7:ドウェイグの国へ
ミホがドウェイグの国に向かう日がきた。
ブリアンは瞬間移動魔法を使いたがったが、ミーネ国の景色も見てほしいとドウェイグが言うので、マーレリングから飛行してミーネ国に向かうことになった。
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「もうここら一帯はミーネ国の領土になります」
近くに大きな山と樹海が広がる所に来てドウェイグがミホに言った。
「町とか農場とか何にも見えないぞ」
ブリアンが言うと
「ドワーフは農業は得意ではありません。また町はあのコフン火山の地下にあります。
あの場所から地下に移動します」
ドウェイグが遠くに見える教会や祠のような物を指さして言った。
その建物は青白い光に包まれていた。
建物の前にたどり着き、ドウェイグが門に近寄ると、建物を覆っていた青白い光が消えて、門が開いた。
「さあ、お入りください」
ドウェイグがミホに建物の中に入るよう促した。
全員が建物の中に入ると、扉が自然にしまった。建物の中は何もない1つの部屋だった。
「これから地下にあるミーネ国に参ります。我々ドワーフは地下でも普通に暮らせますが、他の種族の者には地下世界でも地上と同じような景色が見えるよう、この『VR液』を目につけていただきます」
ドウェイグは目薬のようなものを取り出し、皆に配った。
「VRとはVertual Realityの略で仮想現実のことです」
アルクロスが説明した。
「うゎ、私目薬苦手なんだ」
とミホが言うと、
「安心してください、何もしみませんよ」
ドウェイグは笑いながら言った。
ミホは目薬をさそうとしたが、液がしたたり落ちる瞬間に目をつぶってしまった。何度も挑戦したが、目の中にVR液を入れることができず、顔がすっかり濡れてしまった。
「め、目薬がどうしても苦手な方に、少し威力が落ちてしまいますが、ミスト状も用意しております。こちらを目の少し前に吹きかけますので、ミストができたらそこで目をパチパチしてください」
レベルMaxにも関わらず目薬が苦手で顔がベチョぬれなミホに少し動揺しながらも、ドウェイグはミストスプレーボトルを取り出し、ミホの顔の前でVR液の霧を作った。ミホはその霧に顔を入れ目をパチパチした。
「ミスト状のVR液は1日1回していただく必要がございます。ミホ様はこちらをお持ちになり、ミーネ国にいる間は毎朝ご使用ください」
ドウェイグはミホにスプレーボトルを手渡した。
「分った。ありがとう。ドウェイグ!」
ミホはスプレーボトルを受け取り、ミホのアイテムボックスにしまった。
「それでは地下に参ります」
とドウェイグが言うと、中の部屋ごと地下に移動しだした。
「この建物の中がエレベーターのようになってます。しばらくすると地下都市が見えてまいります!」
ドウェイグがドヤ顔で説明した。




