第二十一話:空飛ぶ蛇と空中戦
どうも井中です。気づいたらPVが500、ユニークが300を超えていました!。読んでくださってありがとうございます!。これからも続けていこうと思いますので引き続き読んでくださると光栄です。今回も時間があるときにゆっくり読んでください。
日も出ていないようなまだ早い時間帯に心地よい車の揺れがあったら普通の人ならどうするだろうか。そう!。まだ眠たいから寝る!。そうして乗った直後から俺は眠っていたらしく、起きた時にはもう富士山のふもとまで来ていた。
「あれ?。もう着いたんですか?。ふぁ~ぁ!。早かったね」
「そうみたいだな。俺もずっと寝てたし、いまだにまだ眠いよ」
「おい。これから山に登っていくってのにそんなんじゃ途中で召されるぞ」
どうやら凉も寝ていたのか髪が所々跳ねていてかわいい。相棒はなぜだかとても平気そうである。きっと能力で寝なくても平気とかしてそうだな。
「千楽寺隊長は寝てないんですか?。なんだか平気そうですし…」
「無論寝たぞ。当たり前じゃないか。俺とてこんなとこで寝なくても活動できるように能力は使うわけないだろ。平気そうなのは俺は寝起きがとってもいいからだ!」
「・・・そうですか。」
「なんだね。春棒!その言い草は。なんか言いたげな顔をして」
相棒はまるで俺の心を読んできたかのようにアンサーを言った。別に予想が外れたからって萎えてるわけじゃないですよ。
「というかその春棒って何ですか?。変な名で呼ばないでくださいよ」
「すまんすまん!。俺たちは相棒だろ?。ただ双方で相棒と呼び合うのは周りから見たらわかりにくいなと思って、それに春棒ってなんだかいい愛称になりそうだしな」
相棒はそういうとニカっと笑って見せた。俺は少し頭を悩ませながらその愛称で呼ばれているところを想像した。・・・思いの外いいかもしれないとなり、頬が少し緩んでいた。それを二人に見られていたのか顔がにやけているのが見えた。
「と、とりあえず早く登ろう。まだあの龍みたいなやつをどうするか決めてないですし」
「わかった。春棒の言う通りだね!。あたし、富士山昇るの初めてだし早く登りたい!」
「そうだな。春棒の言う通りにしよう。その前に少しいいか?」
早速春棒の呼び方を使ってきた。凉はからかうように、相棒はさも当然かのように言ってきた。こそばゆさをかみしめつつ相棒がなんか呼び止めてきたので俺たちは何事かと振り返った。
「君たちこのまま山を登るつもりか?。さすがになんも装備なしじゃほんとに逝っちまうぞ」
「?。まぁでもあたしたちも訓練してますしそのくらいでしたら大丈夫じゃないの。ね、春久君?」
「そうだな。俺なんてこの格好だぞ。直垂の姿でずっと過ごしているし特に大丈夫じゃないんか?」
「いや君たちなめてるね。山の怖さを。標高が高くなっていけばいくほど酸素の濃度も低くなるし、気温も低くなる。足場も不安定になってこけやすい。ましてやこれから殲滅に行くのに正常な判断が下せなくなるのはいけない。というわけで君たちには、はいこれを上げる。」
そう言って相棒は謎の空間から登山に向いているような服装とその一式を取り出し、そのまま俺たちに渡してきた。
「ありがとうございます?。いや装備一式はうれしいですけど服はどこで着替えれば?。車ももういなくなってますし。・・・まさかここで着替えろなんて言いませんよね!」
「ああ、それはないから安心しろ。俺たちから見えなくしておくから普通に着替えてくれていいぞ」
「!」
「どこにも安心できる要素がないですよ!!!。つまりあれですか!?。人から見えてないから安心して外で着替えてねってことなんですか!」
「うん」
相棒はただ一言うなずくだけであった。凉は顔がものすごく赤くなって恥ずかしそうにしていたがしぶしぶわかってくれたのか了承してくれた。そして能力で凉の姿が見えなくなってから数分後、着替え終わったと合図をしたので姿が見えるようになるとそこにはかわいらしい姿があった。
「ど、どうかな。似合ってる?」
「めっちゃ似合ってる!。なんか新鮮で良い」
俺は姿を眼中に入れると同時に鼻から赤い液体が垂れていた。美しすぎて鼻の血管が壊れたかも。相棒はこの姿を見ても何も感じてないのか無反応であった。
「じゃ春棒も着替えてくれ」
