表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/29

第14話 ある朝のこと

 未知のモンスターを討伐し、街に戻った私達は、ギルドの食堂で宴会をした。宴会ではたくさんの料理が出され、どれも今まで食べたものよりも数倍おいしかった。


「ところで、二人はこれからどうするの?」


 フィアナさんが、お酒を片手に質問してきた。


「とりあえず、近くの街に行く予定です。アリアもそれでいいよね? ――アリア?」

「ひゃい?」


 アリアは、ふわふわとした気の抜けた声で返事をした。

 私はアリアの方を向いた。アリアの顔は赤くなっており、目も半開きだ。その上、頭がカクカクと動いていて、かなり眠たそうだ。

 まぁ、あんな戦いをした後にこの宴会だと、そうなるのも無理はないだろう。


「アリアちゃんはこんなになってるのに、レイちゃんはまだ余裕そうね」


 そう言いながら、フィアナさんが私の頬にグラスを押しつけてくる。

 この人はダル絡みしてくるタイプか。今度から気をつけよ。


「まぁ……それなりに……」

「なら、一緒に呑みましょう!」


 フィアナさんは私のグラスにお酒を注いだ。私の記憶が正しければ、かなり強いやつだったはず……。



 次の日、私は宿で目が覚めた。宴会の途中からの記憶が無い。

 とりあえず宿を出る準備をするために、私は起き上がろうとした。――が、何故かアリアが私に抱きついた状態でぐっすりと寝ているので、起きようにも起きられない。

 今まで同じベッドで寝たことはあったが、こんなことは無かった。

 私はアリアの手をどけようとした。しかし、アリアはどけた手を戻してきた。起きてる様子はないし、おそらく無意識だろう。となると起こすしかないのか。

 私はアリアを起こそうと手を伸ばしたが、私はすぐさまその手を戻した。

 ――だって、起こすのが申し訳ないぐらい、幸せそうに寝てるんだもん。めちゃくちゃかわいいんだもん。

 このまま二度寝しようかなぁ。


 

 しばらく悩んでいると、アリアが目を覚ました。


「お。アリア、おはよう」

「……おはようござい――何であなたが目の前に? それに何で私はあなたに抱きついてるんですか?」

「残念ながら昨日の記憶が無いから、なんでこうなってるかは分からない」

「昨日…………!」


 アリアは顔を隠した。どうやらアリアには記憶があったらしい。それを思い出して恥ずかしくなったのか、腕や足が私を締め付けてくる。特に腕は胸の辺りにあるから、肺が締め付けられて苦しい。


「アリア、苦しい」

「あ! ごめんなさい」


 そう言いながら、私から勢いよく離れた。そしてそのまま、掛け布団に籠もった。

 私は起き上がり、着替えて、荷物の整理を始めた。



 荷物の整理が終わってもなお、アリアは布団に籠もっていた。


「いつまで籠もってるの?」

「……本当に覚えてないんですか?」


 布団から顔だけ出して、こちらを軽くにらんでいる。


「覚えてないって、何を?」

「……わ、私が、レイのことを……お、お姉様って、言ったこと……」


 アリアは目をそらしながら、こもった声で言った。


「へぇ、そうだったんだ」

「何ですかその落ち着いた反応は! ――ぁあああああ、もういいです。気にしません」


 アリアは掛け布団を勢いよく投げ上げながら立ち上がり、自分の頬をたたいた。


「で、レイ、次はどこに行くんですか?」

「レイお姉様じゃないの?」

「ど・こ・に・い・く・ん・で・す・か?」

「はいはい、とりあえず港町に行って、そこで別の島に行こうかと思ってる」

「別の島ですね。早速行きましょう」


 そう言いながら、ものすごい勢いで準備をするアリア。

 準備はすぐ終わり、私達は冒険者の街を後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