第11章
この章の登場人物
白井 グルメウイーク記者
キリ(キリ) キリカフェオーナー
ソミス(ソミス)
__BGM__
ば
「これからどうするの?」
キ
「吉田さんの情報から ソミスの居場所が分ったんだ 今度はこっちから仕掛けてやる」
ば
「仕掛けるってどういうこと?」
キ
「拉致するんだ・・・不意を襲えばアイツだって油断してるに決まってる」
ば
「出来るかなそんなこと・・・」
キ
「大丈夫 いい考えがある」
ば
「あっ・・・もら助さんからメールが入ったよ 例のお台場の倉庫をテレビ局と
海運会社のウェブカメラからモニターできるって 仲間が調べてくれたみたい
PCで表示してみるね・・・ 凄い! 2箇所のアングルからバッチリ見えてるよ
これであいつらが動き出したら直ぐに分る! もら助君も監視してくれてるって
書いてあるよ」
キ
「彼の仲間 結構使えるね・・・素人のボクたちが動いてるなんて 想像もしてないよ
あいつら きっと」
__BGM__
ば
「あそこが ソミスの住んでるマンションね ここで見張るの?」
キ
「ここなら車停めてても目立たないしね・・・とにかく暫く様子をみてみよう・・・」
ば
「あっ・・・誰か出てきた・・・ソミスじゃない? こっちに向かってくる
気づかれちゃうよ・・・なっ!??? どうしたの?いきなり・・・」
キ
「こうやって抱き合ってれば 恋人同士だと思って通り過ぎるから・・・」
ば
「・・・わかった・・・」
(心の声)
{もうだめ! 普通にしてるけど・・・心臓の音・・・絶対聞かれてるよ・・・
気が遠くなりそう・・・このまま ずっと時間が止まればいいのに・・・」
キ
「どう?通り過ぎたんじゃない?」
ば
「えっ?・・・あっ うん・・・行ったみたい・・・」
キ
「よし ソミスのマンションに潜入しよう」
ば
「そんなこと出来るの?」
キ
「こうみえて 鍵を開けるのは得意なんだ・・・さっき服買ったときに この針金も
買っておいたし ホラ じゃあ行くよ 」
ば
「あっ・・・はい・・・」
(心の声)
{キリさんて 何者なんだろう? 度胸もあるし こんな事が出来るなんて・・・}
キ
「ちょっと見張ってて・・・このタイプなら簡単だ・・・こうやって・・・
開いた! よし中に入ろう」
ば
「凄い! 1分掛かってないじゃん???」
キ
「すごい部屋だなぁ・・・CDだらけだ・・・帰ってきたときに隠れる場所は・・・
このクローゼットにしよう あっ これはあの日着てたスーツだ」
ば
「帰ってきたらどうするの?」
キ
「これを使うんだ・・・」
ば
「折り畳み傘? どうするの そんな物?」
キ
「まあ・・・見てのお楽しみさ」
__BGM__
ドアの鍵穴が回る音
キ
「帰ってきた! 隠れるんだ」
ば
「あなたは? ボクはそこに隠れてる 早く!」
ガチャ (鍵をテーブルの上に置く音
キ
「お帰りなさい 待ってましたよ」
そ
「だっ! 誰だっ!?」
キ
「色々やってくれますよねぇ・・・おっと 動かないほうがいいですよ
これサイレンサー付ですから」
そ
「くそっ! どうやって入った・・・」
キ
「その椅子に座ってもらおうか? そうだ言うとおりにしてれば殺しはしないよ」
そ
「お前は誰なんだ? どうしてここにいる?」
キ
「質問するのはこっちですよ ソミスさん・・・よし これでいい 少し痛いが
我慢してもらうよ」
そ
「俺を縛ってどうしようって言うんだ! 何が目的だ? 金か?」
キ
「出てきてもいいよ・・・」
そ
「お前は!・・・あの時の・・・そうか そういうことだったのか」
ば
「あいにくだったわね わたしたちを襲わせたりするからこんな事になるのよ」
そ
「お前らが色々詮索しなきゃ あんなことしねーよ 俺をどうするんだ?」
キ
「返事しだいじゃ かわいそうな ぷろぺらさんと同じ運命って事かな?
もっとも・・・ここは高さは一緒みたいだけど・・・下は海じゃないけどね」
ば
「それにしても 折りたたみ傘にハンカチかけたのが ピストルに見えるなんて」
そ
「傘??? 騙しやがったなっ!」
キ
「暴れるな この首に当ててるナイフは本物だぜ・・・じゃあ質問する・・・
回答までの時間は10秒 それが過ぎればこれが首に食い込む」
そ
「やめろ! 何が聞きたいんだ・・・」
キ
「まず1つ目・・・お台場の倉庫にあるミサイルはいつ使うんだ?」
そ
「・・・そんなことは知らん! 何の話だ?」
キ
「じゃあ カウント10・・・9・・・8・・・」
そ
「わかった!言う! 時期は来月 日にちは・・・まだ聞いてない・・・」
キ
「よし その調子だ・・・じゃあ次・・・お前の組織のメンバー表が知りたい
そのファイルがあるのか?」
そ
「そんな事言えるわけない! 言えば俺が殺される!」
キ
「今死ぬか・・・後からか・・・自分で選べよ 10・・・9・・・8・・・7・・・」
そ
「そのパソコンの中にある・・・」
ば
「パスワードは?」
そ
「QAZWSX2009だ・・・・そんな物知ってどうするんだ?
お前たち何を考えてる? 組織の規模を知ってるのか?」
キ
「知ってるよ・・・政治家 警察幹部 事業家 あらゆる所にお前たちのメンバーが
居て われわれ一般人の動きを抑制している・・・」
そ
「それが分っていて 喧嘩を売るつもりなのか? お前ら・・・バカだろ?」
キ
「じゃあ次の質問だ・・・なんであずささんを殺した?」
そ
「あいつは・・・勝手に落ちたんだ・・・」
キ
「容赦はしないよ・・・10・・・9・・・」
そ
「殺すつもりだった・・・勝手に落ちたのは本当だ・・・まるで自分から落ちるみたいに」
ば
「彼女の気持ちが分らないの? あなたの本当の姿を知っていて 旅行に着いて行ったのよ
最後に思い出を作りたかったって・・・そう言ってたんだから!」
そ
「わかってるさ・・・俺だって殺したくは無かった・・・だが俺がやらなきゃ
メンバーの誰かに殺される・・・だったら自分で始末をつけようと思ったのさ」
キ
「調子のいい事言って・・・」
そ
「そう思いたきゃ・・・勝手にするがいいさ」
キ
「じゃあ これが最後の質問だ・・・」
ば(心の声)
{わたしは この質問を聞くまではキリさんが普通の人で すこしカッコよくって
優しい ちょっとお金持ちなアンティークカフェのオーナーだとばかり思ってた}