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噺の扉(短編集)

憧れの先にあるもの。

作者:

これは、私が子供の頃思っていたことです。

気付けば、大人に憧れていた。

いつから、大人になりたいだなんて思ったのだろう。


幼稚園児の頃、隣の家のお兄ちゃんが背負っていたランドセルがかっこよく見えた。


僕も、早くランドセルを背負ってみたいって。


小学生の頃、友達の家で遊んでいた時に中学生のお兄ちゃんが着ていた制服がかっこよく見えた。


僕も、早く制服を着てみたいって。


中学生の頃、通学路を歩いている時、自転車に乗った高校生がスイスイと走る姿がかっこよく見えた。


僕も、早く自転車に乗ってみたいって。


高校生の頃、電車に乗っている時、スーツを着た社会人がかっこよく見えた。


僕も、早くスーツを着てみたいって。



そんな僕も、気付けば社会人。


あの時に、憧れていたスーツを身に纏っている僕。


なのに、なぜ満足していないのだろう。


僕は、一体 何に憧れていたんだろう?


ランドセルか、制服か、自転車か、それとも、スーツ………?


それは、違う。


僕が憧れていたのは、ランドセルや制服、自転車、スーツの中に少しだけ見え隠れしていた“自由”だ!


自由に、僕は憧れていた。


ランドセルや制服を背負えば、学校に。


自転車に乗ったり、スーツを着て会社に行けば、外の世界に行ける。


自身の行動範囲が広がれば、“自由”だと思っていた。


なんて、僕は安直だったのだろう………


自由とは、そんな簡単に手に入るものではないのに。


大人になれば、自由になれると思っていた。


しかし、現実は違っていた。


怖い上司や厳しい先輩、終わらない仕事………。


こんな生活が自由と言えるのだろうか?


ここには、僕が望んでいた“自由”など存在しない。


もしも、過去の自分に一つだけ伝えることが出来るのなら、こう言うだろう。


「今が“自由”なんだよ!」


自由とは何か? ちゃんと、答えられる人はいるのでしょうか………。

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