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『今日も髪色が主役すぎる件』

作者: 神宮寺結衣

朝の教室。窓から差し込む光が、まるでスポットライトのように4人を照らしていた。


「ねえねえ結衣ちゃん! 見て見て見て見て見て!!」


ピンク髪のハルがスマホを突き出しながら全力ダッシュで結衣の机に突っ込んできた。勢い余ってオレンジのロングヘアがバサッとハルの顔面を覆う。


「うわっ! 結衣の髪が! 目が! 目がぁぁぁ!!」


ハルがじたばたしながら後退。結衣は涼しい顔で髪をサラリとかき上げる。


「ハル、また“今日の推し髪ランキング”更新したの?」


「そう! 今日の1位は……なんとっ! さやの紫グラデが神降臨してる!!」


画面には確かに、さやの紫ロングが朝日を浴びて幻想的にキラキラしている写真が映っていた。

問題は、その写真のさやが完全に寝落ちしていて、机に突っ伏したまま涎を垂らしていることだった。


「これ……完全に“寝落ち美少女”ジャンルで優勝してるやつじゃん……」


楓(茶髪ミドル)が冷静に分析しながら、なぜか自分の髪を指でクルクル巻き始める。


「ちょっと待って。なんで私4位なの!?」


結衣がスマホを奪い取ってスクロール。順位はこうだった。


1位:さや(寝落ち紫グラデ)

2位:ハル(朝イチのピンクが爆発的に跳ねてる)

3位:楓(地味に毛先がいい感じにハネてる)

4位:結衣……ただのオレンジ


「ただのオレンジってなんだよ!! 失礼すぎる!!」


結衣のオレンジ髪が怒りで逆立った(ように見えた)。実際は静電気だった。


「でもさ結衣ちゃんのオレンジってさ、夏みかんみたいで可愛いじゃん?」


ハルがフォロー(?)しようとするも、結衣の目がさらに鋭くなる。


「夏みかんは剥くものなんだよ!! 私は剥かせない!!」


その瞬間、教室の後ろで寝ていたさやがガバッと起き上がった。

紫のロングヘアがまるでアニメの決めカットのようにふわっと舞い、教室中の視線を一瞬で奪う。


「……今、誰か私の髪を1位にした?」


さやの声は眠そうだけど、なぜか威圧感がすごい。


「え、あ、うん、私が……」


ハルが小さく手を挙げる。さや、無言でハルのスマホをスッと奪い、自分の寝顔写真を削除。

そしてこう言った。


「次やったら、そのピンク髪……全部オレンジに染め直すから」


「ひぃぃぃぃ!! やめてぇぇ!! ピンクは私のアイデンティティなのぉぉ!!」


ハルが絶叫しながら机の下に隠れる。

その隙に楓がボソッと呟く。


「全員髪色でキャラ付けされてるの、そろそろヤバくない……?」


結衣「私もそろそろ“ただのオレンジ”から脱却したい……」

さや「……私はこのまま寝てたい」

ハル(机の下から)「私はピンク守りたい!!」


そして4人同時にため息。


「……でもさ」


結衣がニヤリと笑って立ち上がる。オレンジのロングヘアが風もないのにサラサラ揺れる。


「アニメ化するなら、この髪色のバカ騒ぎが絶対OP映えするよね?」


「……確かに」


「……わかる」


「……OPで髪がスローで舞いまくるとか最高かよ」


4人の目がキラーンと光った瞬間、教室のスピーカーからなぜかスタッフロールが流れ始めた(幻聴)。


次回予告

「次回、『髪色だけで戦う文化祭バトル』!


結衣のオレンジが、ついに覚醒する!?」

(スタッフロールがまだ流れている)


終わり(たぶん)



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