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九話 船上の生活 島が見えた
九話 船上の生活 島が見えた
「何故だ。」
シンカが言った。カイリは首をかしげる。
「何故って、何?」
「何故カレーが残っていないんだー!カーイーリー!」
「そりゃあ、ここは海の上で冷蔵庫もないし、夏だからすぐダメになってしまうからだよ。」
「そうじゃなくて、何で起こしてくれなかったんだよ。」
「『カレーいらないのー?』って聞いたら『うーん』って言ったから。」
「起こしてよ!それただ単にうめいてるだけだから!」
「はいはい。次があったら起こします。」
「ところで、お腹空いたんだけど。」
「ここに今食べようとしていた、カレーラーメンがあります。要りますか?」
「いるいる。下さい。」
「どうぞ。」
「わーい…って、これお湯入ってないじゃん。」
「さあ―て、ちょっと疲れたから寝るね。舵よろしく。」
「おい。」
「じゃ、そう言うことで。お休み。」
「ちょっと待て、あれなんだ?」
「そんなことで…えーーーっ!」
そこには島があった。しかも、その島はボウルを逆さにしたようなものをかぶっており、その柄は無地ではなく。
「カレー…。」
カレーの柄だった。