第27話 アース王国
アース王国に着いた私は、とある違和感を覚えた。
以前よりも警備兵の数が増えている気がする。それに、結界が街を覆っている。何かあったのだろうか? これでは城どころか街にも入れそうにない。――透明化してから移動するか。
私はすぐに透明化魔法を使い、城に向かった。
城の近くは、街以上に警備が厳重だった。やはり何かあったのだろう。
私は城の中に入り、魔力を頼りにアリアを探した。
アリアは王の部屋にいた。目の前には、静かに眠る王がいた。明らかに様子がおかしい。アリアが涙を流している。
私は静かに王に近づいた。――魔力を感じない。以前会った時は、かなりの魔力を感じたのに。まさか……
「誰ですか」
突然、アリアが私の首に切っ先を向けた。
「凄いね。どうやって気づいたの?」
私は透明化魔法を解除した。
「そんなことはどうでもいいです。これをやったのはあなたですか?」
「違う。疑わしいならここで殺してもらっても構わないよ」
「――すみません、突然疑って」
「いや、こんな状況なら疑うのもしょうがないよ」
「何の用でここに?」
「お話をしにきた」
「お話?」
「そう、お話」
ふと、こちらに近づく足音が聞こえてきた。
「場所を変えましょう」
そう言って、アリアは部屋を出た。
私は透明化した後、アリアを追った。
アリアが向かったのは自分の部屋。かわいい家具がたくさん置かれている。
「それで、まずはあなたが何者なのかを教えてください」
「レイ・ヒナギク。攻撃魔法が使えない魔法使い」
レイという言葉を口にした時、アリアの表情が変わった。
「レイ……」
「何? 知り合いに同じ名前がいるの?」
「はい。とても仲の良い友人が」
「お姉ちゃんじゃないの?」
「な、なぜあなたがそれを知っているのですか!? レイと私だけが知っている話を知っているのはおかしいです。それこそ、レイ本人でないと……まさか」
「その通りだったらどうする?」
アリアは涙を流しながら私に勢いよく抱きついた。
「死んだと思っていました。けど、生きていたのですね」
「いや、死んだよ」
「え。じゃあなんで生きてるんですか?」
「記憶を持ったまま転生した」
「たしかに、見た目が変わってるし、そんなに日も経っていないのにかなり成長してますね。……本物のお姉さんみたい」
そう言いながら、私の胸に顔を埋めるアリア。
「ど、どうしたのいきなり」
アリアは返事をせずに、私をぎゅっと抱きしめた。
服が濡れていくのを感じる。
私は静かにアリアを撫でた。




