第12章
この章の登場人物
白井 グルメウイーク記者
キリ(キリ) キリカフェオーナー
ソミス(ソミス)
キ
「前経済産業省大臣 小林真一・・・いや フリー・トマソン日本支部長 Mr.小林は
何故 暗殺された?」
そ
「キサマ!何でその事を!?」
キ
「小林は心不全による死亡とマスコミには発表されたようだが・・・あれは明らかに
感電死によるものだ・・・あれだけガードの固い男が暗殺されるとするなら
それは身内・・・即ち フリー・トマソン内部による犯行・・・違うかな?」
そ
「ああ・・・確かにそうだ 小林は我々の仲間によって暗殺された・・・
アメリカ本部の指示だ・・・俺たちには逆らえない しかしその事を知っているのは
我々メンバーの中でも数人・・・キサマ 一体何者なんだ?」
キ
「日本の原発は いや・・・世界の原発は フリー・トマソンの脅威に晒されている
何故か? それは石油がお前等にとっての最大の資金源だからだ!
湾岸戦争 パレスチナ問題 イラク アフガニスタン・・・すべて石油価格を
下落させないためお前たちがやった戦争だ!
我々DNPはお前たちの手から 原発を護るために組織されているんだ」
そ
「キサマDNPの隊員だったのか!?」
キ
「そうだ 日本政府はお前達のテロ攻撃から原子力発電所を護るため
DNPを発足させた しかしそんな事を国民に言えばパニックになり
反対運動に拍車が掛かる 原発は石油産出量をお前たちにコントロールされている
現在では 唯一お前達の力が及ばないエネルギーだ 過去に原発で起きた臨界事故は
すべてキサマ達の犯行によるものだな?」
そ
「さすがDNPの隊員さんだけの事はある・・・見事な推理だ」
ば
「キリさん・・・あなた何者なの? DNPって一体・・・何?」
キ
「君に黙っていたのは悪かった・・・DNPすなわちDefend・Nuclear・Power station
(ディフェンド・ニュークリア・パワーステイション)は経済産業省 直轄の秘密組織だ
ボクはあのカフェを拠点に福井県美浜原発の監視をしている
ボクと同じような隊員達が17か所55基の原発を護っているんだ・・・
今回計画されてる首相官邸と美浜への攻撃だが・・・
官邸攻撃は単なるカモフラージュにすぎない・・・
そうだな?ソミス君」
そ
「ああ・・・その通りだ 美浜が第一のターゲットだ・・・あずさを連れて行ったのも
下見を兼ねた旅行だった・・・」
キ
「フリー・トマソンの現在のリーダーは誰だ?」
そ
「現政権の外務大臣だ・・・これだけ聞けば充分だろう? 喋った俺は数日のうちに
消されるだろうな」
ば
「自業自得よ! 罪も無いぷろぺらさんを殺した・・・」
そ
「そうかもな・・・あいつが俺のパソコンを覗いたりしなけりゃ・・・俺が電源を
点けっぱなしにしていなけりゃ・・・こんな事には・・・」
キ
「とりあえず君に今動かれちゃまずいから・・・」
そ
「何をする!?・・・やめっ・・・ろ・・・」
ば
「キリさん!! いったい何をしたの!?」
キ
「麻酔さ・・・コイツに動かれちゃマズイからね・・・それより そのPCの
ファイルをこのUSBメモリに転送してくれないか その間にコイツをその
スーツケースに詰めておくから」
ば
「わかった・・・でもその前に一つ聞いてもいい?・・・キリさん・・・
あなたはわたしを利用していたの?」
キ
「ゴメン・・・そうだったかもしれない ただ・・・もし君に危害が及びそうなことが
あったなら政府が責任をも持って対応する・・・いや・・・ボクが君を護り抜く
つもりだった・・・」
ば
「かっこいい事言って・・・それで わたしが納得できると思う?」
キ
「すまない・・・最初は利用するつもりだった・・・だけど・・・一緒に居るうちに
君のことを・・・その・・・段々・・・好きになってきたんだ・・・
君をこの危険な任務に巻き込んだことを後悔してる・・・許してくれとは言わない
ただ・・・ボクを嫌いにならないで欲しい・・・」
ば
「・・・ばかっ! 好きとか言わないでよ!・・・どうせ言い訳なんでしょ?
そうやっていえば 利用したこと許してもらえるって・・・」
キ
「嘘なんかじゃないよ! ずっと一緒に居て欲しいと思ってる・・・愛してるんだ」
ば
「ばかっ・・・そんな事言わないでよ・・・そんな事言ったら あなたを憎めない
憎めないよ・・・」(泣き声)
キ
「憎まれて当然だよね・・・今言ったこと・・・ボクの勝手な独り言だと思ってくれて
いいよ・・・君に愛されたいなんて・・・図々しすぎるよね」
ば
「わたしもあなたが好きだった・・・でも・・・今は分らない・・・わからないよ!」
キ
「とりあえず・・・ここに居ちゃマズイ・・・コイツをつれて一度福井へ戻ろう」
ば
「キリカフェ?・・・あそこはマークされてるんじゃないの?」
キ
「あのカフェはカモフラージュで 地下30mに施設が造ってある 絶対安全だ
しばらくはボクの言うとおりにしてもらえないかい?」
ば
「わかったよ・・・あなたの指示に従う・・・でも 信じてるわけじゃないから・・・
あなたを・・・信じてないから・・・」
いよいよ話は佳境に・・・