闇の中から光
朝、目を開けると昨日の出来事が夢だったんじゃないかなと、思ってしまう。
しかし、予想を裏切って自分の体を見てみると、見えないところを中心に沢山の痣や傷があった。
リビングからお母さんの呼ぶ声が聞こえる。
学校、と思うと気が思い。しかし、行かなきゃお母さんに心配をかけるし、なによりキレかけない。
心配をかけないためにも、制服に着替えて朝ご飯を食べるために重い足取りでリビングに向かった。
「今日はパン?ごは・・・ん?」
「おはよう」
リビングに入る前に気合を入れておかしく思われないように笑顔で朝ごはんが何か聞くと、そこにはウチで朝ご飯を食べている先生が居た。
ここって私の家だよね?と疑問に思う。あたりを見渡すが、知らないものなどない。見慣れたものばかりだ。・・・先生を除いて、だけど。
「先生、なんでここにいるんですか?」
「ん、心配だからですね。」
そんな淡々と・・・色々問題などおこるでしょう?そういって、溜息をつきながら自分の席に座った。先生なんかのせいで、朝ご飯を食べ損ねるなんてありえないでしょ。
先生の方を見ていられなくなって、キッチンの方を見ると、お母さんは鼻歌を歌って食器を洗っている。
先生がいるからか。心なしか、朝ごはんも豪華だ。先生のところにはレバーが沢山入っているけど。
「先生って、実はレバー嫌いでしょ?」
「ごほっ・・・な、何言ってるんですか!?」
だって、レバーだけちまちま顔を青くしながら食べてるし。でも、慌てる先生が面白いから言ってやらない。
笑いながら先生を見る。先生は必死に頭を捻っている。なんでそんなに必死になるんだろう?
1日と半日で知らなかった先生の沢山の面を沢山見れた気がする。
「もしかして、からかったんですか!?」
「ううん。さぁ、早く食べなきゃ遅刻だよ?」
そういって、2人で時間を確かめる。あともう少しで遅刻だ。2人で顔を見合わせて笑い、急いで家を出る。
お母さんは、寂しげに先生を見つめている。いま気がついたが、お母さんの後ろに、絶句しているお父さんが居た。
我が家の序列は、お父さんが下。情けないよ、お父さん。