表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Common story  作者: 書く気分
4/4

大収穫

「そうだよなあ…」


鑑定士は神妙な顔つきでうなずく。

その表情をみて、赤髪の女性は何かを察する。


「もしかして、踏み倒す方法があるっていうの?

 …そういえばそのピアス。なんだか闇魔法のオーラを感じるわね…まさかそのピアスが?」


カウンターの上に置いてあったピアスに目を向ける。

これ以上隠すのは無理だな…と諦めた鑑定士は白状する。


「…ああ、そのまさかだ。

 この二人がダンジョンボスからドロップしたそうだ。」


こんにちは~とハレが笑顔で挨拶し、その隣でレインもぺこっと頭を軽く下げる。


「あら、お若いのに優秀ね…。」


「ああ、実際優秀だよ。最近結成して2年そこそこでAランクまで行ってるわけだからな。」


鑑定士は嫌そうな顔で実力を認める。


「2年で!?それはまたスピード昇格ねえ。

 あ、そういえば10年前にも異様に昇格が速いパーティがあったような…」


その言葉が出た瞬間ハレの笑顔が固まり、眉をピクッとさせる。

空気が少しピリつく。

レインがこの話はまずいと話を変える。


「あ~それで鑑定士さん、ピアスはおいくらで買い取っていただけますか?

 魔導書も良ければ買い取っていただけるとありがたいのですが。」


「おっとそうだったな。…よし、二つ合わせて金貨175で買い取ろう。どうだ?」


「分かりました。それでお願いします。いいよね、ハレ?」


声をかけられて我に返るハレ。


「あ、ああ…。えっと、あと諸々頼める?先に外出てるな。」


「うん、分かったよ。」


ハレは店のドアを開けて外に出て行った。

赤い髪の女性はそれを見送って、気まずそうに問いかける。


「私、あの子に何か気に障ること言っちゃったかしら…?」


「ああ、えっと、気になさらないでください。

 さっき言ってた5年前のパーティなんですが、ちょっとした因縁がありまして。」


「あら、そうだったの…悪いことしちゃったわね…」


「いえいえ。

 それより、魔導書の解読ありがとうございました。おかげで想定よりかなり高く売れました。」


「いいのよ~、初めて見る魔導書で私も興味深かったわ。

 今度はうちの魔法屋にも寄ってね。」


「はい、是非。」


レインはカウンターで鑑定士と今回の買い取りの契約書を書く。

そして、鑑定士から金貨の入った袋を受け取り、店を後にした。

魔法屋の女性と鑑定士はまだ何か話しているようだった。


外に出てハレを探す。

ハレは人目もはばからず腕立て伏せをしていた。

思ったより元気そうだ、と少し笑ってしまうレイン。


「ハレ、お待たせ。これでご飯行こう。」


金貨の入った袋を掲げて見せる。


「おお~!今日はパーッとやりますか!」


――――――――――


~酒場~


売買契約書

「アンデッドカンパニー」

金貨100枚


「魔導書・闇」

金貨75枚


2枚の契約書がレインの手元にはあった。


「マスター、ビールお代わり!」


「はいよ~!」


いつの間にか一杯目を飲み干し、次のビールを注文していた。


「で、ハレ。当分の生活資金は稼げたわけだけど、どうする?」


「ん~装備の新調もしたいし、しばらくこの街に滞在しようかな。

 そうだな、一週間後に出発しよう。」


「わかった。じゃあ一旦各々での行動だね。」


「おう!何はともあれ今日は…」


「おまたせしました~ビールです」


「飲むぞ~!!」


「おうおう、上機嫌だなハレ!

 何かいいことでもあったか~?」


近くの席で飲んでいたスキンヘッドが近づいてきて、ハレに話しかける。


「お~マックス!今回の遠征が大成功でな!」


「そうかそうか。新進気鋭のAランクパーティ様の冒険譚、ぜひ聞かせてくれよ!」


「はっはっは、仕方ねえな~!」


酒が入ってご機嫌なハレは今回の旅路を、楽し気に語った。

レインはそれを子を見守る親のような表情で聞いている。


いつの間にか周りに人だかりができて、皆が時折突っ込みを入れながら話に聞き入っている。

そして、気分が良くなったハレは「今日は俺のおごりだ~!」と高らかに宣言。

店の外まで響くオーディエンスの歓声が上がるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