9.成人まで
少しだけ触れたが、
この世界には、冒険者がいる。
といっても、父のように
素行の悪い奴もいれば、
コツコツ頑張って、大成する奴もいる。
まぁ危険な職業だ。
おっちゃん、硬パン二つくれよ
「ケルトのとこの坊主か、銅貨二枚だ。もってるか?」
・・・・また銭貨で払ってもいいか?
「またかよ・・・・銭貨はかさばるんだよ、次は銅貨ではらえよ!」
・・・・この世界のパンは、
とにかく硬くて、無味だが、
多少の保存のきく食べ物だ。
この銭貨は、約十円ほどの価値がある。
そして、銅貨は百円くらいだ。
銅貨の上に銀貨。
その上に金貨。
更に上には白金貨、王貨、
その上に紙幣がある。
・・・・うちは、正直言って貧乏だ。
全財産を集めても、金貨5枚に届かないほどだ。
この世界では十歳で成人。
成人したら、雇用の契約ができる。
普通なら、家業を継ぐか、
契約をして、他の町や都市に
出稼ぎに行くかだが、
しかし僕は・・・・
僕は成人したら、冒険者になるのだ。
冒険者は危険だ、
危険だが、普通の仕事よりは儲かる。
僕には野望がある。
お金を稼いで、母を王都の屋敷に
住ませ、父から遠い地で、
楽しい毎日を送ってほしい。
???「おい!ケルト!お前あと少しで成人だってな!」