「うん。わかった」
俺は鼻から垂れている血をふき取って姿が見えなくなったのを確認してから着替え始めた。どうやら着替えている最中、姿は見えずとも声は聞こえてくる。
「そういえば指揮官が言ってた航空部隊のエリートはいつ来るんですか?。空はまだ少し暗くて見えないんですけどほんとに来るんですか?」
「ああ、ちゃんと来るはずだよ。指揮官からもそう言った連絡が来てるはず、なん、だが、あれ?」
「ん?。どうしたんですか?」
俺は話している最中に着替え終わっていたが能力が解除されないでいたので二人がどんな顔で話しているかはわからなかったがなんかあったんだなってことはわかった。そして相棒は恐る恐る言う。
「エリート部隊が来れなくなったって」
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現在の時刻朝六時半。俺たちはとりあえず山を登り始めた。俺たちにとっては衝撃的なニュースから少し希望は薄れていた。
なんかエリートのほうはアメリカさんと急遽合同で訓練をすることになったらしい。元は別の部隊だったらしいが「一緒にやらないか!」みたいな誘いを受けてしまい、こちらに手が回らなくなったそう。
何とか山風指揮官にほかの案はないのかと聞くと別の空いている航空部隊が来るそうだけど、航空部隊内でもあまり戦果を挙げてないとこらしく期待は低いそうだと。
「まぁ、結局あたしたちで何とかしないといけないってわけですね」
「そうだな。一応成功の確率が低い策があるんだがそれをするしかないのか?」
「どんな策なんですか?」
少し期待をしつつ聞いてみると相棒は立ち止まって勢いよく言う。
「それは春棒たちを空中で戦わせるということだ!」
「?」
「???」
俺たちは何を言っているのかわからず頭にハテナが突き刺さっていた。凉に関しては目の中もハテナになっているように見えた。
「どういうことですか?。え、何ですか空中で戦うって?。そもそもあたしたち翼もなければ羽毛すら生えてないですけど」
「・・・そんなに威圧するような声で言わないでくれ。ちゃんと説明するから。どういうことかというと空を飛ぶんじゃなくて空を歩けるようにするんだ。わかるだろ?」
「いやわかんないです」
なんか二人でコント見たいな話が展開しつつあるこの状況、俺は真面目にどういうことかを考えた結果一つの答えにたどり着いた。
「ソレってつまり俺たちが昔に流行っていた空中ウォークをするってことですか?」
「ちげーよ。そんなわけあるか。てかそれ浮いてるように見えるだけだろ」
真剣なまなざしで言ったにもかかわらず、すぐに否定されてマジレスされてしまった。違ったか。ちょっと自信あったんだが。
「じゃあどういうことなんですか。もったいぶらないで早く教えてください!」
「わかったわかった!。もうふざけないちゃんと答えるからそんな怖い顔しないで。俺が春棒たちが空中を歩けるように補助の足場みたいなものを出す。イメージとしては”飛んでけ!!春音ちゃん!”に出てくるあの空中散歩できる円盤とか、昔で行ったら”NARUTO -ナルト-”に出てきたあの求道玉っていう黒い球体を足場にしてた感じだ」
飛んでけ!!春音ちゃん!は知っているがナルトというのはわからなかったがとりあえず円盤状の足場があるってことはわかった。
「そういうことなら早く言ってください!。理解に時間がかかったじゃないですか!」
「すまんすまん!。ただ今回俺の能力は10%ほどしか解放されていないから足場はそんなに大きくないから注意してくれ」
「わかりました。とりあえず早く行こう!。それにしてもほかの登山客が見当たらないですね」
「封鎖してるからな。万が一にでも一般客が怪我でもしたら即この組織は解体されてしまうし」
そんな会話をしつつ俺たちは時間をかけて登っていった。頂上に近づくに連れて日光がまぶしく光ってくるのが見えて、同時に空を悠々と泳いでいる二匹の龍がいた。
「もう少しで登頂ですね。なんか意外と早く着いたような?」
「まぁ人いないからな。スム~ズに進めていたし、ストレスフリーだったな」
「航空部隊のほうからはなんも連絡も来ていないから先に俺の策でもやって見るか」
