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エピローグ


「おーい、霊斗ー」


 磔が霊斗を探しに来る。その手には、データが全て消滅した終作たちのデジタルカメラ。


「魔晴、霊斗どこいるか知らないか?」

「いや? 僕は知らないよ?」


 魔晴の誤魔化しに、磔は疑いながらも別の場所に去って行った。

 内実を知る魔晴は、磔たちが霊斗を探すであろうことを十分に予想していた。だが、魔晴は何も知らないことにした。


 魔晴は魔理沙と共に酒を飲みながら、これからのことについて考えている。

 夜桜、魔晴、快。この三人は、霊斗が今何をしているのかを知っている人物だ。


 これからのことを頼む、とも霊斗に言われている。

 夜桜は霊斗に渡されたリストを元に、参加者の戦力の強化を。

 魔晴は、この宴会の終了と幹事を。また、これからの幻想郷のことを。

 快は、超技術の修行内容の伝達を。


 それぞれが、己のするべきことを霊斗から言われていた。

 快は霊斗を引き止めていたが、霊斗はここに留まるわけにはいかなかった。


 霊斗が去り、それぞれが楽しみながら、やがて自分の生活に戻っていく。


「あ、霊夢さん。後でこのお肉焼いてくださいますか?」

「分かったわ」

「ハイド、やめろーー!!」


 知らなくていいことを含め、全て回っていく。

 世界は、今日も回る。


「うーん……まあ、いいか。みんな!」


 磔の呼びかけに応じて、みんなが集まってくる。その顔は、スッキリしたような、晴れやかな表情だった。


 人の、あるべき姿だ。霊斗なら、そう喜んだだろう。


「写真撮るぜー!! タイマーモードにしとくから!」


 そう言って、集まった人々を写真の枠組みに収めると自分も急いでその中に入る。


「カウントダウン! 10」


 世界は、今日も。


「9」


 回っていく。回っていく。


「8」


 美しい、世界は。


「7」


 回る。回る。


「6」


 誰がさせるでもなく。


「5」


 誰がするわけでもなく。


「4」


 美しく、それは動き続ける。


「3」


 ただ一つ言えること。それは。


「2」

「霊斗……大好きよ」


 人を愛すること、世界を愛することは──。


「1」


 紛れもなく、世界で最も美しい物であるということだけだ。


「はい、ちーず!」


◇◆◇◆◇


「懐かしいな……」


 魔晴は、一枚の写真を見てそう呟いた。その顔は何かを慈しむような、慈愛の笑みだ。

 だが、彼の最愛の少女……霧雨 魔理沙はもう居ない。


「懐かしいなぁ……」


 魔晴の目から、涙が溢れた。

 博麗霊斗の消失。それから、1兆年の年月が経った。


 魔法の森の肥大化による、人里の移転。残った魔晴は、今では森の変わり者として。そして、大魔法使いとして有名人であった。


「魔晴さーん?」

「おお、魔理香か」

「お昼買ってきましたー。一緒に食べて、その後また魔法教えてください」


 魔理沙の子孫であるその少女は、魔理沙にそっくりだ。魔法道具店兼魔法武道会社の一人娘が、魔法使いとしてよ道を選ぶために魔法の森め一人暮らししている。


「あ、ほうふぁ」

「ん? どうしたんですか魔晴さん?」

「いや、ちょっと思い出したことがあってね」


 そうか。1兆年か。迎えに行かなきゃ。

 魔晴はそう思い、子孫との食事と修行を早めに切り上げた。


◇◆◇◆◇


「遅いですよ、魔晴さん」

「いやぁ、映姫ちゃん。ごめんね」

「もう……さ、行きますよ」


 四季映姫はそう言うと、大きな扉を開ける。無間地獄への入り口である。

 入ってからしばらくして。

 一箇所、異質な空間に入った。


「おう、魔晴か。待ってたぜ」


 その言葉を発した人物は。

 この世界最強であった。

 あらゆる物質とあらゆる万象を操り、世界を何度も救った男。


 彼は、ずっとそこにいた。

 そして。

 彼は、ずっとそこに居続ける。

 彼の最も愛した少女の世界を、守るために──。

今回で最終回とさせていただきます!

ここまでありがとうございました!

次回はスタッフロールと後書き、上手くいったら裏話です!

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