2:いざグランダの国へ②
グランダが王城の門の前で
「戻ったわよ!」
するとゆっくりと音を立てながら大きな門が開き
「「「お帰りなさいませ、グランダ様」」」
城内には、それぞれ一列に並び頭を下げる者達が見えた。
先頭に立ち頭を下げてる執事の服装をした男性が、
「おかえりなさいませ、グランダ様、そしてようこそおいでくださいました、ドウェイグ殿、アルクロス殿」
と頭を下げて挨拶した。
「いい! 私達3魔王はこちらにいる『ミホ様』の配下になったから!」
グランダは国家運営に関わる重要な内容の結果だけを端的に執事に告げた。
「そちらのお二方はミホ様と従魔のブリアン様ですね」
グランダの簡単すぎる報告に対して、動じることもなく執事の男はミホとブリアンにあいさつした。っていうか、ブリアンの名前をこの執事はすでに知っているようだった。
「俺は従魔だが、ミホの師匠だ! もちろん最高級のもてなしを頼むぜ!」
ブリアンは羽を羽ばたかせ、威厳を見せるかのように言った。
「もちろんです、ブリアン様。ミホ様と同等の対応をさせていただきます。」
執事の男性はブリアンに頭を下げ言った。
「もぉ〜ブリアン師匠、そんなこと言ってると唐揚げにされちゃうよ? でもその時は私が美味しくいただいてあげるから安心して?」
「あ、安心できねーよ!!」
ミホとブリアンがいつもの調子で会話をしていると、
「ミホ様、こちらはアシュメといいます。私の専属執事長であり、この国の宰相です。男なのに優秀なんですよ!」
グランダが執事のアシュメをミホ達に紹介した。
「アシュメと申します。今後何かお困りになることがありましたら、お気軽にお声がけください。」
アシュメがミホに向かって礼をした。洗練されているお辞儀をしているところを見ると、聡明なグランダの専属執事長というのも納得できる。
「アシュメさんは仕事のできる人だね!」
「アシュメとお呼びください。また、私の後ろにいる者達は、グランダ様の直属部隊『ブロッサム』のメンバーです。よろしくお願いいたします」
ミホの誉め言葉にアシュメが言うと、アシュメの後ろに立っていた者達が一斉に頭を下げた。
「よろしくね!」
ミホは笑顔で答えて、ブロッサムのメンバーを見ると、ミホたちを出迎えた者は全員女性だった。アシュメは執事服を着ているが、ブロッサムの女性たちはメイド服ではなく、全員細身のスーツ姿であった。
「か、かっこいい」
ミホが思わずつぶやいた。
「「「いたみいります」」」
ブロッサムのメンバーは再度、深々と一斉に頭を下げた。