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武器屋の勇者様 ~ 祝福を受けたハズの女子高生の空回り奮闘記  作者: 61
3章:魔法の道具 ~お店をするために~
25/93

金貨

--金貨--


あらすじ:羞恥プレイだった。

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猫耳カチューシャがバカ売れした。


毛皮をうまく縫い合わせて猫耳の形にして布で頭に巻けられる様にした。これなら私の内職でもなんとか作れる。コレットさんは裁縫が上手だったので教えて貰いながらチクチク縫った。


コレットさんの教え方は相変わらず独特だ。ミル君の解説が有ってやっとわかる。


『猫の帽子屋』の店番をしながら2個、3個作ってはダンジョン前の広場に売りに行く。


「ホットドッグいかがですか~、『猫の帽子屋』のホットドッグで~す。」


「猫耳、1つ。」


猫耳を宣伝していないのに知らないおじさんが猫耳を買って行く。ホットドックも買って行けよ!


次にお客さんの要望で作られた猫耳ナイトキャップでリピーターができた。


元の世界もこういうの好きだったよね…。アイディアに困らないから良いけど。星と月のアップリケを付けてみた。星は理解されなかった。


「なんでお星さまがギザギザなの?」


5つのトゲが突き出たような私にはお馴染みの星の形。ミル君の言葉に返事が出来なかった。こちらでは丸から6本の線が出ているような記号らしい。世界が違うと記号も変わるんだね。


最初にナイトキャップの要望をくれたのは独身の若い冒険者だった。お付き合いしているような人も居ない様なのに。ナニに使うのか?ワタシにはワカラナイ。


「オレがかぶるんじゃない。人形だ。人形のジーナちゃんにかぶってもらうんだ。」


猫耳ヘアバンドとか猫耳商品が増えた。猫尻尾も売れた。


猫尻尾はワゴンを引くときには重宝するんだけど。普段の飾りにするにはぶらぶらするだけであまり可愛いとは思えない。


「ふとした瞬間にぴょこんと跳ねると、心が弾むんだ。いや、お尻ばかり見ているわけじゃないんだぞ。ホントだ。」


内職でせっせと猫耳を作っても間に合わない。パン屋3姉妹に手伝ってもらったり、木工屋のサイモンさんの伝手で革の工房や布の工房にも手伝ってもらった。


こんな知識チートは想定していなかった。しかし私も女子高生だったんだ。身に着ける機会は無くても可愛い小物のお店くらい見て回っているのだ。アイディアには事欠かない。来たよ、私の時代!



今までお店まで来なかったような冒険者の人も来てくれるようになった。仲間に黙ってコッソリ来てバッタリのパターンもちらほらあった。そして、2人そろってポーションを買って行く。


「何しに来てんだよ。」


「オメーこそ猫耳なんて興味ないって言ってたじゃないか。」


「ちげーし。猫耳なんて興味ねーし。俺はポーション買いに来たんだってばよ。」


「お、俺こそポーション買いに来たんだよ。最近体が鈍ってショーがねーんだよ。」


後日、ちゃんと猫耳&猫尻尾を買って行った。まいどあり。



ワゴン販売を遠目から見ていた人たちには『猫の帽子屋』がホットドッグ屋だと思っていた人も多かった。


ワゴンに近寄ってもらって初めてポーションや薬草も売っている事に気づいてもらえた。


「なんだ、ポーションも売ってるのか。」


「本職は武器屋なんですよ。お店にはちゃんと剣や槍も売ってますよ。」


武器屋としての知名度が上がった。



「すみません。ホットドックはお店では売っていないんです。『さすらわない雲亭』に置いてあるのでそちらに行ってください。」


ワゴンで売っている物だからと、お店にまでホットドックを買いに来る人が増えた。ワゴンだと完売している事も多いからね。中2病なケント君(14)がトボトボと帰っていく。


来店する女の人も増えたのでカワイイ系アクセサリー小物なんかも増やしてみた。ファンシーショップと間違われないか不安になる。お店の一角がすでにそれになっている。


武器屋に可愛い小物が売っているとは思わないのか、お店に入ってこない人がいるな。入り口から見えるのは槍とか剣だから当たり前か。お店の入り口に猫耳を付けた人形でも飾っておこう。


文字が読めない人も多いので、可愛い木彫りのクマの人形をサイモンさんに作ってもらって、猫耳を付ければこの店に猫耳が売っていることが解るだろう。もちろん鮭を咥えている方じゃなくて某国の元大統領の名前が付いた方に似せるよ。


サイモンさんが張り切ってくれた。


ファンシーショップ化が加速する。武器屋としての認知度が心配になってくる。


今度は可愛い武器でも置いておくか…。可愛い武器ってなんだ!?


どんどん進むファンシーショップ化に、サイモンさんが喜んだ。


あの筋肉オヤジ。


今ではコレットさんも猫耳だ。彼女の薄紅色の髪に白い猫耳は反則だと思う。


ミル君にも付けてもらいたい猫耳。ミル君とおそろいで黒耳猫尻尾。

是非。是非。



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猫耳のおかげで資金は貯まった。目標金額の金貨10枚。


ミル君に猫耳を付ける作戦は失敗したけれど。絶対かわいいと思うのに!



季節は秋に差し掛かろうとしている。時間がない。

冬の半農冒険者達が来る前にしておきたい事がある。もちろん魔道具の開発。


近隣の農村の人たちは、雪が降る冬の間の仕事としてダンジョンに潜りに来る。冬に人が集まるこの街では1番の商機になる。宣伝効率も桁違いになるだろう。この冬に魔道具を宣伝できれば行商人も買って行ってくれるだろう。


少しずつ貯めた金貨10枚。『苔むした巌工房』のシュラン爺さんとの約束の金額。



やっと魔道具工房で魔道具の作り方を教わることができる。



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次回:魔道具屋に『弟子入り』



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