二人の勤労者
日曜日の朝。平日身を粉にして働いた社会人たちはまだ床についているような時間帯。そんな朝の静けさを、怪物の絶叫が塗りつぶした。
「GYAOOOOOOOOOOOOOOOO!」
突然の轟音に、通りがかった子供が恐怖と混乱のあまり泣き叫ぶ。
それに気づいた怪物はドスンドスンと地面が割れるほどの音を立ててこちらに向かってくる。
「い、いや…来ないで…」
諦めとも取れる言葉に反応して、二人の女が現れた。
「泣くのは早いよ、お嬢ちゃん。」
そういって、金髪の女が目前に迫る怪物の前に立ち塞がった。
「ダメ!危ない!逃げて!」
注意喚起を受け流し、女は怪物の体当たりを"バネ"で受け止めた。
「想像以上に弱いな…怜、トドメをさせ」
「了解」
そういって、紫髪の少女が手にしたドクロの連なった物体を振り下ろした。その瞬間、ドクロが分かれ、一斉に飛んでいった。
「GYAー」
怪物は叫ぶ暇もなく、首をドクロに消し飛ばされた。
「周囲に被害はないな?」
「発生もついさっきだし、特に問題はないよ。後は…あなたも怪我はないよね?」
紫髪の少女が子供に声をかける。
「だ、大丈夫…あなた達、何者…?」
金髪の女もやってくる。
「私は<春>。こっちは<怜>だ。」
「とってもお強いんですね。さっきもあんな怪物を軽々と…」
「私達はさっきみたいな怪物、もとい"異魔"を討伐するのが仕事だからな。」
「凄い…頑張ってください!」
「ああ!」
「うん!」
二人は、そう答えるとさっていった。疲労と憂鬱を顔に浮かべて…