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番外編〜新月朔①〜

 その日。

 新月朔の朝は早かった。

 否、朔の朝が早いのはいつものことだが。

 いつにも増して、今日はいつもよりもずっと早かった。それもそのはず、磔たちが帰る1年後まで今回集まった異世界人の人々は帰れないのだから。

 そして、朔などの何人かは磔たちと共に修行をするのだから。


「超……技術……?」

「おう。この機会だから、お前らにも教えてやろうと思ってな」


 そう言ったのは志郎であった。

 それに同調するように、ヴラドが頷く。

 この二人は霊斗が超技術を認める数少ない人物である。


「……それで、どうするんですか?」

「簡単だ。力入れた状態を維持すればいい。まずはその状態で走ってみろ」


 朔は言われた通りに動く。が、志郎にすぐに追いつかれて頭を木刀で軽く殴られた。


「いたっ」

「遅い。磔たちは完全にマスターしてる。これを受けた蒼やリクもマスターしたから、朔もまずはこれをマスターしてくれ」


 厳しくも優しい師匠である志郎は、霊斗よりもずっと評価は良いようだった。


◇◆◇◆◇


「いいぞ! その調子だ!」


 志郎は知らない。霊斗が『気を張る』という修行のためにひたすらに霊力で磔たちをボコボコにしたことを。

 たがら、妖力弾などではなく至極まっとうな正攻法で朔を鍛えた。

 現在、磔たちは快のリストを元に、それぞれの弱点を埋める超技術の特訓を繰り返している。


 快は超技術に関しては、トップの成績を誇り続けている。2位、3位から磔と絢斗が迫りくるが、まだまだその差は大きい。快は焦りながらも、余裕を持って落ち着いて練習ができていた。


◇◆◇◆◇


「新月朔だな?」

「……どちら様でしょう」

「我、アザトース様が使徒。名をルーフェと申す」

「ご丁寧にどうも。ご用件は?」

「即刻、死んでいただきたい」


 その瞬間、朔の刀とルーフェのナイフがぶつかり合った。

 ルーフェのナイフの方が、刃の短さにより力が入りやすい。

 逆に刀は刀身が長く、その力の入り辛さは小競り合いには向かないと断言してもいいだろう。


 ルーフェのナイフを、朔は上半身を逸らしてかわすとルーフェのナイフを持つ手を蹴り上げるようにしてナイフを取り落とさせた。


 朔の刀による連撃が、ルーフェを真っ二つにした。


「ま、こんなものですかね」


 朔はまだ、超技術の基礎である縮地をマスター仕切れていない。

 が、きっかけは掴んだようだ。朔の修行はまだまだ続く……!

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