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第二十話:登山、したことありますか?

どうも井中です。先週は体調を崩してしまい投稿ができず申し訳ございません。内容も短いものとなっていますので時間があるときにサクッと読んでいただけると幸いです。

俺は部屋に帰ってから今日あったことを相棒に電話で伝えた。服のことや今日行ったところ、そして()と付き合ったことなど。


「ほんとに!助かりました!。服のセンスもよかったですし。なんでドンピシャで服を選べたんですか!??」


俺は寮に帰っている途中、凉と手をつなぎながら帰っていたのだが俺は内心興奮が収まらなかった。初めてできた彼女だし、抱き着いたときとても柔らかかったし、手を握ったときすべすべしていて触り心地がよかったし、何より涼の横顔が視神経をぶちぶちにするくらい魅力的に映るし。部屋に戻ってからもずっとこんな調子だった。


「そりゃあいいに決まってるだろ。俺があらかじめ未来を見てあげていたんだからな。付き合うとは思ってなかったが。まぁよかったな!」


「ほんと神がかったアシストでしたよ!。あ、服は洗濯して明日お返ししますか?」


「いやいい。彼女出来たお祝い品としてもらってくれ。それに普段着とかないだろ。いつも直垂っていうわけにもいかないしな!。」


相棒は気前よくイヤホン越しに喜んでいるのが分かった。しばらく間が開いた後、相棒は少し気になっているのか小さな声で聞いてきた。


「・・・で実際に付き合ってみた感想はどんな感じなんだ。互いに名前で呼び合ったりするのか?」


「え、まぁそうだな。電車に乗ってる最中に名前で呼んでほしいっていてたからそうしてるけど、少し恥ずかしいな」


「おお・・・。やっぱそんな感じなのか。俺も恋人がほしくなるなぁ」


俺は気恥ずかしい気持ちになりながら答えると相棒はなんだか感心したように声を出していた。いつもの相棒って感じではなく近くにいる男友達みたいな距離感で話していた。


「そういえば相棒は何していたんですか?。山風指揮官からはお休みをもらったんですよね?」


「あ、俺か?。いや本当だったら休んでもいいって言われたけど、急遽海上部隊のやつらが新しい船を建造してくれって言ってきて仕方なく働いてたぞ」


「海上部隊?」


「そっか!。まだ知らないんだったな。HPFには俺らが所属してる陸上部隊以外にも海上部隊と航空部隊があってな、何かと今まで助けてもらったことがあるからこうして恩を返してたんだ」


聞きなれない単語に相棒は軽く端的に説明をした。というか俺たちが所属している名前すら初めて知ったわ。もう軍みたいだな。


よく耳を澄ますと奥の方で盛り上がっている声が聞こえてきて相棒に話しかけている声も聞こえてきた。


「・・・なんだ今大切な仲間と電話してる最中なんだが。ああ、わかったから今から行くから。まぁとりあえず振られないように頑張りなよ。ちゃんと大切にしな。じゃ、明日の訓練でな」


「わかりました。相棒もおやすみなさい」


そう言って俺は電話を切って風呂に向かった。醒めぬ気持ちがあふれ出していた俺はルンルンで浴槽に向かった。体を洗い一通りお湯につかっていてふと考え事をした。


「そうか。いずれ付き合っていたら一緒にお風呂とか入ることがあるのか?。・・・もうちょっと体を鍛えておこう。もう十分すぎるくらい腹筋もついてきたけど、守れなかったら意味がないしな。うん」


少しアレな考えもしてから俺は風呂から上がり、冷蔵庫の中から残っていた作り置きのものを温めなおし食べた後、何事もなかったかのように寝ようとした。


布団に入ってから一時間目が覚めていて寝れない。仕方がなかったので俺はベランダに出て凪いだ海を眺めていた。もう夏になってきているのに冬張りに寒い風が吹いている。興奮して体が火照っている俺の体を冷たい風が体温を奪うようにして通り抜けていく。


静かな景色をしていると次第に眠気が出てきたので部屋に戻りいそいそと布団に戻って瞼を閉じた。


それからの数日特に大きな任務とかはなく、至って普通のいつも通りの訓練の日々が続いていた。変わったことと言えば凉が休憩中や訓練が終わった後にとてもじゃれてくることだろう。HPFに所属している以上あの日以来デートとかはできていないがその分俺は目いっぱいじゃれていた。


「ねぇねぇ聞いてよ春久君。あたしだいぶ体力のほうついてきたんだよ。能力も前よりもかなり使いこなせてきた気もするし。褒めて~」


「おお、すごいじゃんか。最近スナイパーのほうも精度が上がってきているって言ってし、頑張っててえらいなぁ」


「わわ!あまり髪をがさつにしないで。もっと滑らかに頭をなでてよ」


凉はそう言いながらもまんざらでもなさそうな顔をしていた。俺も女の子の頭をなでるなんてことしたことが無かったのでいまだに慣れていなかった。初めのほうなんて頭をなでた時の”・・・もうちょっと優しくお願いね”って不満ありそうな顔がいまだに忘れられなかった。


