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プロローグ

人と共同で書いています。私は(三日月こと小林は)発達障害があり、いろいろ手伝ってもらってます。よろしくお願い申し上げます。


僕が生きているこの世界は、一見普通に見える。しかし、表面を掻き分けてみれば、そこには不気味な闇が渦巻いている。それは、2019年に発生した新型ウイルス「ネタファヤ菌」から始まったものだ。感染力が強く、最初はただの風邪に似た症状が出る程度だった。


誰もが「よくある流行病」くらいに思っていた。


だが、数カ月が経ち、ある異変が記録された。感染から回復した一部の人間が、突如として超人的な力を発揮するようになったのだ。ある者は素手で自動車を持ち上げ、またある者は火を操るなど、漫画のような現象が現実のものとなった。




最初に確認された超人的な能力者は、ある地方都市に住む中年男性だった。彼はある日突然、肌が鋼のように硬化し、刃物で切りつけられても傷一つ負わなくなった。

ニュースでは「超人現象」として報道されたが、その後、同様の能力を持つ人々が次々と現れる。やがて政府は、この現象がネタファヤ菌の後遺症であると特定した。


しかし、その「能力」を得た者たちがすべて善良な市民だったわけではない。


ある男は銀行を襲い、警察を全滅させるほどの暴力を振るった。またある女性は、自分を裏切った恋人を家ごと焼き尽くした。彼らはその異常な力を持て余し、欲望に忠実に行動し始めた。


こうして、超人的な力を持った犯罪者たちが現れるようになった。それらは人々から恐れられ、「サタージャ」と呼ばれるようになった。サタージャは、ただの犯罪者ではない。彼らはウイルスによる「覚醒」を経た存在だ。




感染拡大が続く中で、世界の科学者たちは「ネタファヤ菌に対抗するためのワクチン」を急ピッチで開発した。その結果、驚くべき効果を持つワクチンが完成する。

ワクチンを投与された者の中には、感染者と同じように特殊能力を持つ者が現れることがわかったのだ。


だが、彼らの能力はサタージャとは決定的に違っていた。サタージャの力が暴力と混沌に満ちている一方で、ワクチンによって能力を得た者たちの力は、安定し、他者を守るために使えるものだった。


メディアは彼らを「ヒーローマン」と呼んだ。彼らは政府の支援を受け、サタージャを取り締まるための組織を作った。その結果、人類は「能力者による犯罪」という新たな脅威に立ち向かう力を手に入れたように見えた。




しかし、事態はそう単純ではなかった。能力を持つ者と持たない者の間には深い溝ができた。特にサタージャによる犯罪が多発する地域では、一般市民は能力者全般に対する不信感を抱くようになった。


「能力者なんて、どっちも危険なんだよ。ヒーローだって、やり方を間違えれば怪物だ。」


街では、そんな声が広がっていた。確かに、ヒーローマンとサタージャの戦いが繰り広げられる場所では、しばしば一般人が巻き込まれる。


それでも、ヒーローマンがいなければ、サタージャを止められる者は存在しないのだ。


僕はそんな世界を生きていた。

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