪?」


「うん。それは知ってますよ?」


既に知っていることだが知らないとでも思ったのだろう。さすがにここに志望してきたんだからそのくらい知って当然みたいな反応をすると山風指揮官は少し安堵の表情をして続けて話す。


「よかった。ここは軍隊であるから、階級制度がある。普通の階級制度とは少し勝手が違うけどな。戦闘員、技術員、医療班、支援員、それぞれで5段階階級が存在するが、今回は戦闘員だけ下から順に言うと」


青弾(あおだん)黄弾(おうだん)赤弾(あかだん)白弾(しろだん)黒弾(くろだん)。この五つである。」


そういって山風指揮官は徽章(きしょう)を見せてきた。弾丸が彫られたそれは思いのほかデザイン性がよく見えた。その徽章を見て食い気味で墨坪が言う。


「なんかカラフルでかわいらしいですね。高校の時にもらった校章みたいですね」


「そうだろ!。この階級校とデザインを決めたのは、上の上層部なんだが、若い子に親近感を沸かすためだとか言っていたな。ただそれぞれ意味があり、青弾は下兵級、黄弾は中兵級、赤弾は上兵級、白弾は、最上兵級、黒弾は最終兵器級となっている」


わりと山風指揮官もこの徽章が気に入っているのか少し熱弁をして、それを墨坪は聞き入るような顔で話を聞いていた。


「意外とちゃんとした意味があるんだな。」


「そうですよ。5段階しかないけれど、昇進はなかなかできないのよ。」


そういって香熾さんはにこやかな笑顔で左胸を見せてきた。徽章はなんだか近くで見ると威厳を感じるような見た目をしているのが分かった。


「香熾さんは赤弾なんですね。すごいですね」


墨坪は胸に張り付けてある 徽章をまじまじと見ていた。付いている胸に何かついているかの如くまじまじと眺めていて俺はさすがに失礼だと思い、墨坪に制止するように声をかける。


「墨坪。そんなに見たら恥ずかしいだろ」


「ああ、そうだね。ごめんなさい」


ただただ純真無垢な謝罪に香熾さんは少し照れながら「大丈夫ですよ」と言った。


「おれたちは初めはどの階級なんですか?」


「君たちは、入りたての新隊員だから青弾だ。」


当然だろみたいな顔をして山風指揮官は答えてきた。すると墨坪が気になることを言った。


「え~、飛び級制度とかはないんですか?あたしは早く昇格して、いろんな人に敬ってもらいたいのに~」


「そういうのはあるにはあるけど、二階級昇進って言ってこれは基本的には何らかの功績を残して殉職したときに昇進するような感じだよ」


隊長が言うと、墨坪はしぶしぶ受け入れた。


昇進は意外と厳しく、常人の昇進は早くて2年、下手をすると昇進しないで一生を終える隊員もいるそうだ。


「階級の話はこのくらいにして、次に訓練についてだ。主にやることは体力をあげることと、扱う武器の練習をすること、能力を持っている人はうまく使いこなせるように特訓をするなどだ。これに早朝は10kmのマラソンに、体幹トレーニングを10セットやる。よし、千楽寺いつもの体幹トレーニングのやつをいまここでやってあげろ。」


「え。マジですか。わかりましたよ」


唐突に言われた隊長は困惑したように返事をして、トレーニングをした。


内容は腹筋や背筋、プランクなどのありきたりなやつだった。しかし少し違うところがあった。


「あれ。千楽寺隊長、なんかおもりと銃を背負ってやってるんですけど」


「ああ、並みの練習だとあまり訓練にはならないからな、隊員はそれぞれの銃と20kgのおもりを背負ってもらっている。今の時代、陸地から敵を叩くだけではなく、他のサポートの隊員が味方を空中で活動できるようにして空からの援護射撃をしたりするからな。機動力を高めるためにも圧力になれる必要がある」


ニカッて笑う山風指揮官とは対称に隊長の顔は終止不服そうな面持ちであった。


そんな辛そうな光景を見て、俺と墨坪は顔を見合わせて静かに泣きそうになった。


「ちなみに午前の訓練は、各隊員の射撃訓練や武術の訓練、能力の向上で、午後からな部隊ごとで訓練をすることになっているんですよ。部隊によっては、航空部隊は戦闘機に乗って対大物や対浮遊体のための訓練や、局地戦闘員などは白兵戦のための訓練などをしていますよ。」


他にも訓練が終わった後には銭湯などにも入れますよ~。と香熾さんは言った。


どの訓練も大切であり、おろそかにすれば自分の身を危険にさらしてしまうかもしれない。世界に住んでいる人々を守るためにも頑張っていかないといけない。


「次に緊急招集があったときは、全員にその場ですぐに伝令を出すから、しっかりと指示にしたがって行動してくれ。そして最後にーーー」


そういって山風指揮官は一拍おいてから言った。


「これから鷹島および墨坪は千楽寺率いる特別殲滅部隊に配属することを命じる」


話が終わり解散し、隊長に連れられて訓練施設に連れて行ってももらっているときに見えた桜は、まるで応援してくれているように心地よく風に靡かれていた。














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