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第二十三話:炎陽

どうも井中です。一日遅れになってしまい申し訳ありません。また今回も少し長くなっていますので時間があるときにゆっくり読んでくださると幸いです。

白黒の二体の龍が互いをかばうように舞い、戦闘機からの攻撃から避けていた。そして鱗を飛ばしていき、むしろ逆に戦闘機を追いかけているようになっていき、立場が逆転していた。俺と凉はいまだに高度が足らず助太刀できる距離まで上昇していなかった。


「ねえ?。なんかさっきよりも高度が高くなってない?。なんか苦しくなってきているんですけど」


「確かにそうかも。さっきはこんなに雲の近くまで来てなかったのに戦闘しているうちに昇っていったのかも・・・」


凉はだんだん余裕が保てなくなっていっているのか顔が次第につらさを帯びてきていた。実際に今高度がどのくらいなのかは定かではないが下を見るともう富士山の頂上が小さくなって見えてきていた。


「凉。お前はスナイパーの届く射程に入ったら攻撃しないでその高度を維持しててほしい」


「え、それじゃ何もできないよ」 


「わかっている。ただその銃の貫通力は尋常ではないことはわかっている。なんたって得体も知れないような固そうな体を貫通したんだからな。もしそれを打って戦闘機に当たってしまっては余計に倒しにくくなってしまう」


「・・・。わかった。それじゃあたしは射程に入ったら攻撃が当たらないように回避してるね」


凉は悲しげな顔をしていたがしぶしぶわかってくれたみたいだった。もし撃って俺に下から弾丸が貫通しちゃうかもなんて言ったらきっと打てなくなるだろうし言わなくて正解だろう。


「何とかしあいつらを引きはがして下のほうに誘導をする。俺が合図をしたら撃ってほしい」


「いいよ。ただ無茶はしないでね。もし死んだらあたし、また一人になっちゃうから」


「俺が死ぬわけないだろ!。安心しろ。お前を置いては逝かんわ」


俺は安心させるように涼の頭をなでると凉は心地よさそうな顔をしていた。・・・この顔をずっと守るために。すると無線越しになんだか申し訳なさそうに声が聞こえてきた。


「あ、あのお話は、終わりましたか?。なんだか無図かゆくなるような会話を、し、していたみたいなので」


俺もまさか無線越しに話を聞かれていたと思ってもいなかったため、急速に恥ずかしくなってきた。隣の凉も似たように顔が赤くなっていた。


「あれ!?。ま、まさか聞こえていたんですか?」


「はい…。なんだか私には縁もゆかりもないような、会話が、」


「すいません」


「い、いえ。こちらこそ。ほ、ほのぼのとした会話が聞こえていたおかげで、す、少し冷静になれました。」


すごく心臓がバクついている。きっと上昇し続けているからだろ。そして渡良瀬さんは落ち着いた口調でそのまま話を続けた。


「あと、私たちも一度、二頭を引きはがそうと、していたので。あなたたちの作戦を、の、飲もうと思います。だ、ですので、スナイパーさんはその場、でとどまってもらって構いません。」


「わ、わかりました!」


「刀を持っている子は私たちがえ、援護をするのでどうにかして二頭を引きはがしてください。・・・憲司さん。そ、そういうことなのでお願いします」


渡良瀬さんは多分もう一人のほうに合図を出し、ひたすらに攻撃を避けていた。俺は二体のアングヴィスの間に割って入るようにして飛び込んでいった。戦闘機めがけて飛んでいた鱗がこちらの方にも飛んできていたが俺にはもうその攻撃は効かない。


「全部切り伏せてやる!」


先ほどと二倍近くの量の白黒の鱗が飛んでいたがよけながら真っ二つにしていった。しかしさすがに数が多くいくつかは切り逃して頬と肩を掠めていった。


「くっ!!。危なっ!。まるで魚群だな」


次々と追いかけてくる鱗にまた追い付かれそうになったとたん、上のほうから戦闘機が突進してきて鱗の魚群を蹴散らしていた。そして戦闘機はそのまま下のほうで姿が見えなくなった。


