第23話 二度目の転生
私は二人に連れられ、大きな屋敷に向かった。二人が言うには、ここは私の家らしい。
そのまま自室に案内してもらい、クローゼットから服を取り出し、着た。
黒の肩出しワンピース、赤い花の刺繍が入った白いローブ。ゲームの世界では見たことがない服だから、おそらく普通の服。まあ、見落としているという可能性もあるが。――靴はどうしよう。
私は部屋を見回した。部屋のベッドの近くに、赤茶色のローファーがある。サイズもピッタリ。それに、妙に履き慣れている。
着替え終わった私は、部屋の鏡の前に立った。
これが新しい私。自分でいうのもあれだが、可愛い。
さて、自分の姿に満足したところで、状況整理と行こう。
まず、レイの状態での最後の記憶。
船が転覆し、海に投げ出された私。アリアを探し出し、ワープを使おうとした。――が、何者かが現れて攻撃を仕掛けてきた。水中だったので、動きにくくて、避けることができなかった。幸いにもアリアには当たらなかったが、私には当たり、そのまま意識が途絶えた。
こんな状況では、私は死んだと考えるのが妥当だろう。となると、これは二度目の転生ということになるのかな? 二度目の転生もゲームのアバター。まあ、知らない体になるよりは良いかな。
ところで、アリアはどうなったのかな。ここがどこだか分からない今、無事を祈ることしかできない。
次に、ヒナギクのステータス。ヒナギクを使っていたのは数十年前だ、全て思い出せるかどうか……。
まず、ヒナギクは魔術師。使っていたのは、主に回復系や状態異常攻撃系。この二つに関しては、よく覚えている。確か、日菜が『リュウ』というアバターで剣士として前衛で戦い、俺は主に後方から支援をしていた。懐かしい。
ステータスに関しては、魔力と体力、防御を中心に育ててたから、近接戦闘に関しては避けた方がいいだろう。
最後に、今後のこと。まずはここがどこだかを知り、アリアの安否を確認しなければ。
私は部屋を出て、玄関に向かった。
その途中の廊下で、ニルと出会った。
「ヒナギク様、どちらに向かわれるのですか?」
「ちょっと野暮用。すぐに、帰るよ。――あ、ここってどこか分かる?」
「ヒナギク様のお屋敷ですが」
「いや、この家が建ってる地域」
「アース王国のある大陸の近くにある孤島です」
アース王国のある大陸の近くなら、アリアを探しに行くことは可能だ。
「ありがとう。じゃあ、行ってくるね」
「――私も着いていきます。」
「え? 大丈夫なの?」
「はい。留守はネルに任せます。ああ見えても、悪魔なので」
悪魔……。
彼女達は、元は一人って言ってたけど、それの意味を聞いてなかった。もしかして、悪魔が関係してるのかな。
「そういえば、元は一人って言ってたけど――」
「それは、私達が、元は一匹の悪魔だったということです」
「それって、分裂したってこと?」
「はい、あまりに力が強力なので、この世界にいたいなら力を分けておけと、ヒナギク様が」
私が言ったのか。この世界でヒナギクってどんな立場なの?
「ところで、急ぎの用ではないのですか? 先程は急ぎ足でしたけど」
あ、そうだった。急いでアリアを探さないと。
私は急いで火山島に向かった。




