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武器屋の勇者様 ~ 祝福を受けたハズの女子高生の空回り奮闘記  作者: 61
4章:女神様の道具 ~名前を広めるために~
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女神様と王様

--女神様と王様--


女神様は女児アニメが気に入ったようだった。

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「お初にお目にかかる。私はこのモノストーンの国を取りまとめる、アンストン・ウォン・モノストーンズと申す。」


王様が立ち上がってオクサレ様に挨拶をする。ひざまずいたりしないで、堂々と対峙している。


それにしても、あんな登場の仕方をしたオクサレ様相手に良く平然と話しかけられるよね。


神々しく見えなかったのだろうか?


私は元ネタを知っているだけに、失笑が漏れてしまいそうなんだけどね。


「よろしく、ロッテンプッテルよ。」


オクサレ様も宙に浮いたまま仁王立ちになって、余裕のある表情を浮かべている。この立ち姿もアニメの影響なんだろうか?


王様と女神様が対峙(たいじ)する。


「ロッテンプッテル様には言いにくいのだが、神と称する証左(しょうさ)はございますか?」


王様の度胸が凄い。あんなに派手な登場をした相手に「アナタは神ですか?」とか聞ける?


いきなり「私は女神です。」とか言われたら、私だったら逃げてるわよ。


逃げられなかったから、ここに居るんだけど。


「あら、私を悪魔とでも疑うの?」


余裕の笑顔をもってオクサレ様が答える。


「人知が及ばない所ですので。できれば神としての力を示して頂きたい。」


「神としての証明なんて無いわ。私の登場を見て何も感じないなら、何もしても無駄よ。奇跡を起こしても悪魔の仕業と言われるかも知れないし、他の神を呼んだ所で悪魔が仲間を呼んだと言われるかも知れない。コギト エル ゴスム。『我想う故に我在り』。同じ事で、貴方が神と想えば私は神よ。」


「しかし、神の御業(みわざ)が施されたものでも有れば、御身(おんみ)の所在が遠く民へ広まるでしょう。」


「あらあら、欲しがり屋さんね。アマネが居るから証明する気はさらさら無いわ。女神が降りた国としてか、女神の加護がある国になりたいのか知らないけど、アマネ意外に加護を与えるのはルール違反なのよ。勇者アマネの次回作にご期待ください。」


こいつ、サラッと勇者だとバラしやがった。


「アマネは勇者なのか?聖女ではなく?」


「あら、いけない、隠してたんだっけ?ごっめ~ん。そうね、アマネは勇者よ。ただし『猫の帽子屋』のね。」


オクサレ様がウィンクしてくる。殴りたい、あの笑顔。絶対ワザとだ。


「それには、どのような違いが有るのでしょうか?」


「国の危機よりも『猫の帽子屋』の危機が優先されるだけよ。国の危機はアマネの都合で無視してもかまわないし、私としてもこの国に(こだわ)る理由は無いのよ。たまたま運のいい女性がこの国に居ただけ。私としてはアマネががんばって魔道具が世界中に広がってくれればどこでも良いもの。魔道具の女神だしね。でもアマネを大事にすれば、他の国より先に便利になるくらいは出来るわよ。」


「…わかりました。この国に危機が訪れない限りアマネを支援しましょう。」


「ありがとう。助かるわ。そうね、ついでだからお土産をあげるわ。アマネ、コレをマリアンちゃんに渡しておいて。そして、男には閲覧禁止にしておいて。」


そう言うと、オクサレ様は私に文箱(ふばこ)を渡してきた。男性には閲覧禁止って…。そっちの布教もするのか・・・。


「ああ、それと、貴女にもご褒美よ。この機会を設けてくれてありがとう。国と対話できたのは十分な成果だわ。でも、もっと広い範囲に布教してもらうには、ここに来るような長旅は頂けないわ。貴女は聖獣に会いたがっていたわね。聖獣なんて居ないから代わりを用意したわ。『オラシオン』大事にしてね。じゃね☆」


そう言ってウインクすると、オクサレ様は消えてしまった。


みんな呆然としている。

私も呆然としている。


女神様が消えた広い謁見の間には、赤い(たてがみ)と白磁のような肌をした大きな騎馬が立っていた。



あれだけアニメに傾倒(けいとう)していて、いまさらイケメンの意味が判っていないワケが無い。



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『--オラシオン取扱説明書--


この機器は魔道具です。


この機器は魔石をエネルギーとします。


鞍の残量計に注意して口から摂取させてください。


お手入れは基本的に不要です。


ボディに改造を加える場合はサポートセンターにご連絡下さい。


個人で改造された場合はサポート対象外になります。


登録された思念波に応じて簡単に操作できます。


神工精霊制御の四足歩行で困難な道も楽々踏破しますが、貨車をつけて高速移動をすると転倒の原因となります。ご注意ください。


神工精霊は万全では有りませんので安全には十分注意してください。


空は飛べません。


鞍にある魔晶石に魔力で触れることで各種ギミックが発動します。めんどくさくなったので割愛します。


よい旅をお祈りします。


サポートコール:ロッテンプッテル』


赤い(たてがみ)の白馬。金色の瞳に黒い隈取りがある。大きさは普通の馬の1.3倍ほどのサイズがあり、鞍に(あぶみ)はもちろん各所に青い鎧や盾のような物が装備されている。


取扱説明書はオラシオンのお尻に貼って有った。


こんな紙切れ…オクサレ様の悪ふざけだよね。



『でぃあ アマネ。


もっと遠くまで布教しに行けるように機動力を贈ります。無限機動とか可変ロボットとかキャンピングカーとか迷ったけど、無難に馬にします。どうせ道路事情で制限されちゃうし。ああ、空を飛べちゃうと地方で目立たなくなるから陸限定ね。


色んな村に立ち寄ってね。



PS.腐教の方もよろしく(^_-)-☆


貴女の女神 ロッテンプッテル』



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女神様の手紙は取扱説明書と一緒に有った。


私の隣のソファーでは、マリアンちゃんが女神様を(たたえ)えていて、その向かいでは、お妃様が女神か悪魔か真剣に葛藤(かっとう)している。


男子禁制にした部屋の、机の上には腐教された例の文箱(ふばこ)の中身が散乱している。


窓の外ではホアード様がオラシオンにまとわり付いている。


そして私はオクサレ様の手紙を読み返してる。


「どーしよーかなー。コレ。」



どこから手を付けたら良いのだろう?



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次回:新章/『逃亡』逃げるわよ、もちろん。



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