「まぁよくなってきたんじゃない//。あっそろそろ戻らないと!。それじゃまたあとでね!」


凉はそう言って駆け足でどっか行ってしまった。俺も見送った後一度戻ってから相棒から剣術の指南をしてもらい、体がバキバキになっていた。


そんな訓練の毎日をしていたある日のこと。目が覚めるとケータイからものすごい量のメールが届いていた。誰からなのか見てみると山風指揮官からであった。「早く来い」連打で恐怖を感じ、現在の時刻を見ると四時であった。


「なんかものすごくいやな予感がする。とりあえず向かうか」


俺は急いで支度してから部屋を刀をもって飛び出して作戦室に向かって行った。部屋に着くとそこには昨日から働いているであろう情報課の人たちが満身創痍な顔でモニターと向かい合っていて、山風指揮官もずっと起きていたのか顔にクマができていた。そして何食わぬ平然とした顔で相棒も待っていた。


「どうしたんですか。こんな早朝に。俺まだ寝ていたいんですけど」


「何を、。寝ぼけたことを言っている。呼んだらすぐ来ないといけないだろが」


山風指揮官はあくびをしながら俺に言ってくる。その後もぐちぐちと小言を言われながらいると、後ろから凉があくびをしながらやってきた。


「ふぁ~。おはようございます。何ですか急に。あたしまだ寝ていたかったんですけど」


「おはよう。墨坪。あくびをしながら入ってくるとはなかなか度胸がついたのでは?」


「!!。なんでもありません!。もう完全に起きました!!」


そういわれて目が覚めたのかいきなりしゃきっとしてしっかりと覚醒をした。相棒もうんうんとうなずきながら見ていた。


「あれ、そういえば東雲副隊長はどこにいるんですか?」


「あ、確かにいないな」


凉に言われ、俺はあたりを見回したがそれらしき姿が見られなかった。まだ寝ているのかな?うらやましいなんて思っていると山風指揮官は言う。


「ああ、そのことなんだが東雲は本任務から除外させてもらっている。なので今回は特別殲滅部隊は三人の出撃となる」


「え!。ど、どうしてなんですか!?」


俺と凉はどうしてなのか山風指揮官に問い詰めていたが相棒はすでに知っているのか黙って聞いていた。


「まぁそのことも後で話すが先に任務について話させてくれ。今回の任務はかなり面倒くさいことになっていてだな。まず富士山に登ってもらう。上っている最中にもこれが見えるかもしれない」


そう言って巨大モニターに写した画面を見るとそこには大きな龍みたいなやつが二体優雅に動いていた。まるで古に流行っていたオープンワールドのゲームに出てきていた生き物みたいな姿であった。


「これは現在の富士山上空の映像なんだが見えるだろう。あの大きな龍の生き物が。今回はあれを討伐してきてもらいたいんだ」


「え、いや、いやいやいや!。無理ですよね!あんな高いとこスナイパーライフルを使っても届きませんよね!」


凉はそう突っ込みながら言っていたが俺も内心同じことを考えていた。どう考えても刀は届かないし絶対に無理な高度にいるため投げても届くわけがなかった。


「まぁ、そうだなお前たち二人だけだったら不可能だろう。だがこういう時のために千楽寺がいるのだろう~」


飄々と山風指揮官が言っていたがもうそれ相棒はただの万能な能力持ちとしか見てないですよね。相棒もなんだか遠い目をして上を見ていた。


「なるほどすごく便利な道具だと考えているんですか?千楽寺隊長のことを?」


「いや、さすがにそんなことは・・・ない!と思っているぞ。ほら能力がもうな、あれじゃん。できないことないじゃん」


凉にそういわれて山風指揮官が少したじろぎながら言っていた。相棒の目のハイライトが消えていた。そして何となくこの任務で香熾さんがいない理由が何となくわかった。


「とりあえずそれはわかりました。ということは香熾さん、東雲副隊長が除外されたのって高いところがだめだからですか?」


「その通りだ。東雲は高所恐怖症らしく本人曰く行くと失神してしまうらしい。以前もほかの任務で高所に行った際ほとんど動けずだったそうだ」


「なるほど。で、結局三人で行くことになったんですか?」


「いや今回はほかの部隊の人たちにも協力を仰ぐことになっている」


考えていた通り高いとこがいけないそうであり、代わりに別が用意されていると聞き、俺は少しどんなものなのか気になった。


「ほかの部隊ですか?」


「ああ、航空部隊所属のエリートが手助けしてくれるらしいからそれまでに君たちであの龍の様子を見てきてもらいたい。わかったかね?」


「「「了解」」」


俺たちは一通り話を聞き、了承しそのまま急いで準備をし、富士山へと向かって行った。太陽もまだ出ていない時間の外はまだ夜を感じさせるような暗さがあたりを包み込んでいた。

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