いつもの金曜日
「ねえ、暑いんだけど……。」
「うん……今秋だよね……もう九月も終わるよね……?」
「なんでこんなことになってんの……。」
あれから一週間後の金曜日、僕達はいつも通りに教室で有意義な放課後を……送ろうとしたができなかった。他のグループに先を越されてしまっただけなんだけど。今週は行動力のあるメンバーが特別教室の掃除が割当たっていたので、元々不利だった。
「また~!」
今日もまた、別のグループが教室を占拠していた。実際、月曜日に空いていたのは奇跡に近い。話を聞いたら、みんな別の所に遊びに行っていたらしい。
さてこれからどうしようか、と相談していたときに。
「じゃあ、近くの公園行こうよ~。」
流石和輝。とんでもない提案をしてきた。小学校低学年かよ。
「あ、私ブランコしたいかも。」
まさかの同意者が!
美汲が笑顔で応えていた。
「よし、じゃあ決定~。」
だから、他の人の話も聞けって。
和輝はもう、玄関に向かって歩き出している。
「お、おい、待てよ。」
笛芽もいつもに増して自由な和輝に焦っている。
「え?」
早く行こうよ、という期待の表情を向けられた。
「……たまにはいいか。」
抗議するのも面倒くさくなった。
「じゃあ、出発ー!」
という訳で、まさかの公園行きが決定した。ちなみに僕ら、制服のままである。何やってんだろう、僕ら。
和輝と美汲が先頭を切り、瑠菜が追いかけたので、笛芽と僕もあとに続いた。
そういえば、この道を行って着くのは、前に黒関に連れて行かれた公園でもあるな……。
ああ、苦い思い出だ。ところで、結局彼はどうなったんだろう? 最後には倒れていたわけだし、無事ではないと思うけど……。
「なあ、勇玖。」
「何?」
「そういや、お前、日曜何してた?」
えっ、もしかしてあの日のことは覚えていて、僕のことも見られていたのか?
「なんで今更。日曜は……あっ、宿題地獄の最終日じゃん。そりゃ、宿題やってたよ。」
「だよなあ。」
「笛芽はやらなかったの? もしかして、どっかで遊んでいた?」
そういや、あの日笛芽は何をしていたんだろう。
「いや、やってはいたさ。でもちょっと気分転換にお菓子を買に行ったんだけどな、途中からよく覚えていなくて。」
「……。」
「……。」
「なんで僕に訊いたの?」
「んー、なんとなく?」
「ふうん。」
「ちょっとお二人さん、なーに話してんの!」
「あ、瑠菜。」
「前の二人、盛り上がってるわねえ。」
「はは……そうだね。」
「俺たちさ……大人になってもこんなアホなことやってんのかね。」
「さあ……そのときにならないと分からないよ。」
今の僕は、それを知る方法があることを知っている。黒関が圧縮と言っていたやつだ。でも、いったい何のためにその手段があるのかは謎だし、使おうとも思わない。
「ねっ、見えてきたよ!」
美汲が振り返る。
「ああ、そうだね。」
黒関が結局どうなったかなんて、知ったことではない。
でも、今後この時間の能力に関わらなければ、きっと一生無縁のことだ。そうなることを、願うのみ。
今が、この現実が、僕にとっての一番なんだ。
終
お付き合いありがとうございました!無事、完結です。
最後の方で、いくらかフラグが刺さったままですが、ごめんなさい、続編の予定はないです……。
あと、感想も受け付けております。
よみにくかったとか、続編書けやおら!とか、続編はいいからフラグの解説だけしろ!とか、本当に何でもいいです!!
よかったら、活動報告も見てみてね。




