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武器屋の勇者様 ~ 祝福を受けたハズの女子高生の空回り奮闘記  作者: 61
5章:王子様の道具 ~勇者にならないために~
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贈り物

--贈り物--


あらすじ:新しい性癖に目覚めそうになった。

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王子様か四つん這いになって項垂れてしまった。ブツブツ言ってるけど、そんなに落ち込まなくても良いのに。ただの脅しなんだから。


「ありがとうございます。おかげでダンジョンが無くなる可能性が無くなりました。」


ヘランちゃんにお礼を言われた。


「良いのよ。可能性だしね。本当にコアを壊したらダンジョンが無くなるのかわからないし、逆に壊していた方が良かったのかも知れない。まぁ、これからゆっくり研究すればいいのよ。」


「でも、王宮に逆らってまでと言うのは…、このお礼は必ずします。アマネ様が受ける筈だった借りは私が…。」


「良いのよ。」


ただ、そういうゲームや小説を見た事があるだけで、本当にそうなるかもわからない。ヘランちゃんのお礼は気になるけれど、特に欲しい物は…税金の免除とかかな。


「では、ウチの兄を上げましょう。」


「要らないわよ!そんなの!」


私にはミル君がいる!


「お姉様になってっ!」


「だから、ならないって!」


「ちっ。」


舌打ちした?今、ヘランちゃんが舌打ちした?後ろではご子息様も落ち込んでしまったし。


気を取り直したヘランちゃんが尋ねてくる。


「ところで、コアって何ですか?」


「私の世界の物語の中にダンジョンコアって考え方が有ってね、それがダンジョンを作っているって、まあ、作り話よ。でも、この状況に似ていたからね。」


そう言って、話題のボールに近付く。真っ赤な玉で特に変哲も無い。


輝きもしなければ、宝石の様でもない。


「ほら、例えばこのダンジョンなんて5階まで街の人が入り易くてモンスターが弱かったり、美味しかったり、ある程度行くと守護者なんかいる訳じゃない。誰かの意志が働いているような感じがしない?それをダンジョンコアが考え出しているって説があったのよ。でも、ダンジョンコアに意志が有ったとして、ここまで近付いて騒いでも何も反応が無いって変じゃない?だから、取り越し苦労だと思うんだけど、下手に壊して変なモンスターでも出てきたら嫌だしね。」


私だったら武器を持った人間がここまで近づいたら恐くて逃げるか、仲間を呼ぶとか少なくとも反応する。


あるいは壊した人に罰を与えるために裏ボスでも仕込んでおくとか。


「そうですね。魔王でも封印されていたら恐いですね。」


ヘランちゃんも同意してくれながら、何気なくそのボールに触ってしまった。


ピカッ!


目を開けていられない程の光が溢れる。


「何事だ!?」


「まさか、本当に魔王が!?」


みんなが騒ぎ出して、武器を構え始める。


ようやく光が収まった頃、ソコには青く輝く透明な美女が立っていた。


柔らかな生地の衣装を纏い、どこかの魔道具の女神様より女神らしい。


「よく、ここまで来ました。これで、このダンジョンは終わりです。褒美にこれを授けましょう。頭をこちらに。」


ヘランちゃんを手招きするとサークレットを被せる。彼女の頭にすっぽりと収まったそれは額を金色に彩り、青い雫型の宝石が揺れている。


「これでダンジョンの言葉を聞けば貴女の身を護る術と成るでしょう。」


「あ、貴女は?」


「さあ、次の試練が貴方を待っています。」


言うだけ言うと、美女は消えてしまった。そして、その祭壇には帰還の魔方陣が浮かんできた。


「何だったのかしらね?」


「何だったのでしよう?ダンジョンの声が聴こえるとか。」


「何を受け取ったのだ?」


私とヘランちゃんがお互いに顔を見合わせていると王子様が問いかけてきた。


「ダンジョンの秘宝か?おい、寄越せ!」


「私が頂戴いたしましたのよ。」


宝石を(いじ)りながらヘランちゃんが答える。


「オマエは何もしていないだろうが!1番の功労者は俺だ!」


いや、王子様でも無いと思うけど。


みんなで攻略した、みんなで勝ち取った攻略だよね。私の中の王子様の株がどんどん下がる。きっと他のみんなも同じことを考えているに違いない。


「さあ、アマネ様、帰りましょう。」


ヘランちゃんは無視を決め込んだようだ。そりゃ、ダンジョンから直接もらったんだし、王子様に奪われたりしたくないよね。だけど、私は今すぐに帰る事が出来ない。


「ごめん。私は一番最後に帰るよ。万が一何か有っても私だけなら何とでもなるしね。」


転移の魔法陣を壊してしまった以上、予備の魔法陣が壊れたら取り残された人が帰れなくなってしまう。ここに残って予備の魔法陣も作っておかないとね。


結局、ヘランちゃんも最後に帰るようになって、兵士の人達と転移の魔方陣を設置して拠点を造ったり、王子様のチョーダイ攻撃をかわしたりしながらヘランちゃんとお茶を楽しんだ。


みんなが街へ帰り、静かなダンジョン最上階にとうとう私だけになってしまった。


半年以上もダンジョンを攻略してきた。


祭りの後に少し感傷に浸る。


「ありがとう。楽しかったよ。」


帰還の魔方陣に乗って、そっと呟いて魔方陣に魔力を通す。


---こちらこそ、助けてくれてありがとう。またきてね。---


転移の瞬間にそう聞こえた気がした。



ダンジョンの1階に着いた時に、私の左手の中指に指輪がはめられていた。



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次回:勇者様の『それから。』


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