一週間の幕開け
彼方と過ごした最後の一週間。
それは、私にとって辛い高校生活に幕を引いてくれた。
どこにでもいる女子高生、それが私だった。とくに目立つところもないし、交友関係もそこそこ。
校則はちょっと破るくらいな普通の高校生活を過ごしていた。
それがいつからか狂い始めていた。
私の入っているグループは学校では少し過激な方だ、といってもウチのグループより、過激なグループは結構いる。
だから、気にならなかった。
皆といれば楽しいし、ウチのクラスで浮いているオタク女みたいに皆に避けられたりしない。
ちょっと、オタク女よりはマシだって優越感があった。
たとえ、グループの中で私がパシリ的な位置にいようとも、いつも瀬戸より・・・オタク女よりマシだって思えた。
今だったら分かる、瀬戸がどれほど苦しんでいたか。
自分がそういう立場になったからって都合が良すぎるけど、真剣に今までの自分は馬鹿だって思う。
キッカケは本当に些細な事だった。グループのリーダー、菖蒲の好きな人に告白されたからだった。
もちろん、私は知っていたから断った。それが、さらに菖蒲の機嫌を損ねたらしい。
「菖蒲の好きな人に告られたくせに、菖蒲に同情して断る!?パシリのくせにっ」
どっちに転んでも私はいまの状況から逃れられなかった。
OKしても、しなくても菖蒲の機嫌は一緒だろう。冷静に考える自分が少し嫌になった。
そして、高校最後の一週間が幕を開けた。