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設定資料集(ネタバレを含みます!)

☆設定資料


★世界観

 現代日本の一地方都市であるハッピーマウンテン市。モデル都市は、広島県福山市。神辺町のあたり。

 地域差はあれど、百分の一から一万分の一程度の確率で、概念力(ノーション)を有する使用者(エッセ)が生まれてくる。彼らは、原子を揺るがせて火を起こす、万物から水分を吸い取って枯渇させる、大気圧を操作して風力を生じさせる、動植物の成長を促すなど、多様な能力がみられる。

 一般社会では、消極的に伏せられた存在である。すなわち、皆その存在は知っているが、触れようとしない。行政機関に担当部署はあるものの、「寝た子を起こすな」といった扱いになることが多い。


概念力(ノーション)の原理について

 原理としては、この世界の上位次元である形相的本質エッセンティアへと意識を繋ぐことにより事物の性質情報を書き換えるとともに、その内容をイメージすることによって現実を変化させる。


質料ヒュレー → 上位次元への接続:表象イマジナティオ → 性質情報の操作:想念オブエクティジェ → 特異能力の現出:変状アフェクティオ → 終止アミティ


 これらについての総合力を、概念力(ノーション)という。

 満足に使いこなすには、十分な精神エネルギー、形相的本質エッセンティアへと接続できる才能、思考処理力、抽象的・具体的なイメージ力が必要である。

 かつて、一般人(エンス)使用者(エッセ)の間には迫害と復讐の歴史があったが、今では比較的平和な状態を保っている。

 一般人(エンス)側の歩み寄りとして、基本的人権の適用がある。市町村長が認めた場合、必要に応じて日本国憲法に明記されている日本国民としての権利の一部または全部を与えることができる。ハッピーマウンテン市では、日本国憲法に明文の規定がある国民の権利(自由権、参政権、社会権、受益権、平等権、包括的基本権(新しい人権))のうち、前3つが適用されている。ほぼすべて市町村は、ひとつも適用していない。なにか事件があった場合に、関係者が政治的責任を問われるためである。

 使用者(エッセ)側の歩み寄りとして、概念力(ノーション)を用いようとする際に、視覚や聴覚において判別可能な目印を表示させる魔法具(マギアツール)の装着の義務付けがある。が、いまだに学校や集会施設などで隔離的な扱いを受けるなど、両者の融和が進んでいない現状がある。

 なお、概念力(ノーション)というのは、通常人では扱えない能力全般を指す。作中で渉たちが使っている魔法は、概念力(ノーション)の一類型である。魔法以外にも、超能力や召喚術などがある。魔法には、使用者(エッセ)の感性を重んじる魔術(ウィザードリー)と、理性を重んじる魔導(ドライヴ)のふたつがある。ほかには、自他の精神に影響を与える精神魔法(スピリチア)など。

 例えるなら、通常人には認識できないレベルの上位次元に、この世界そのものの在り方を規定するプログラムコードが走っている。使用者(エッセ)は、それらの情報を書き換えることで概念力(ノーション)を発動させている。

 表計算ソフトのエクセルでいえば、大体の社会人は、リボンや右クリックのメニューにある操作ボタンを押して表計算を進めるが、上級者はVBAというエクセル用の言語をVBEに打ち込むことで、自分のルールで表計算を進めることができる。


魔術(ウィザードリー)の属性

 ・緑ノ術(木、風)

 ・朱ノ術(炎、光)

 ・白ノ術(土、星)

 ・黒ノ術(水、闇)

 ・金ノ術(精神系)


青龍  東 春緑(青)木 少陽     句芒こうぼう

朱雀  南 夏赤(朱)火 太陽(老陽) 朱明しゅめい

白虎  西 秋白金 風         蓐収じょくしゅう

玄武  北 冬黒(玄)水 太陰(老陰) 玄冥げんめい

黄龍(麒麟) 中央 土用黄土 なし   后土こうど


魔導(ドライヴ)の系統

  -電磁系統(電磁気力。エレクトリカ)

   ・電離

   ・変圧

   ・磁気

  -変異系統(弱い力。グローリア)

   ・合成

   ・変異

   ・分解

  -核熱系統(強い力。ニュークリウム)

   ・炎熱

   ・常態

   ・氷結

  -重力系統(重力。グラビタス)

   ・天象

   ・念動

   ・時空


 精神魔法(スピリチア)

  -知性系統(インテリジェント)

   ・創意

   ・統御

   ・変革

  -感覚系統(センサム)

   ・覚醒  

   ・幻夢

   ・変調


使用者(エッセ)とは

 概念力(ノーション)、正式名称特殊概念能力を扱うことができる者をいう。使用者(エッセ)は、日本国憲法第11条にある基本的人権を享有していない。そのため、市町村の政策によっては、学校に通うことができないこともあり、義務教育で学習するであろう知識や経験に乏しい者が相当数いる(文字の読み書きができないなど)。基本的人権がない理由は端的であり、「人間ではないから」である。渉たちの人間強度が普通の人間をはるかに超えているのはそのため。

