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第二十四話:褒美!

どうも井中です。今回は少し短い内容になっていますのでまた時間があるときに呼んでくれると幸いです。

今、あたしたちは街の人たちと一緒になって、落ちてきた鱗をかたずけたり、陥没して通れなくなった道などを補修したりしています。街の中の人たちも能力が使える人たちがいて、貫通して穴の開いた道路を埋めたりや折れて曲がってしまった電柱を立て直していたりしていて遅れて到着してきた工事の人たちも唖然とするような速さでたちまち、街が直っていった。


「ふう、ありがとな!。凉ちゃん!。手伝ってくれて!」


「いえいえ~。あたしなんてほかの人たちに比べたらそんなに役に立ってないですよ~」


「そんなことないわ。もうその場にいるだけでみんなやる気になってましたし、十分活躍してたわ」


お手伝いが終わり、街の人たちがねぎらいの言葉を掛けくれていた。春久君たちは別のところであたしと同じようなことをしていて今は別行動をしていた。届いていたメールを確認するとそこには春久君と何人かの女が一緒に映っている写真がボランティアの報告とともに貼られていた。

~~~

春久:こっちは街の人たちの超素早い行動と支援部隊の到着でもうほとんど終わりました。(既読)


(写真添付)


AKETSUMI:こっちももうすぐで終わる。そしたら一度さっき集まったとこで落ち合って帰投する。それと写真を見るにだいじょぶそうだな。(既読)


東雲:了解です。あと申し訳ありません。今回の任務に参加することができなくて。最後だけしか手助けできなくてごめんなさい。(既読)


春久:気にしないでください!。誰だってできないことはありますから。俺だって実は泳げないんですよ!。だからあまり気にしないでください。(既読)


東雲:!。ありがとうございます!。今度おいしいものを差し上げますね。(既読)

~~~

よし、後で春久君にこの写真のことについて問い詰めよう。何このまんざらでもなさそうな顔は!。あたしにも見せたことないくせに!。


写真を見るたびに沸々と何かがこみあげてきていたが今は周りのおばちゃんやおじちゃんたちが見ているので抑えてお手伝いを再開した。


数時間後、あたしたちは約束通りに落ち合い、用意してあった車に乗り、街の人たちとお別れした。まだ完全にすべてが直ったわけではないがあとは支援部隊の人たちが残りの作業をするということなのであたしたちが帰宅するように命じられた。


「いや~。意外と時間がかかったな。でも互いに協力してくれたおかげで予想よりも早く終わったな」


「そうだな。それに街の人たちからお礼だって言っていろんなものをもらったし、後でみんなにもあげるわ」


「私もいくつかいただきました。何もしていないのですごく申し訳なかったのですが」


「いいんじゃないですか?。最後、東雲副隊長がいなかったらあたしは射貫けなかったわけですし。ちゃんと活躍していましたよ」


「墨坪さん・・」


あたしは東雲副隊長を慰めるように言うと軽くあたしの頭をなでてきた。春久君とは違ってとてもやさしい感じでなでてくれていた。すると春久君が調子よく言う。


「んじゃ俺も頭なでてやるよ。今日、一番頑張ったしな!」


「あ、いいです。さっきの写真の女の子にデレていた春久君はしばらくお預けです!」


「そ、そんな~!。ち、違うんだよ!。あれはね、そう手伝っていたらね、記念にって!。あの後男の人とも写真撮ったんだよ~。許してくれ~」


泣きそうな声とともに縋ってきていて、あたしの中でまたさっきと違った何かがこみあげてきていた。とても満たされていくようなもっとあたしだけを見ていてほしいという感じが湧いていた。


「嘘よ。別にそこまで気にしてないよ。春久君、あんまりそういうこと考えてなさそうだし。まぁ浮気したら殺すだけだからね」


「そ、そんなことしないって~。ははは、怖いこと言わないでよ」


あたしは終止笑顔で顔を見つめていただけなのに春久君は何かにおびえるように顔が歪んでいた。


そうしてなんだかんだ話しているとどうやらもう着いたみたいで、降りると珍しく指揮官が数名の隊員とともに出迎えてくれていた。隊員に関してはなんか拍手をしたり、歓声を上げて喜んでいて、指揮官も誇らしそうにしていた。


「ご苦労であった!。特別殲滅部隊の諸君。皆の者、敬礼!」


指揮官の合図とともに随伴の隊員はあたしたちに向かって敬礼をした。どうやら隊長や副隊長も見たことのない光景なのか指揮官の行動にきょとんとしていた。


「あら?。指揮官が出迎えてくださるなんて。どうしたんですか?」


「???」


「???」


東雲副隊長はあたしたちが疑問に思っていることを言葉にして聞いて、あたしたちは頭にハテナを咲かしていた。それにこたえるように指揮官はハキハキと言う。


「いや、何そんなに深い意味はない。ただ今回の件で君たちに褒美を与えることになった。というわけで一度このまま指令室までついてきてくれ。そして君たちはこのまま第三地上部隊と合流しに向かってくれ。しっかりと任務をこなすように!」


