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ドラゴ・ニュートの力

 気がついたら、2ヶ月たっちゃってました(汗)

 仕事の地獄状態も一段落ついたので、ちゃんと定期的に書いていきたいと思います。

 ファジマリーの門前に降り立つと、オレは真っ直ぐに街の中に駆け込んだ。

 そのまま郵便屋に向かい、アイテムやお金を受け取る。

 その中には、巨大アリから分捕った素材を使ってミエコさんに作ってもらった鎧も入っている。


 〇【スチールアント・ヘルム】ランク5:兜。防御力6。

 〇【スチールアント・ハーネス】ランク5:軽鎧。防御力21。

 〇【スチールアント・ガントレット】ランク5:ガントレット。防御力6。

 〇【スチールアント・グリーブ】ランク5:足鎧。防御力7。


 黒地に青っぽい金属的な光沢が浮かんだ、綺麗な鎧だ。

 カニやらアリやらキチン質の鎧ばかり使ってる気がするけど、いつかは重厚な金属鎧を着てみたい。まあ、そのうちだ。


 スチールアント鎧を装備すると、街の中心の広場に向かう。

 バルカンさんを探すためである。

 ヨロウスィーク周辺で手に入れた素材で、何か武器を作ってもらえるんじゃないかと思ったのだ。刃エイ(ブレード・レイ)の刀のようなヒレとかを使ってね。


 いつもの場所で、バルカンさんは露店を広げていた。まるで変わらぬ彼の姿に、ひどく安心感を覚えてしまう。

 オレが近づいてくるのを、彼は怪訝な表情で見ていた。

「おひさしぶり~」

「青鬼さんか?」

「当たり」

「やっぱりか。そんな酔狂なキャラを選ぶヤツは、あんまりいないもんなぁ」

 リザードマンがドラゴ・ニュートになったところで、正体はオレだとバレバレだったようだ。


「ほう。ドラゴ・ニュートっていうのか。リザードマンより精悍な感じで、強そうだなぁ。頭に角なんて生えてるし」

 オレの姿をしげしげと眺めて、バルカンさんが感心したように言う。

 そう。ドラゴ・ニュートの頭には、後方に向かって30センチほどの角が2本生えているのだ。おかげで、せっかくのスチールアント・ヘルムは被れなかった。

 リザードマンと同じで靴も履けないし、キャラが強力になる分、どんどん装備できる物が減っていく。


「で、今日は何か武器を作ってもらいたいんだけど・・・」

 素材アイテムを次々と実体化させていくと、バルカンさんの目の色が変わってきた。

「これは・・・、どこで手に入れたアイテムだ?」

「海の向こうで」

 オレがニヤリと笑うと、バルカンさんがウウムと唸る。

「最近、マリーさんとこが造船を始めたとは聞いてたが、お前さん絡みか」

「まあ、そんなとこ」

「これだけ種類があればいくつか武器を作れそうだが、俺も初めて扱う素材ばかりだし、どんな出来になるか分からないぞ?」

「素材はありったけ渡すから、適当に作ってみてよ。それで、気に入ったのをもらうから、残りは売り物にしちゃって」

 オレの申し出をバルカンさんは快くオッケーしてくれた。制作費を無料にするどころか、材料の買い取り代まで出してくれるらしい。

 正直、まだこういった物の相場は分からないけど、珍しい素材を大量に渡したから、バルカンさんの損にはなっていないと信じたい。


 武器が出来上がるまでの間に、必要なアイテムを買いに回る。

 ポーションの(たぐい)にスキル・スクロールだ。

 1つキープしていた『反響定位(エコロケーション)』も、郵便で送ってきている。

 『ウォーター・ブレード』が欲しいところだが、これはリザードマンでコピーを作ればいい。『筆記』スキルを上げた甲斐があるというものだ。

 ちなみに、ニュートでは水属性のみが得意属性だったけど、ドラゴ・ニュートでは水と氷が得意属性になっていた。なので、氷魔法の『アイス・アロー』も買い込んだ。


 広場に戻ると、バルカンさんがニコニコ顔で待ち構えていた。

「いやぁ、なかなか面白い素材だったよ」

 そう言いながら、完成した武器を手渡してくれる。

 長大な太刀だ。大太刀と言うべきか。


 〇【大太刀・海鷂魚(エイ)】ランク5:大太刀。攻撃力57。


 抜いてみると、刃渡りだけで1メートルを越えるずっしりとした重量感が頼もしい。

 ドラゴ・ニュートの巨体でなければ、取り回すのも大変そうな代物だ。


「あと、これもセットで渡しとくよ」


 〇【小太刀・海鷂魚(エイ)】ランク5:小太刀。攻撃力32。


 小太刀と言いながら、普通の日本刀と遜色ない大きさだ。

「おお、カッコい~!」

「そうだよな。やっぱり、日本刀はいいよな」

 早速、小太刀は左腰に、大太刀は背中に装備する。

 ちなみに、大太刀の柄はオレの左肩側に突き出ている。マンガやドラマで背中に刀剣を装備してる絵は、ほぼ右肩側に柄があるが、実はそれは間違いなんだそうだ。試してみて分かったが、右側に柄を持ってくると、右手で抜くのは不可能に近かった。