 一定年齢に達した使用者(エッセ)の進路としては、①地元に残り、異形(ホリビリス)※後述を刈り続ける。②民間企業等への就職(ほとんどが警備関係の仕事)。専門職としての公務員になる者もいるが、狭き門である。③一般人と同化する。あまり例はない。④自営業。このパターンが半数程度である。


国府の森(こうふのもり)(※誤字ではない)について

 平安時代から続く特殊概念能力の使用者集団。ここ以外にも、全国各所に似たような地域がある。そうした地域は、聚落(じゅらく)と呼ばれる。歴史がある地域に多い。

 備後国府町(びんごこくふちょう)の北西部にある山村、国府(こうふ)町には、約千人が住んでいる。住人は、幼い頃からひたすらに魔法の訓練に励むことが求められる。その訓練のなかには、当人の死生観に影響を与えるものもある。

 聚落(じゅらく)に共通する特徴として、異界の魔獣である異形(ホリビリス)の出現が挙げられる(※第1部には登場しない)。町の各所が異世界と繋がっているため、彼らと命のやり取りをせねばならないこともある。文字どおり昆虫や菌類、動植物などが異形化した存在であり、使用者(エッセ)でなければ打ち倒すことは難しい。異世界人が転移してくることもある。


★被差別集落について

 これはもちろん、リアル世界における被差別部落問題を元にしています。この話題を扱っているホームページは余りに多いですが、概要を述べると、


「中世末期ないし近世初期の封建社会において,身分的・社会的に厳しく差別された人々が限定された地域に定住することにより形成された集落。未解放部落や部落ともいわれるが,行政的には同和地区と呼ばれる。江戸幕府は身分制度の確立に際し,士農工商の下に「賤民」という身分を設け,されにこれを「穢多」「非人」に分けて固定した。賤民とされた人々は,社会・経済活動や他の身分の人々との交流,居住地域などを制限された。」(ブリタニカ国際百科事典から引用)


 近現代においてはタブーとされてきた話題ですが、『きみの顔に生まれ変わりたい』で取り上げる理由としては、


 1.作者であるサウザンド★みかんの原体験に関わる内容であり、この小説の着想の元であること

 2.2018年現在において、被差別部落問題のほとんどは解決しています。すなわち、①同和行政の長年の実施により経済的格差が縮小しただけでなく、②今の若者のうち、ある他人が部落出身かどうかを気にする人間は皆無と言ってよいこと


 が挙げられます。

 ただし、昔からの経済的格差が残ったままの地域が今でもあります(被差別部落ではあるが、あえて同和地区になるための申請をしなかった地域など。詳しくは述べません)。よって、被差別部落という言葉は、そうした地域に住んでいる方に配慮し、被差別集落に改めました。同和地区は、正式な行政用語ですので、このまま使用しています。

 この小説においては、使用者(エッセ)が住んでいる聚落(じゅらく)は、すべて被差別集落です。ただし、渉や由香里が住んでいるところは、聚落(じゅらく)ではない被差別集落です。かといって、同和地区でもありません。そのために、根無し草の彼らは、貧しい生活を送らざるを得ない状況が続いています。






☆教育委員会組織(事務所の通称:教育の塔)

 1階(社会教育部)

   ・社会教育課

   ・体育振興課

 2階(学校教育部)

   ・教育総務課

   ・教育指導課

   ・学事課

   ・適応指導教室

 3階(教育文化部)

   ・文化財課

   ・文化芸術課

   ・図書館課

 4階・教育長室

   ・会議室、応接室、倉庫

 5階・資料室・教育委員会議事室


なお、作中にちらほら出てくる教育委員会という組織について付言しておくと、

・謎の組織のように見られているが、実際は行政機関の一部署に過ぎない。大半は、市役所の職員である。例えば、作中の三良坂集は、総務課の職員なので、教育活動には参加していない。

・市町村の教育行政についての方針を決めるのが教育委員会議で、世間が批判するのはだいたいこの人たちに起因する不祥事である。委員には、学校教育の経験者が選ばれることが多い。

・作中には、教育委員会から出された文書が時々出てきます。これは、作者の家に届いた行政機関からの公文書を参考にして作っています。よって、本職の公務員からすると、「これはおかしい」といった意見が出てくると思われますが、そこはご容赦ください。






☆キャラクター設定


★キャラクター類型

・ハリウッド分類

 -英雄

 -普通の人

 -負け犬

 -罪深き者

・独自分類

 -テンション高・アクション高

  ・オプチミスト

  ・革命家

  ・情熱まじめ

 -テンション低・アクション低

  ・独りよがり

  ・隠遁者

  ・素直クール

 -テンション高・アクション低

  ・保母さん

  ・自意識過剰

  ・芸術家

 -テンション低・アクション高

  ・情熱クール

  ・権力志向

  ・無頼漢


★5つの問いに答える(主人公設定。ほかのキャラクターはこれに準ずる。)

 1.この物語の主役は誰か(タイプ、特徴、価値観、欠点ほか)

 2.何を求めているのか(欲求と目標)

 3.なぜ求めているのか(動機と必要性)

 4.失敗したらどうなるか(代償の大きさ)

