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第五話 確認

 ハンスが王都に帰ってきて新しいパーティーを組んだという。組んですぐに大活躍。最近、めきめきと頭角を現しているとか。

 

 僧侶のミミ、盾役のガースン、魔術師のカリアは既に別パーティーへ就職済み。それぞれ上手くやっている。

 

 俺はハンスの顔を見たくなった。

 もちろん、懐かしいとかじゃない。死相が消えているか確認したかったのだ。

 

 ついでに言うと、ハンスが活躍すればするほど、俺への悪評が再燃した。


 ――うるせえなあ。石を投げてくんじゃねえよクソガキ。まあ全部、避けてやるけどな。当たってやる義理は無え。


 ただ、なかなか顔を会わす機会がない。ギルド前で張っているのも目立つし、向こうから見つけられたら面倒だ。第一、話なんてとくに無えし。

 

 そのうち、絶好の機会がやってきた。

 いくつかのパーティーが合同で魔王討伐へ向かう事が決まった。その中にハンスのパーティーが選ばれたのだ。


 その壮行パレードが王都の基幹道路で開かれる。

 遠目から見られれば満足だ。それに大勢の中からの観賞なら目立たない。


 壮行パレードの日。


 俺は人混みにまぎれ、沿道で待っていた。

 パレードが始まり、目の前を屋根無しの馬車に乗せられた討伐隊のパーティーが通り過ぎる。その中にはミミ、ガーレス、カリアの姿もあった。


 ――アイツら、偉くなったなあ。


 そして最後、いよいよ魔王討伐のメインパーティーであるハンスたちが現れる。

 しばらくして俺の前をきらびやかな衣装に身を包んだハンスが通る。


 その時、俺は厳しい顔でハンスの顔を睨み、言葉を吐き捨てた。


「何でだよ、クソが」


 笑いながらパーティーメンバーと顔を合わせ、集まった民衆へ向けて誇らしげに手を振るハンス。


 その顔には相変わらず死相が浮かんでいた。


 ――何故だ。

 

 ――ハンスは魔王に破れて死ぬって事なのか?

 

 ――なら、ハンスのパーティーメンバーや元パーティーメンバーたちに死相が無いのはどういう意味だ。


 考えても答えが出ない疑問が、頭の中をグルグルと回る。




 気が付くと、背後から声がする。

 聞き苦しい詰まったような声。


「憎いですか」


 振り向くとやや太った商人のような男が居た。

 俺が視線を合わせると男は気の毒だ、という目で俺を見ながら繰り返す。

「憎いですか、あのハンスという男が」

 男の言葉に俺は一瞬、困惑した。


 ハンスを憎んだ事などこれっぽちも無い。

 だが、そんな事を思いつつも俺の頭の片隅では警鐘の鐘が激しく鳴り響いている。


 ――どうする。


 あまり答えるのに時間をかけるのは得策ではない気がする。

 だったら答えは。

「ああ、憎いね。俺はハンスの野郎が憎い」

 これが正解だろう。


 要するに、コイツは俺がハンスを憎んでいると勘違いしているのだ。

 ならば、この男はハンスの敵である可能性が高い。

 近づけば何か分かるかもしれない。

 

 俺の答えに男はパッと顔を明るくさせる。

「そうですか、そうでしょうとも。ブラッド様」

「俺の名前を知っているのか」

「もちろんですとも。ささ、ここじゃ何ですから、どうです? 場所を変えてお話でも」

「奢ってくれるなら、いいぜ」

人生初のブクマをいただきました。ありがたやー。嬉しくて鯛やヒラメのように舞っております。

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