 右手で左肩側にある柄を握り、左手で鞘を右下に引き下ろすようにして、初めて大太刀を抜くことが出来る。

 これは、刀を抜く動作からして、慣れないと大変だ。

 背中の大太刀を目にも止まらぬ速さで抜き放ち、空飛ぶツバメを斬ってから、またスパーンと納刀するなんて真似なんか出来る訳がない。佐々木小次郎、恐るべしだ。

 いや、そもそも、刃渡り1メートル超の刀を背中の鞘にスムーズに納められるのか?

 これは、特訓が必要かも知れない・・・。




 と言う訳で、特訓がてらフィールドを進む。

 方向は、南。パレオからチョコドを目指す。

 西とか東とか、まだ行ってないエリアの踏査もしてみたいけど、今はそんな余裕はない。出来るなら、このドラゴ・ニュートのキャラで船に乗り込みたいのだ。

 

 船の建造については、オレがヨロウスィークの宿屋にこもって『筆記』スキルを上げている間に、大幅に進展したらしい。

 鷹爪(ようそう)くんもスモーカーも、憑かれたように造船に打ち込んでいたという。そう、何かを忘れようとするかの様に・・・。


 そして、このドラゴ・ニュートという種族は、想像はしていたが、かなり戦闘力が高い。さすがレア種族だ。

 まだ生まれ立てのホヤホヤなのに、ファジマリーの近くにいるモンスターでは腕試しにもならなかった。

 ズンズン南に進んで、ダチョウに似た二足歩行の鳥、マスルを相手にして、やっと歯応えを感じる有り様だ。

 しかし、それも大太刀で脚や首を斬りつければ、危な気なく勝ててしまう。

 リザードマンで泥臭く戦っていたのに比べれば、ずいぶん楽勝モードだ。


「思えば、この辺りでヒヨコ丸さんとアマガエルさんに出会ったんだなぁ」

 マスルを、そして巨大シカを狩りながら、感慨にふける。

 あの日、リザードマンの姿に興味を持ってくれたアマガエルさんたちと知り合ってなければ、オレはここまでこのゲームにのめり込んでなかったかも知れない。

 やはり、オンライン・ゲームの醍醐味は、人との出会いだね。つくづく、そう思う。




 パレオ付近の海岸に出ると、サハギンを狩りまくった。

 気分は、昔ながらの時代劇だ。番組後半で、主人公が悪役たちを何十人と斬りまくるアレね。それぐらい簡単に、サハギンたち相手に無双できた。

 で、久しぶりに手にしましたよ。サハギンの宝の鍵。

 これは、行くべきだよね?

 サハギンのダンジョンに。


 そうと決まれば、迷うことはない。早速、戦闘フィールドを海中に移した。

 『水泳』やら『潜水』のスキルを上げ直さないといけない。

 クラスが『海の戦士』である以上、海中での行動にもすぐに慣れると思うけどね。

 あ。『水中呼吸』もスクロール化してこないとな。


 



 そこからは、ひたすら海中で暴れ続けた。

 相手は、当然サハギンだ。

 水中で太刀を振るうなんて無理なんじゃないかという心配もあったけど、さすがゲームと言うべきか、むしろ槍より使い勝手がいいぐらいだった。水圧を感じることもなく振るわれた刃は、簡単にサハギンの身体を切り裂いてしまう。

「これって、すでにニュートより強いだろ・・・」

 苦労して育ててきたキャラより、生まれ立てのドラゴ・ニュートの方が強いというのも理不尽な気がするが、これもニュートで頑張ってきたお陰と思うことにしよう。


 泳ぎながらの不安定な体勢なのに、太刀を振るうたびに鎧や武器ごと両断されていくサハギン。ゲームじゃなきゃ、とんでもない大量殺人鬼だ。水中戦闘に関するスキル上げが目的とは言え、気が咎めてきた。

 オレのせいで、サハギンという(しゅ)が滅びてしまいそうだ。いや、滅んだりしないけどね。

 パレオに入ると、その日はログアウトする。

 次は、ニュートのキャラから『水中呼吸』と『ウォーター・ブレード』のスクロールを受け取ってから、ダンジョンに挑戦だ。

 果たして、巨大サハギンに、この新しい力は通用するのかな?


 


 


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