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時関  作者: 空端 明
8/13

昔の話と日曜日

 本の内容はとても興味深いものだった。少し読んで分かったことをまとめてみよう。

 まず、僕のずっと昔の祖先は、神様と繋がっていたらしい。


 ……うん、予想を遥かに越えてきたね。とりあえず置いておいて、次。


 神様が世界を創った際、人間を含めて、世界が正しく動いているか確かめたがった。そのために、神様は自らに仕えるものたち十数名を、使者として、できたばかりの世界に送った。だが、その世界の中で存在するためには、その世界の生き物でなければならない。

 なので、神様は使者を人間として生まれ変わらせ、道具を使ってのみ、連絡を可能にした。そしてその道具こそが、あの『石』なんだそうだ。そしてその『石』の正体が…………『神の目』であるらしい。

 一瞬気持ち悪いと思った僕は、普通だよね。えっと、続き。


 神は自らの目を幾千に砕き、使者に与えた。

 その石は、使者以外が使えないように、使者たちの持つ、神の世界の血にのみ反応するものだった。

 その石を用いて、使者は世界の不備が発見したならば、即時間を止めて報告し、神様は世界を理想の形へと近づけていった。

 また、その石の効果はもうひとつある。

 使者は人として生きたために、かつては気が遠くなるほど長かった寿命が、ほんのわずかになってしまった。そのため、子孫をつくり、役目を引き継がせなければならないのだが、広い世界の各地に散らばった使者同士で子を生すというのは難しいもの。かといって、一般の人間と交われば、必ず血が薄まり、石が使えなくなる。なので、その子どもに役目を継がせるため、あるべき血をあるべき濃さまで高めるのが、この石の効果であるそうだ。


 今では、二つ目の効果だけ利用されているみたいだな。


 そのページの余白に、あとから付け足したようなメモがあった。

ただし、血を濃くするのに効果があるのは、子が正確に記憶を持ち始めたときから、大人になるまで。早すぎても遅すぎても体を壊しかねず危険、とある。


 へえ、今まで知らなくても構わなかった知識を一気に叩き込まれたせいで、目が回りそうだ。

 でも、なんで神様が書いたものっぽいタイトルなのに、歴史とかも書かれているんだ? と思ったら、一番後ろに誰かがまとめ直したものとあった。

 その先も経緯や歴史が書かれているらしい。


 世界がまとまり安定してからは、その使者の子孫たちは寿命の短い家系だと不憫に思われたりもしたそうだ。その理由は、止まった時の中でも、体は時を刻み続けるからである。つまり、一見早死にしたように見えてしまうだけだ。

 そして、その頃と同時に、神様と繋がる回数は減り、使者の子孫たちは一ヶ所に集まり、ともに暮らし始めた。


 この本の筆者はこの時代の人なのだろう。歴史はここで終わっている。時を止めたりする能力自体についてとかはないのかな。他のページにも目を通す。注意事項っぽいものがあった。


 すべては意志によって成される。

 すべては神の目が見ている。

 時を止めるには神とつながれ。

 時を止めた後再び動かせるのは、止めた者のみである。

 止まった時は、血を持つものすべてに影響する。

 止まった時の中では、神に存在を示せ。

 止まった時の中でも、意志とともにつながれば、そのものにも同じ時が流れる。

 先が見たければ今を捨てよ。

 命がつづく限り、その力は効果をあらわす。

 だだし、意識のない状態ではその限りでない。


 など。もしこうなったら、とかも書かれていたが、大体は神頼みのようだ。

なるほど。承認と言ったり、触れたものを動かせたりするのはここに書いてあることの具体的なものなのだろう。まだ本には続きがあったが、文字ばかり見ていると疲れて、まぶたが重くなっていく。……いや、寝ちゃだめだ!

 とりあえずは本を読むのを中断し、何か別のことをしよう。


 この瞬間、またもや数学の課題という名の現実を忘れていたので、僕はやっぱりバカなのだろうか。案の定、勉強机の前で慌てたわけだが。

 お菓子を食べて一息入れてから、ちょっとだけ数学をやったが、疲労感が半端なかったので、結局その日(?)は着替えもせずに寝た。

中二ターンです……(/ω\)

書き出した当初は、こんな風になる予定じゃなかった…!

できるだけ日常的な中に一つだけ不思議な能力を入れたかったんです…本当です…。

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