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【感謝!12/31完結】来世を決めるゲームをやりすぎて、最強になっちゃいました  作者: 曖上央
序章

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4:森の惨劇の場で

しばらくすると、豪華ごうかな馬車が1台とその護衛ごえいの騎馬隊がやって来た。そしてミホの放ったファイアボールで消失した森の区画で止まり、騎馬隊は何が起こったのか警戒しながら調査しだした。


そして馬車の中から豪華ごうかな服を着たお爺さんが出てきた。


「なんと! ゴブリンの集落が無くなっておる!」

そのお爺さんは大声で叫んだ。


その後、辺りを見回して、この惨劇さんげきの場に似つかわしくない、いたいけな少女とモフモフの霊獣のような鳥が呆然ぼうぜんと立っていることに気づき、近寄ってきた。


「もしかして貴女様方は、勇者様ですか? 先程すさまじい魔力を感じました!」


「えーっと……」

どう返答と説明したらいいかミホは困り


「ゴ、ゴベンナサイ」

半べそ状態で謝った。


「いえいえ滅相めっそうもございません。

…… 申し遅れました。私はグレッセル国の王フリーデン・グレッセルと申します」


「王様!?」

(王様が何で私達に? っていうかさすが王様だけあってスゴイ服着てるな〜)

とミホが考えていると、


「なぜ国王がここに!?」

ブリアンがフリーデンに質問した。ブリアンはミホよりも冷静だ。


「それは、ゴブリン達がいるジョモンの森ですさまじい魔力が放たれたと感じたからです。急いで確認をしにやって来ました」

フリーデンは淡々と告げた。


ミホはフリーデンの言葉を聞いて顔色が悪くなりながらも

「その魔力はきっと私の魔法です。ごめんなさい」

と再び謝った。


ミホの言葉にフリーデンは目を見張り、驚いた顔になった。


「いえいえ、謝らないで下さい。魔法を放ってくださったおかげで貴女様にこうして会えたのですから。

…… ここでお話をするのもなんですから、我が城に来てくださりませんか?」


「お城にですか?」

(いきなりお城に来てって、なんかあるよね! そう言えば私達のこと勇者? って聞いてたし)

なんと、ミホは森を破壊したという罪悪感を取り払った!


「はい…… 貴方様の力を見込んで、その、お願いしたいこともございまして……」

(いきなりすぎたか?)

フリーデンは自分の交渉の仕方を少し反省しつつ言った。


「あの〜 因みになんですけどぉ〜 シャトーブリアンって、食べれます?」

ミホは恐る恐るした態度ではあったが、その態度の数倍おそれ多い内容をフリーデンに聞いた。


「またそれかー!」

ブリアンはバタバタと羽ばたいて、全力でつっこんだ。


「……」

フリーデンが黙った反応のままなので


「無いデスよねー すみません」

とミホが言うと


「いえ、ありますよ。ただ驚いてしまっただけです。まだお若いのにずいぶんグルメでいらっしゃると」

フリーデンがしゃべり終わったと同時にミホは


「行きます!」


「相変わらずお前は、ザツ頭だな!」


(ブリアン師匠が何かヒドイこと言っている気がするけど、無視よ、無視! 今はシャトーブリアンのことしか考えないの!)


「では、早速ご案内いたします」

と言うフリーデンの馬車にミホとブリアンも乗せてもらい、森を去ることになった。


▷▷ ▷▷ ▶▶ ▶▶


馬車の中では特に会話もなく、3人は無言で乗っていた。しばらくするとフリーデンの城に着いた。お城の人達は皆んな硬直しており冷や汗をかいていた。


(お城、でっか〜! っていうかメイドさん達固まってない?)

キョロキョロと城の中をミホが見回していると


「陛下! 大丈夫でしたか? それで何がおこっていたのですか?」

豪華ごうかな服を着た女の人がフリーデンを心配してかけよってきた。


その女性に向かってフリーデンはすごく偉そうに、

「まぁ、心配するでないわ! 恐れながらも確認しに行ったかいがあったものよ! 