とても扱いが雑な攻撃であったがそのおかげで何とか鱗から振りきれた。俺は感謝を伝えようと思い、あたりを見渡したがやはり姿が見えなかった。すると無線のほうから声が聞こえてきた。


「大丈夫ですか?!」


「!?。あ、ありがとうございます!。あのどこにいるんですか?」


俺は白い方のアングヴィスを追いかけながら質問をすると渡良瀬さんは何か隠したいのかぼかしながら言った。


「あ。いや、こ、これはまぁ。その、あれです。今は教えなれないものですので、き、気にしないでください。そ、それよりも!。剣士くんはそのまま白い方を引き付けておいてもらえますか?。わ、私はそのうち姿が見えるので」


「?。はいわかりました。攻撃して注意を引きますので黒い方を少しお願いします」


なんだかまた呼び方が増えているような気がするが今は気にすることではないのでいったんスルーをし、俺は白いアングヴィスの大きな銃痕をめがけて刀で突き刺す。


「天音太刀剣術が一つ:穿画点!」


一度食らった場所は基本的にはウィークポイントというのはアングヴィスの反応を見てもわかる。とぐろを巻くように身をひねり、咆哮とともに大きく口を開き、光線を撃とうとしていた。


「これを待っていたぜ!。凉!」


俺は大声で名前を呼んだ。


「了解っっ!」


心地よい返事が聞こえ、俺は横によけると同時に後ろから轟音とともに一筋の光がアングヴィスの口を突き破っていった。


そして貯めていた青白い光のエネルギーが弾丸が貫通したと同時に爆発し、顔から次第に地理に変化し分解されていき、数秒後には先ほどまでいた一体のアングヴィスはもう何もいなくなっていた。きれいな鱗も一つ残らず輝いて消えていった。


「よくやった。ナイスだ!!」


「春久君も!」


「すごいよ!。君たち!。い、いいコンビネーションだね」


渡良瀬さんもこんなにも早く終わると思っていなかったなのかとても驚いているようであった。


「今すぐそちらの方に向かいます!。あと少し待っててください!」


俺たちは急いで二機の戦闘機が戦っている方の加勢に向かっていると残されたアングヴィスが咆哮を上げその声に共鳴するように空が暗くなっていった。先ほどまで朝だったのにこの数分でもう夜が来ているように感じた。暗くなっていく空に同化するようにアングヴィスは姿が見えなくなっていた。


「ううぅ!。ま、前が見えっ!!?。ーーー!」


「どうしたんですか!!?。渡良瀬さん!?。声が聞こえてないのか?」


暗くなって間もない時間、無線から渡良瀬さんの声が聞こえなくなった。そして暗さは度止まることを知らないのか地上の明かりすら通さないほど何も見えないほど黒くなった。一寸先は闇の状態である。俺は急いで一時その場で止まった。


「凉。いるか?」


凉の安否を尋ねるようにして聞くと怯えているような焦っているような声が帰ってきた。


「い、いるよ!。ねぇ春久君、どこにいるの?前が見えないよ!!」


「落ち着け、と言っても俺も内心焦っているまずは深呼吸だ」


深く深呼吸をし落ち着こうと思ったがあまり意味がなかった。すると無線のほうから相棒の声が聞こえてくる。


「おい大丈夫か!!?。今空急に暗くなってきたんだが上で何があった!」


「千楽寺隊長!。助けてください~。何も見えないです!。さっき変な声が聞こえたらこうなったんです。春久君どこにいるの?」


「おい、墨坪。あまり勝手に動くな!。俺のほうからは全員一応見えているがっ!!。航空部隊の戦闘機が一機いなくなってる!。さっきまで二機あったはずなのに!。それより春棒!横に避けろ!!何か飛んできているぞ!」