相棒はそういうと二つの鋼色をした円盤を出してきた。それは宙に浮いていて人ひとり立てるスペースくらいしかなかった。
「あの千楽寺隊長?。このサイズじゃあたし銃を構えられないんですけどもう少し大きくしてもらってもいいですか?。撃った時の反動でも落ちちゃいそうだし」
「・・・わかった。・・・落ちないくらいの大きさにしといたぞ。これでいいか」
そういうと凉は実際に乗って確かめていた。円盤は本人の動きたい方向に動くようになっていて戦闘機さながらアクロバティックな動きをしていた。相棒はまさかそんなにすぐ乗りこなすと思っていなかったのか唖然として褒めていた。
「すごいな。墨坪。すぐに乗りこなすなんて今回初めてなんだよな?」
「え、うん。でも何となく動き方が分かるような気がしてね」
加速も減速も一回転もすいすいと披露していくその姿はまるで自由に羽ばたいている鳥のようにきれいだった。しばらく遊泳してから凉は俺たちのいるところに戻ってきた。
「墨坪はセンス良かったけど、春棒はどうなんだろうな。ちょっとやって見ろ」
「任せてください!。俺だってすぐに乗りこなして見せますよ!」
そう言って啖呵を切ったのはいいものの実際に足をのせてみると、
「!?。うわなんだこれ。すごく揺れてる!」
「春久君w。めっちゃ腰がw。生まれたても小鹿みたいになってるよw。しかもそんなに浮いてないしw」
凉はそんな光景を見て大笑いしてい見ていた。相棒も「何してんだ」といい少しあきれた顔をしていた。なぜだろう?。凉野見ていた限りじゃそんなに難しそうに見えなかったのに。
「もっと信頼していいんだよ。普通に立つ感覚だよ」
「そういわれてもなんかこいつ動くぞ!」
瞬間円盤はいきなり横に動いたせいで慣性を受け俺はそのまま落ちてしまった。その後もしばらく練習をしていると次第に何とか動けるようになってきた。
「ようやく様になってきたじゃん!。一回転とかはまだ無理そうだけど!」
「無茶を言うな!。さっきまで落ちてばっかりだったし、それわざわざ一回転とかする意味ないだろ」
俺は凉と一緒にどういう風に動くかをシミュレーションしながら飛び回っていた。そして相棒はというと下のほうで俺たちを見上げているだけだった。なんか少しうらやましそうに見ていた。
「こんな感じで動いてもらって殲滅してもらえればいいかなと思っている。俺は地上のほうで何かあったときに対処できるようにするから思う存分に戦ってきてくれ」
「わかりました!では今回はどんな作戦名にしようかな?」
「作戦名?」
俺たちは一回相棒のいるところに戻ってきてから話していると聞きなれない言葉が聞こえてきた。
「ああ、そうか春棒はあの時いなかったから知らないのか。この部隊は任務を遂行するときに作戦名を立ててから行うようにしているんだ。その方がかっこいいし士気も上がるだろ」
「確かに!。どんな作戦名がいいかな?」
俺は納得をして作戦名を考えていると凉が言ってきた。
「ちょっと今回はあたしが作戦名を決めるのよ。前回千楽寺隊長がいいって言ってた気がするもん」
「え、そうなのか?う~んわかった。俺きっとその辺のセンスもなさそうだしいいよ」
俺がそういうと凉は華が開いたように笑顔になって考え始めた。数分後、
「お、いいの思いついた!」
「なんだ聞かせてみろ」
どうやらいい感じのが思いついたのだろう凉は自信満々に高らかに宣言した。
”空飛ぶ蛇を何とかしよう作戦!”
瞬間シーンとしたお通夜のような静けさが風となって通り抜けていった。なんか作戦名っぽくない。
「なんか作戦名っぽくないけどまあいいや。決定権はなずけた本人にある!それで行こう!」
相棒は俺の思っていたことをそのまま言葉に出して涼の顔は一瞬驚いていたが、その後すぐに笑顔になって張り切り始めた。
「よしとりあえずどんな感じか偵察がてら見に行ってくれ。俺はあの龍。名前をアングヴィスとして。そいつが引き起こしていった鱗の被害や復興の手助けをしてくるから航空部隊が来たら一緒に戦うんだそ。はいこれインカムどんな戦闘機にも無線を送れる奴だから必要になったら使え」
そう言って相棒は先に下山していった。俺たちも円盤を使って二匹の龍みたいな蛇に向かって行った。日が煌々と照らし、まるで神話に出てきそうな風格がそこにはあった。




