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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

救いも未来も無い恋

作者: うどん

これが私式恋愛ジャンル

…予想もしなかったところで初恋の人に出会えると、気分が高まり過ぎて咄嗟に何をしていいかわからなくなってしまう。

僕も上京して、初恋の人である僕の幼馴染姉妹の妹である茶乃緑(さの みどり)と偶然出会ったときは、

何をしていいかわからなくなってしまった。

――その理由は、清楚だった彼女が薬物ジャンキーになってしまっていたからだけど。


僕が彼女を偶然見つけた時、

ちょうどそれは彼女の肉体と引き換えにドラッグを男たちから貰い受ける話をしている所だった。

そんな場面に出くわすなら、地下ハウスになど出入りしなければよかったという想いと、

彼女を助ける機会を神様が作ってくれたのかもしれないという思いがあった。


彼女が男たちに着いていったホテルへつけて、

男達と別れた後一人で帰っていく彼女の後ろを付け、

今、彼女が住んでいるところを突き止めた。


そこで、彼女の姉に連絡し、様々な準備をした後、

彼女を拉致し、僕の家に監禁した。


当初彼女は僕を非難した。


「何で、このような事をするんですかっ!!」と。


けれど僕が薬の事を口に出すと、

急に、泣き出して何も意味のある言葉を言わなくなってしまった。


2日経つと、彼女の姉である茶乃紅(さの くれない)が僕の家に着いた。


「お姉ちゃんまで呼んだんですかっ!?」


そう言った彼女を紅は平手打ちをして黙らせた。

この日から僕たち3人の嬉しくも無い同棲が始まった。


3人で暮らす上で最も困ったのは、

緑の禁断症状だった。


彼女が薬を始めたのは、

彼女の美しさを狙った男が、

清楚であり、男に警戒心が強い彼女を手に入れる為だった。


無理矢理薬を与えて、強姦した。

それが彼女のドラッグデビューだった。

その時彼女は処女ではなくなったらしい。


内外ともに清楚で真面目である彼女が薬で淫らに乱れるのが満足だったのだろう。

暫く緑はその男の所有物の様になっていたそうだ。


そして、男が飽きたのか、それとも男が失踪したのか、

何処かでのたれ死んだのか、ある日を境に連絡が取れなくなった。


それから、薬をやって乱交をしていたメンバーに連絡を取り、

今の様に至っていたというわけだった。


そもそも、彼女は僕を追って上京したらしい。

――そしてその結果、『こう』なってしまった。



そして、彼女にとって、ドラッグとセックスは、

人が近づけば池の鯉がエサを貰うために近づいてくるように、

条件づけられた行動になっていた。


だから、禁煙を始める人の様に、

ニコチンを身体に摂取するという行動を、

電子煙草や薬品などで、切り離してやり、

欲求に裏付けされた動作を分解すればいい。


そう都合のいい展開を自分に言い聞かせながら、

彼女を抱いた。


乱れる彼女に、彼女の過去を嫌でも思い返させられた。




そんな生活が続き、

次第に彼女も薬物の対する異存はなくなっていった。

その頃になると、寧ろ同意なく拉致監禁で始めた自分の方がヤバい事をしているという考えも出てきた。

…それも、今の彼女が合意しているから、と思い込むことにした。



けれど、薬物に対する異存がないのに何時までも手錠をかけて、

壁に繋ぎとめるのもおかしいという思いが強くなって、

紅と相談して、翠を開放することにした。

―――――――――――――――止めておけばよかった。


その3日後、

緑は殺された。

散々嬲り者にされて。


警察の話では、以前ドラッグをやっていた緑に、

またドラッグセックスを持ちかけたところ断られたので乱暴に扱った結果殺したと、

犯人の一人が白状したらしい。



それから1人少なくなった家で紅と過ごすようになった。

済し崩し的に紅とも体の関係を結んだ。


僕の勘違いならいい。

だけれど、彼女を抱く度に彼女がいうことがふと気にかかる。


「やっと、あなたが私の物になった。…緑には悪いけど。」

その分私達は幸せになりましょう。

彼女はそう言うのだ。



僕の思い過ごしならいい。

いや、きっとそうだ。

ただの―――――――――――――――――――――妄想だ。

幸せなんかあるわけない。

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