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試しに付き合って、五日目。

くどいけど妹の友達である優梨ちゃんと試しに付き合ってから5日目、昨日の電話の事を友達の凛ちゃんに話した。


「それで、電話越しで大好きって言われて嬉しかったと?」

「うっうん…」

「もう相談じゃなくて報告だね、いっそ本気で付き合っちゃえばいいじゃん?」

「でっでも本来はあの子と一週間試しに付き合って、私が全力でフラれるつもりで…」

「まぁね、これで本気で付き合ったらあんたはロリコン確定ってわけだもんね。」

「えっ!ロリコン!」

「だって小学生と付き合うんだよ?ロリコンでしょう?」

「ゔっ…ロリコンって思われるのは嫌だな…?」


−放課後−


「たっただいま…」

「お帰り、お姉ちゃん。」

「優梨ちゃんは遊びに…来てるよね…?」

「何?その聞き方?もちろん遊びに来てるよ。」

「そっか…」


私は部屋に入る前に軽く深呼吸をした、ある覚悟をするために。


「明日香さん、お帰りなさい!」

「待って!」

「えっ?」


(思った通り、抱きついてくると思った。)


「抱きつくのは遠慮してもらっていいかな…?」

「どっどうしてですか?」

「なっ何となく…」

「そうですか…」

「ぐっ…」


(罪悪感に耐えろ、耐えるんだ、私…これも彼女を傷つけずにフラれるためなんだから…)


私が決めた覚悟、それは本来の目的でもあった全力でフラれるために嫌われること。


「ハグは駄目だったかもしれないですけど恋人繋ぎはしてもいいですよね…?」

「そっそれも遠慮してもいいかな…」

「えっ、それも駄目なんですか…?」

「うっうん…」

「じゃあ、腕組みは…?」

「腕組みも…」

「まさかとは思いますけどお菓子を食べさせ合うのも駄目ですか…?」

「そっそうだね…」

「・・・・・明日香さん、もしかして私のこと避けてます…?」

「避けてるわけじゃないよ…?」

「じゃあ、どうして!」

「きゃっ!」


優梨ちゃんはベットに私を押し倒した。


「ハグも腕組みも恋人繋ぎも食べさせ合うのも駄目なんですか…?」

「かっ考えたんだ…私達は本当に付き合ってるわけじゃないんだし…そういう恋人がやるような事をやっちゃ駄目なんじゃないかって…」

「何ですかそれ…明日香さんが1週間は本当の恋人のように接してくれるって言ったんですよ…?」

「試しは試しだよ…本気で付き合ったわけじゃない…」

「ひっひどい私は本気で付き合ってるつもりだったのに…明日香さんはずっとお遊びのつもりだったんですか…?」


優梨ちゃんの瞳が涙でいっぱいになっていた。


「優梨ちゃん…」

「ぐっ、明日香さんは嘘つきです!

 そんなのなら試しに付き合うなんて言わないで!」

「まっ待って!」


優梨ちゃんは部屋から出て行った…


「泣かせちゃった…私のバカ…」

「お姉ちゃん!優梨ちゃんが泣きながら帰っちゃったよ!」

「あっうん…」

「もしかして喧嘩でもしちゃったの…?」

「私がわるいんだ…」

「そっか…どんなに仲良しでも喧嘩する時はあるもんだよね?明日、学校で私からも出来る限りフォローしておくよ。」


「ありがとう…未来…」


「お菓子作ったけど食べる?今日はお姉ちゃんが大好きなシュークリームだよ。」

 

「うん…」


「待っててね。」


未来の作ってくれたシュークリームが少しだけしょっぱく感じたそれもそのはずだ、私はなぜだかわからないけど涙がポロポロ止まらないまま食べてたんだから。


「きっと…これでいいはずだよね…」


次の日、優梨ちゃんは家に来なかった…





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