「え?。っく!!」


言われたとおりに横に避けたが少し遅く鱗が雨のように降り注ぎ思いっきり右肩と腕に大量の赤い切り口を残していった。体勢を立て直そうとした。


「右腕がしびれて動かない!なんだこれ!」


「まだ下からくるぞ!」


「避けて!!」


「クソ、間に合わない!」


そのまま鱗は俺の足場である円盤の下から突き刺さってきてその反動で俺は暗い空中に投げ出された。成すすべなく落下していくのが分かる。


~~~


「春棒っーー!!。クソ、もっと俺に()()があれば助けられるのに。どうすればいいんだ。今までこんなことなかったし・・・・・・」


「何かないんですか!!。このままじゃ春久君が!」


千楽寺隊長が何か小言を言っているのが分かる。今もこうしている時間春久君は落下しているというのにあたしは何もできないの!!何もできていない自分にあたしは少し憤慨していた。


「ザザッ。だ、大丈夫、ザッ ですか!!。よ、ようやく回線が治りました。ごめんなさい。うちの搭乗員の一人が離脱しました」


すると無線のほうからか細い声が聞こえてきた。確か春久君は渡良瀬さんって言っていたような。けど今は申し訳ないがそんなことより春久君のことだ。すると千楽寺隊長は何か思い立ったのかそのまま話しかける。


「あ!。そうだ!。渡良瀬さんでしたよね。今からしてもらいたいことがあるんですがいいですか?」


「は、はい!。私にできるのであれば、今、攻撃が当たらないので何でも言ってください」


「事情は話している暇がないのですが仲間の一人が今落下をしていてその機体で助けることはできないですか?」


!!。確かにその方法なら空中で受け止めればもしかしたら大丈夫かもしれない。あたしがそんな風に考えていると帰ってきた返事は予想とは真反対だった。


「い、今周りを確認します。・・・あ、あれですね。あの落ちている人ですね。・・・そ、それは少し厳しいかもしれません。ら、落下速度が速すぎでつぶれちゃいます。」


「ど、どうにかして助けられませんか!?。春久君はあたしの大切な人なんです」


「墨坪!。上から何か降ってくるぞ!。避けろ」


「!!?」


春久君と同じような感じで今度はあたしのことを狙ってきた。幸い知らせてくれるのが早かったのかよけていくのには十分な時間があり、なんともなかった。あたしはそのまま暗闇の中を鱗が飛んできそうな方向から避けて飛び回っていった。


「だ、大丈夫ですか!?。・・・ああ、まずい。さっきの攻撃で燃料タンクと亜空間装置が。千楽寺さん。もし剣士さんをすくうのであれば落下速度を落としてください。そうしたら彼をのせて最後の攻撃に向かいます」


「そ、そんなこと。今の俺ではあの速さを受け止める能力は出せない。時間が止まれば!!」


その瞬間あたしの中で何かがひらめいた。時間を止める。あたしならできるんじ…。あたしは考えているその作戦を実行するために千楽寺隊長に急いで言う。


「千楽寺隊長!!。今春久君はどのあたりにいるんですか!。急いで教えてください!」


「そんなこと教えてもお前の筋力じゃ受け止めきれん!。」


「違いますよ!。あたしの能力が能力を使います!!。位置さえわかれば何とか出来るかもしれないので早く教えてくださいっ!!!」


「っ!。わ、わかった!。今いるところからほぼ真下だ!」


あたしは怒鳴るようにして言うと千楽寺隊長はすぐに教えてくれた。ほぼ真下というのであたしは円盤の上で円から腕と顔をはみ出すようにうつぶせになり手で形を作り能力を発動した。


「ぐぇ!」


無線からは春久君の喘ぐ声が聞こえてきた。どうやら作戦はうまくいったようだった。


「よし!よくやった墨坪!。渡良瀬さん!これでいけますか!」


