訓練
部屋全面が白に覆われている休憩室に俺はいた。
今日は特に訓練も無く暇だったのでここでダラダラしていた。
これなら、まだNAの訓練した方がましだがな…
なんで訓練をするかって?俺がNAのパイロットだからだよ、それに普段の訓練が実戦に役立つしな。
「あ~退屈だな…敵さん攻めてこないかな~」
「縁起でも無いこと言わないでくださいよ!隊長はNAを倒すのが楽しいのでしょうが我々はいつだって恐怖を感じてるのですから」
目の前でコーヒーを飲んでいた浅黒い肌の男が渋い顔をしていた。
なんか、元々渋い顔なのにさらに渋くなってるぞ…具体的には八十代くらいのおじいちゃんくらいに。
ちなみに、彼は俺と同じくNAを操縦するパイロットだ
「そりゃ、俺は死ぬつもり無いからな」
「死ぬつもり無い人がひと昔前のNAに乗りますか?せめて最新のNAに乗りませんか?」
「だからよ、何度も言わせるな。俺はあの機体が好きなの!あの余計な機能を付けてないシンプルさ!そして最新NAには無い時代を感じさせるフォルム!やっぱりあれじゃなきゃ!」
全く、NAが分かってないねカイン君は…
最強の機体だって乗りこなせなければただの鉄の塊と一緒だ。
乗りこなせて初めて戦いになるのだからな!
「知ってますよ、だから言うのですよ。そろそろあの機体も限界に近づいてますよ?」
「大丈夫だ、まだ生産している工場は何個かあるからな!それに俺の見た感じではあの機体はまだ一年はもつ」
「そうですか…やはり私には説得は無理でした」
「そこまでして何で俺に最新機体を使わせたいんだ?俺じゃなくてもいいはずだろ?」
「実はですよ、あなたはエース並みの…いや、それ以上の力を持ってるじゃないですか?」
「まぁ、そこら辺のパイロットには負けないな」
「だからこそです!我々革命の使徒の戦力増強のためにも隊長に最新機体に乗ってもらいたいのです!」
「ハイハイ、もし俺の愛機の生産が終わったら使ってやるから」
「いや、絶対に生産終了されませんよね!?隊長がいつも行く整備場に沢山置いてありましたからね!」
「あれは俺が個人的に買い集めたやつだ。俺がいつもお世話になってる場所ではエース用のオーダーメイドくらいしかしてないぞ?」
「隊長どれだけあの機体好きなんですか?ざっと見た感じ五、六機ありましたよ?」
実際には地下にも収納してもらってるから十五機なのだが、言ったらさらにめんどくさいことになりそうだから言わないでおこう…
なんでそんなに買えるのかと言われたら、戦場で多大な戦績を残したり、戦場で壊れかけを拾ってきたりなど様々だな。
「そうだ!暇だし自主訓練でもしようぜ!」
「えぇ…嫌ですよ。隊長はいつも手加減無しにボコボコにしてくるじゃないですか」
「仕方ない…俺を倒せたら最新機体に乗ってやろう!」
その言葉を発した途端にカインの目に燃える闘志が見えた気がする…
「いいんですか隊長?実は今回は勝つために新しい武器を仕入れてきましたよ?」
どうやら俺が条件を出すのを狙っていたらしい…
何とも頭の回るのだろうか、まんまと引っかかってしまったよ!
まぁ、余裕で勝てるけどね。
「じゃあ、行きますか隊長!」
「俺に勝ちたいなら三十年は同じ機体に乗ることだな!」
不定期に投稿します
なので、あまり期待せずにお待ちください