「「「「はっ!!」」」」


指揮官はそういうと隊員たちは返事をし、敬礼したのち、用意してあった車に乗り込み向かって行った。そしてあたしたちは指揮官についていって指令室までついて行った。


「・・・んで。褒美って何ですか?なんかいいものでもくれるんですか?」


「おい!こら!。上官にそんな言葉づかいをするな!」


「まぁ今回は許そう。期待以上に働いてくれたからな。私の寛大な心に感謝するんだな。鷹島」


にやりと笑い、春久君をもてあそぶようにして遊んでいるようであった。許されたことを言いことに春久君もにやりと千楽寺隊長を見て、煽っていたようであった。


「それで本当に私たちをどうしてここに連れてきたのですか?」


「そうだったな。まずは今回、君たちは私たちの想像を超える、期待以上の仕事をしてくれた。本来であればあの龍。アングヴィスとかって言ったな。あれは以前からあの町周辺で現れていた邪龍で、十年に一度に現れていてな。これまでも幾度と討伐および殲滅を試みていたがどれもうまくいかず逃げられていた」


「そうなんですか?。でもあの蛇たち逃げるような素振りが見られませんでしたよ?」


あたしは戦っていた時のことを思い出した。優雅に空を舞い何も考えてなさそうに鱗を落としていたし、戦っている最中もそんな感じはしていなかった。


「ああ、今回航空部隊の人たちに協力を依頼したとき、逃げられないように空間に結界を張ってくれたそうで逃げなかったらしい」


「そうでしたか。しかしその結界と言うのは何なんですか。俺の能力探知にも反応はなかったですよ」


さらっとまた知らない能力が初公開されたがそんな千楽寺先輩ですらわからない能力と言うことにあたしは少し奇妙な感覚になった。


「えっと~。それが私にもよくわからないんだ。唯一分かっているのはこれは能力ではなくて()()であるというくらいだな。なんかどこかの大学の研究?らしいぞ」


「へぇ~。なんかまた新しい技術が出たんですね。まあ能力のほうが最近は便利ですがね。俺は無能力ですがね」


春久君が自虐風に言うと東雲副隊長が何とも言えないような顔で苦笑いしていった。


「すまんな。話がそれた。それで今回とうとう討伐に成功したことで墨坪凉。そして鷹島春久。二人とも特別昇進で黄弾に昇格することになった。」


「「え、ええええ~~~!!!」」


「おお!。おめでとう」


「ふふ。よかったですね!」


「やったな!」


春久君が勢いよくあたしに抱き着き、喜びを噛み締めていた。まさか昇進するなんて思いもしていなかったからあたしはただただ呆然とするしかなかった。


「本来だったらもう少し訓練や実践を交えて経験を積んでから昇進するもんだが今回は特別に特別殲滅部隊の二人を昇進させることになった。というわけでおめでとう!。これからもこの国のために頑張ってくれ」


指揮官はそういうとあたしたちに新しく黄色い二つの弾丸が交差したワッペンを差し出した。あとで縫い付けておこう。


「そして千楽寺と東雲にはこれまでの報酬として一つ何か欲しいものを差し上げよう」


「え、私たちもですか?。そんな千楽寺君はともかく私まで・・・」


「おいなんだそのまるで俺は報酬が欲しいみたいに。いやほしいけど」


「東雲。遠慮することない。お前も何か欲しいものがあれば言うんだ。まぁ君の家柄で買えないものはほとんどないとは思うのだがこれは私からのほんのお礼だと思ってほしい」


「あぁ、そんな頭を上げてください!。わかりました。あとで考えておくのでとりあえず顔を上げてください」


必死に東雲副隊長が言うと指揮官はようやく顔を上げてきりっとした顔つきでにやりと笑っていた。その顔を見た東雲副隊長も落ち着いた笑顔で参ったみたいな顔をしていた。


「山風指揮官!!。俺にも何かないんですか?。そのほしいやつ?」


「ん?。お前には昇進を言い渡しただろう?。なんだそれだけじゃ不満なのかぁ?。今すぐにでもなかったことにしてもいいんだぞ?」


「!!?。い、いえ!!。なんでもありません!」


脅すような感じでゆらっとしたオーラを放った指揮官は調子に乗った春久君を脅していた。すぐさまひるんで訂正し、びしっと立ったその姿はまるで鋼鉄の銅像のようであった。


「それじゃ。改めて特別殲滅部隊の諸君!。今回はよくやった。ご苦労である。敬礼!。休め!。解散!」


解散の合図とともにあたしたちは部屋を出て、一緒にそのまま食堂に向かって行った。無意識にあたしの足取りは自然と軽くなっていったような気がした。


食堂ではすでに大勢の仲間たちが話を聞いているのかすぐに取り囲んできた。訓練で仲良くなった人たちからは笑顔で祝ってくれ、やたらと食事を分けてこようとしていた。そんな光景をあたしは笑いながら受け入れていた。
















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