「はい!。い、いいいけます!」


姿が見えていないが戦闘機があたしの横を突っ切るようにして下に降りていくのが風圧でわかる。


「し、下に入り込みました。能力を解除しても大丈夫です」


「アレなんか俺、助かったのか?」


あたしは能力を解除した。無線の様子からすべてうまくいったようであった。あたしは今初めてこんな能力があってうれしいと思った。


「春棒!意識はあるか?」


「うう。少し朦朧とはしてますがまだいけます。ありがとう。凉。あと少しで先に逝ってるとこだったわ。ははっ」


いつもの冗談交じりのような声が聞こえてきてあたしは心の中で安堵した。あとは最後あの黒くなったでかい蛇を片付けるだけだ。


「そ、それじゃ。剣士さん。わ、私の機体ももう限界が近いので行きますよ。落ちないようにしてくださいね」


「わかりました、ああぁぁぁぁあ!!」


春久君を乗せた戦闘機は暗闇の中、急発進をしたのか春久君の叫び声が聞こえてくる。ああ、こんな時なのに一緒にジェットコースターに乗った時を思い出す。あたしも置いていかれないように上のほうを目指した。


「く、暗い。しかも空気がしにくい。せめて周りが見えていたら」


「ス、スナイパーちゃん。危ない後ろから来てるよ」


「お、っと!。ありがとう!」


「凉。無理はするなよ」


「わかってるって!。ああ~もう!見えないよ~!これじゃ狙えない」


依然として暗闇である空はあたしにはどうすることもできないでいた。


「渡良瀬さん!!」


「わわわ、わかっています!。もう目の前です。特攻します。内側から切ってください!」


「天音太刀抜刀術が一つ:虹雅(にじみやび)!」


春久君が暗闇の中かっこよく技名を叫ぶと上部に輝く虹のような斬撃が見え、黒い蛇は苦しんでいるのか表現しがたいような奇声があたりを包み込んでいった。


「っ!。片手だと威力が。!!なんだ赤い光が!」


「渡良瀬さん、回避を!!」


赤い光が次第に大きくなっていき次の瞬間ではすでに光線が放たれていた。幸運なことに上方向であったため、地上のほうに被害はなさそうである。あたしは狙いをつけて発砲する前に光線が出てしまっていたので攻撃することができなかった。


「あ、ああぶない~~!!。死ぬ~!もう帰りたい~!!。もう高度が上がらないです~~!!」


「渡良瀬さん!!。あと少しですよ!ここ乗り切れば勝利は目の前なんですから!!。凉、狙えそうだったらすぐに撃て。お前が仕留めろ!!」


春久君はあたしたちに激励を送っていた。そうだよね。彼氏の言う通り最後まであきらめてはだめだよね!!。あたしは一度頬をぱちんと叩き気合を入れ、銃を構えた。


さっき光線が飛んだところから、動きのパターン、風の靡き、音がする方向を捉え、あたしは引き金を引いた。いつも通りすさまじい轟音であまり好きではなかったが今は気にもならなかった。


「!!~~~----!!」


どうやらどこかに着弾したのかうめき声が聞こえてくる。しっかりと当たったことに一喜一憂している場合ではない。


『当たった次が本番だ』


教官の言葉を思い出しつつあたしは二発目を装填し、引き金を引く。暗闇に慣れてきたのか少しずつだが見えるようになってきた。飛んでくる鱗を冷静に避け、三発目を装填、そして引き金を引く。さっきは外れたが今度は当たったようでまたうめき声が聞こえる。銃弾は残り二発。


「ナイスだ凉!!。」


「お、落ち着いてくださいね」


あたしは四発目を装填し、狙う準備をした。すると前方のほうから勢いよく鱗が飛んできた。左右に避けて回避をしようとするとそれを防ぐようにして囲んでくるようにして左右からも追い打ちをかけるようにして飛来してきた。


「あ、ますい!」