ワッハハハ ワッハハハ

おっとすみません、こちらは妻ローズマリーです。


ローズマリーよ、この方は勇者様だ」

フリーデンはドヤ顔で、妻のローズマリーにミホを紹介した。


「貴女があの魔力をつかったの!? まだ幼いのにすごいわねー! 初めまして、フリーデンの妻ローズマリーです」

ローズマリーは最初は疑いの目を向けていたが、何か感じたようですぐにミホ達を信じたようだ。


「私はミホです。ケロchu!」


「俺は、ブリアン、よろしくな!」

ミホは緊張しつつも例のポージングをし、ブリアンは偉そうに挨拶をした。


「まぁまぁまあ! ブリアン様〜 とても良いモフモフ毛並みですね! しかもブリアン様はフェニックス属ではありませんか〜!」

ローズマリーは、ブリアンを見てとても嬉しそうな笑顔でブリアンを抱きしめた。


(え? いきなり? ローズマリー様ってもしかして、モフモフ好き? しかも、ブリアン師匠を見ただけでフェニックスって分かるんだ~)


「待てローズマリー、この方達はこの世界を救う勇者様なのだぞう!」

フリーデンがローズマリーを制する発言をした。


ミホはここで今まで言いかけて言えてなかった言葉を発する

「私、勇者ではないですよ!」


(勇者なんて痛そうだし、(つら)そうだしイヤだもんねー!)


ミホは否定したが、フリーデンは不敵な笑みを浮かべ、

「では、シャトーブリアンをご馳走ちそういたしますので、『勇者的なこと』やってくださりませんか?」


「やります! 任せてください!」

ミホは満面の笑みを浮かべ、そしてやる気に満ちた!


それと反対にブリアンは、あきれた顔を浮かべている。

「ザツ頭が、簡単に餌付えづけられていやがる」


やる気に満ちているミホに、フリーデンが恐る恐る言う。

「あの、ミホ様…… その強大な魔力を抑えてもらってもよろしいでしょうか? 

その…… 城、いやこの国が貴女様の魔力に満ちています」


(何を言っているの、王様。私の魔力が国中に満ちてるって? そんな馬鹿な。っていうかローズマリーさんもブリアン師匠もうなずいてるじゃん!)


「おい、ザツ頭。魔力を体内に集めて閉じ込めるイメージだ」


「う、うん。…… フー、テリャー! …… ヤッター! 出来たんじゃない?」

ミホが魔力を抑えると今までずっと暗かった空は明るくなり、魔力が弱く硬直していたメイド達も自由に動き出せるようになった。


フリーデンは、この国の空の異変はミホがこの世界に来た時に発生したのだと確信した。そして目の前にいる小さな女の子にこの国の命運をたくそうと決意した。


「では、話しましょう。人族はおそらくあと少しで魔族の手により滅びてしまうでしょう。そこで、ミホ様にお願いです。魔王をやっつけてほしいのです」


(なる程、なる程、お約束の展開。最強の私なら問題ないはず!)


…… んー!?


でも、もしかしたら…… 一応、確認しておこう!)

 ミホの『大人の事情の核心を感じる力』が作動した。


「ちなみに魔王って、1人ですよね?」


ミホの質問にフリーデンは目を逸らして

「ん? 確か…… そ、そう、さ、3人です……」


フリーデンの回答にミホはがく然とした。


(まさかの! 一応、念の為に聞いてみたけど。あっ、もういいかな? やらなくても!)

遠い目をしてミホがフリーデンに


「お断りし」

と言いかけると


「国産A9のシャトーブリアンですぞ!!」

またもや不敵の笑みを浮かべたフリーデンはミホが話しているのをさえぎって、発言した。


「行くよ! ブリアン師匠!」

『国産』しかも『A9』という響きに、ミホのやる気は完全に復活した。


「ったく、しゃねーな」

ブリアンもついてきてくれるようで、ミホは安心した。


「さようですか。有り難う御座います。報酬は当国が誇る国産A9のシャトーブリアンでよろしいですか?」

フリーデンは王様の威厳をみせつつ聞いてきた。


「はい! お願いします!」

ミホはキッパリと答えた。


「よし! これで俺が食べられることは、無くなったぜ。まぁ、もう牛じゃないんだけどな」

ブリアンは安心した顔をした。


「魔王達の居場所はここからは結構遠いのですが、ターネル国です。ちょうど3人の魔王達が陥落かんらくした国に集まって会議をしている様です。ミホ様は当国軍と一緒に……」


ピューン!


ミホはフリーデンが話しをしている最中にも関わらず、大空へとものすごい勢いで飛んで行った。


「え!? ミホ様!? は、早っ!」

フリーデンとローズマリーは驚愕きょうがくの顔をしている。


ブリアンは呆れた顔をして

「すまんな、あのザツ頭は! シャトーブリアンのことになると目がないんだ。俺は後を追うから! あっ! あと、援軍とかはいらねぇ〜と思う。だって、あいつ最強だし。そして、この俺! あいつの次に強いからな! まぁ、任せとけって! じゃあな!」


ピューン!


そしてブリアンもミホに匹敵するぐらいの早さで、空を飛んで行った。フリーデンやローズマリーは、開いた口がふさらがなかった。



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