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善き悪きの部位交換
「ねぇ、知ってる?」
誰かの呟きを右から左へと聞き流しながら、俺は一人廊下を歩いていた。
「あ、もしかして…。」
「そう!廃神社の神様!」
この地域にある廃神社や廃寺は各所に点在しているけど一体何処の事だ?と疑問に思いつつ、気にしないふりをして噂話に花を咲かせている彼女達の真横を通り過ぎようとした時だった。
「長い階段の手前に『立ち入るべからず』の看板が立っている堺神社の事でしょう?」
堺神社。
あの世とこの世を繋ぐ境目に建立したとの噂が噂を呼び、今では誰も近寄らないけれど肝試しの場所としてはうってつけなのか、夏場になると他県から様々な人達がやってきては騒音に悩まされる事が多い。
第六感とでも言うべきか、昼間でも鬱蒼とした木々が長い階段の左右に存在している為に極力近寄りたくない場所だ。
「でも、そんな噂話誰から聞いたの?あの神社には近寄ってはいけないと言われているじゃない。」
「えーと、宇沙原さんからよ。」
「え!?あの子そんな危ない場所に行ってたりするの!?」
また面倒な人名が出てきたな、と心の中で呟いた。