後ろに下がりつつ狙っているとまた赤い光が集まってきた。光は素早く集まっていき、焦ったあたしは狙いが定まっていないのに間違って引き金を引いてしまった。


そしてまた赤い光線が今度はあたしをめがけて飛んできた。精一杯鱗と光線をかわすよう急上昇して避けたがいきなり上がったせいで視界が見えなくなった。


「あ、ああ」


あたしは消え入りそうな意識の中で最後の一発を装填し、最後の攻撃にかかった。ゆっくりと螺旋を描くようにして降りていき、引き金に指を引っかけた。


思い返してみれば、今までの白い状態では光線は少し溜めてから撃っていた。けど黒くなってからほぼ溜め無しで撃っていた。それも暗闇の中で。・・・もしこの暗闇が貯める時間を短縮しているんだったら。ああ、明るくなっていたらそれもわかるのに!!


「・・・なんて考えているんだろう。じゃあ、お望み通り明るくしてやるよ。香熾。頼んだ」


「はぁ、本当に人使いが荒いんですから…。墨坪さん一撃で頼みますよ」


耳から聞き馴染んできた優しい声が聞こえた瞬間、暗かった視界が一気に晴れ、真上から燦燦と太陽が照り付けてくるのが分かる。そして黒い蛇も最後と言わんばかりに口を大きく限界まで開け、赤い光を溜め始めた。


そして予想通り。蛇は先ほどと比べて断然に溜めている時間が遅い。やはり考えはあっていたんだ。


あたしはゆっくりと構え銃口を溜めている口元を定め、口角を上げて言う。


「最後のデザートを喰いな」


そして引き金を引くとけたたましい轟音とともに命中し、黒い蛇は爆散しチリとなって消えていった。すべてをやり遂げたあたしはすさまじい達成感と急激に襲ってきた疲労感でその場にへたり込み、千楽寺隊長たちがいるところに降りていった。


「ありがとーーーー!!!」

「救世主さま~~!!」

「女神様ーーー!!!」


地上に近くなっていくとあたしのことを褒めたたえ、称賛する声がそこら中から聞こえてきた。街の建物などは壊れていなかったがそこらじゅうで鱗が落ちていて、電線が倒れていたり道路が壊れかかっていたしていた。


「お疲れ様。よくやった。」


「お疲れ様です」


円盤から降りると千楽寺隊長と東雲副隊長がねぎらいの言葉をあたしにかけてくれ、むずがゆさを覚えた。東雲副隊長に関してはハグもしてきた。む、胸が・・・。


しかしあたりを見渡しても肝心の春久君と渡良瀬さんが見当たらない。二人とも最後のあの会話から一向に話がなかったのであたしは心配になっていた。そしてあたしは二人がどこに行ったのかを聞いた。


「あの春久君たちはどこに行ったんですか?」


「ああ、渡良瀬さんは羽田基地の航空部隊のほうに帰っていったよ。あの戦闘機、テレポート機能があるのか一瞬ここにきて春棒をおろした後帰っていったよ」


「じゃぁ春久君は!!」


「ここにいるぞ!。あ、ありがとうございますもう平気です」


春久君は街の人に肩を貸してもらいながら姿を現してきた。包帯が巻かれ痛々しい姿であり、支えてた人も「無理しないでね」と言っている様子から相当深い傷というのが分かる。


「もう!。大丈夫なの!?」


「ああ、平気さ。あの掠った攻撃に麻痺毒が含まれていたくらいさ」


「それの、どこが、平気なのよ!」


飄々とかっこよくふるまっている姿に惚れつつも目からは涙が出ていた。円盤から落ちたって聞いたと来たら不安だったんだからね。そんな泣いているあたしを春久君は左腕で優しく抱き寄せてくれた。


「よくやってくれた。信じていたぞ」


なでてくる手に安堵したのかあたしの意識は太陽の光に溶かされるように消えていった。






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