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第六話

待ってないかもしれませんが、非常に長らくお待たせしました。すみません…。


東の地ではすでに朝日が上り始めるような頃に寝付いた二人であったが、しばらく柔らかなフィーネの髪を撫ぜたリンデイアは、そっとベッドから抜け出した。

彼女が深く寝付いたらすぐに出立するつもりであったが、名残惜しくてついつい長居してしまった。

空はすっかり白み始めているが、目前の愛しい人は健やかな寝息を立てている。

本来であれば朝早くから働くメイドであるが、昨夜は些か無理をさせたこともあり、気持ちよさそうにしている。

今頃他の使用人たちは、すでに活動を始めていることだろう、クラエスに見つかっては事だと苦笑する。

最後にフィーネの頬をひと撫ですると、リンデイアは窓から外へ飛び出した。




街中を通らず、極力人目を避けて東へ向かう。

こんな時間ではあるが朝市ではすでに結構な人出だろう。

領民に捕まっていてはクラエスが追いついてきてしまうかもしれない。

人気者は辛いなと、ふてぶてしいことを考えながら領外へ。

街を取り囲む塀を東西南北へ位置する門など無視して飛び越える。

そんなことができるのも街へ結界を掛けているリンデイアだからこそだろう。

もちろん領地を離れる間も結界は問題なく機能する、抜かりないと心中自画自賛しつつ、領主は鼻歌混じりに東へと向かう。




領地を出てしばらく。休むことなく歩みを続けたリンデイアは、道中2つの町を越え、昼頃には港町ティフェルへたどり着いた。

馬での旅路も考えたが、万が一の時には身一つの方が早い。身体スペックの馬鹿げた女であるリンデイアはその気になれば馬を使うより早いのである。

ティフェルという街は、港町らしい活気に溢れていた。商店がそこらに広がり、威勢の良い声が飛んでいる。


「安いよ! 今朝港で上がったばかりだよー!! そこの男前な兄さんどうだい?」

「おいおい、兄ちゃんそっちよりうちのが安いよ!」

「なんだい、引っ込んでな!」

「なにをー!?」


見目麗しい青年を取り合って客引きをする商店の女将たちに苦笑するリンデイア。

活気が良いのはいいが、果たして良すぎるのもどうか。


「すまないね、ご婦人方。俺の料理の腕ではせっかくの食材をダメにしてしまいそうなんだ。それとも、どこか持ち込みの食材を調理してくれる良い宿か食堂はないかな?」


先程までの威勢は何処へやら、女将らはぽーっと青年……の格好をしたリンデイアの顔を眺めたのち、口を揃えて『黒猫亭』の名を出した。

どうやら市場を抜けた先にある食堂付きの宿屋らしい。


「そうか、ならそこへ行ってみるよ。お二人のおすすめはどれだい?」


ハッと気を取り直した女将らからそれぞれの店おすすめの食材を大量に買うと、例を言って黒猫亭とやらへ足を向けた。


「いやぁ、とんでもなく綺麗なお兄さんだったわね」

「そうねぇ、私もあと20歳若ければ……」

「何言ってんだい、若くたって顔は変わんないだろ」

「なにをー!?」


背後からは女将らのやかましい会話が聞こえたとか聞こえないとか。




市場を抜けてしばらく、周囲を散策しながら歩みを進めると黒猫があしらわれた看板が顔を出した。


「ここか……」


扉を開こうするが、それより先にカランコロンと小気味のいい音をたてて開き、危うく戸に身体をぶつけそうになる。


「それじゃお母さん行って、あっごめんなさい! 大丈夫でしたか?」


中から飛び出してきたのはリンデイアと同じ年頃の亜麻色の髪をした少女であった。


「いや、大丈夫。お使いかな? いってらっしゃい」

「ええ、備品の買い出しに。お兄さんはお客様?」

「ああ。今晩世話になろうかと思ってね」

「よかったわ、お兄さんラッキーよ! 一部屋しか空きがなかったから。お母さーん! お客さんよー!」


また慌ただしく中へ戻っていった少女に苦笑し、リンデイアも後を追った。

エタらないでいきたいですね…はちゃめちゃに短くすみません。次もうちょい長くしますので許してください。

あと亀更新でも許してください〜!!!

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