 5.どのように変わるのか(内面的変化の軌跡)


・道ノ上 渉 (みちのうえ・わたる)

 国府第一中学校3-3に在籍。使用者(エッセ)である。同じクラスには、ほかに数人いる。盆暗風の性格ではあるが、生真面目なところもある。世の中に対してほの暗いイメージをもっている。聚落(じゅらく)の出身である。彼が幼い頃、両親が水平委員会を脱会したため、地区改良が進んでいない備後国府町の僻地、被差別集落と呼ばれる地域に引っ越すことになった。貧しい生活を送っている。

 相手の感覚を狂わせる精神魔法(スピリチア)を得意とする・・・しかしながら、実際には、幻想変換(デモンズトレード)という、任意の現象を発生させる能力(ただし、後で代償を支払う必要がある)を使うことができる。

 誰かが心の中で呟いているような錯覚を覚えることがある。自らの出身を気にかけており、差別的な視線に晒されない世界を求めている。それは、世界を変えたいという崇高な想いからきているのではなく、あくまで彼個人の世界で望みは完結している。

 悩みもなく、マイペースに生きているように見える。が、本心では、自分が死ぬべき機会を探している。

 Age 15(年度末年齢。以下に同じ。)

 Physical 165センチ、57キロ

 Character 情熱クール


・汐町 由香里 (しおまち・ゆかり)

 同上。渉とは幼馴染である。基本的にも応用的にも優しい性格。快活で太陽のように明るいが、計算高い面もある。使用者(エッセ)のひとりであり、変異系統(グローリア)を得意とする。科学現象のイメージ力、特に風を操作する力が強い。

 渉がクラスに馴染めないことを不安に思っているが、その心中を思うと、咎めることができずにいる。美人設定あり。怒ると周囲の何かを蹴り飛ばす癖がある。

 このままずっと、渉と一緒に歩んでいきたいと願っている。渉に対して抱いている気持ちに気がつかない振りをしているが、ある時から、自分の想いに正直になる。差別意識を持たれていることを誰よりも気にしている。

 一般人(エンス)との友好関係や、平和に過ごせる日常を願いながら生きているように見える。が、本心では、自分の命を誰かに差し出すべき機会を探している。

 Age 15

 Physical 152センチ、49キロ

 Character 保母さん


・横尾 砂羽 (よこお・さわ) ※サブキャラクターに近い

 同上。重力系統(グラビタス)を得意とする。3-3クラスの使用者(エッセ)の中では最強である。概念力(ノーション)に目覚めたのが3才の時。早く目覚めれば目覚めるほどに強力な力を持ち、目覚めが遅ければ遅いほどに珍しい力を得るが、彼女の場合、どちらの要素も有している。

 能力は、自分自身を重力から解放し、太陽と同じ方向に超高速移動をする『取り残し(イグノーラ)』。次いで、『訓練された無能力リバースファンクション)』は、自分以外の半径2m以内の概念力(ノーション)を大小関係なく打ち消してしまう。

 Age 15

 Physical 145センチ、44キロ

 Character 隠遁者


・神部 篤 (かんべ・あつし) ※サブキャラクターに近い

 同上。一般人(エンス)からのいじめを受けており、金銭を要求されているところを渉に助けられた。プライドが高く、危険に陥っている時ですら強がりの嘘をついてしまう。使用者(エッセ)としては平均的な強さの概念力(ノーション)を各種満遍なく有している。器用貧乏。

 使用者(エッセ)であることに嫌悪感をもっている。こんな力があっても、この世界では不利に働くことにしかならないと悟っているからである。

 成績優秀であり、内申点も申し分ないが、使用者(エッセ)であることから、進学できる高等学校は限られている状況である。

 Age 15

 Physical 172センチ、63キロ

 Character 情熱まじめ


・万名倉 古都 (まなくら・こと) ※第1部では紹介されない

 同上。この学校にいる使用者(エッセ)のひとりである。能力系統は、変異系統(グローリア)。文字通り、対象物の性質をまるで変えてしまう。

 自堕落かつ退廃的かつ享楽的である。学校に行かず、遊び歩いてばかりいる。お金は、○○○○などで稼いでいた。が、最近では、三良坂から悪党退治の見返りとして、大人の小遣い程度の報酬を得られるようになった。

 めんどうくさがりだが、いったん炎が灯ったら消えないタイプ。

 Age 15

 Physical 166センチ、55キロ

 Character 無頼漢


・鵜飼 尚吾 (うかい・しょうご)

 渉のクラスメイト。大雑把な性格で、ケンカが強い。渉と同じく、山野辺にあった聚落(じゅらく)の出身である。が、彼自身は使用者(エッセ)ではない。

 小学生の時分、過ぎたイタズラをしていたところを渉に咎められ、反抗したものの、ボコボコにされてしまう。それ以来、渉に付きまとうようになった。渉自身は、彼に嫌悪感をもっているわけではない。むしろ友達の1人という認識である。

 悪い意味で、社会的な常識に囚われないところがある。ほぼ毎日、登校中にすれちがっていた高校生である塩飽縁と近づきたいために直球で交際を申し込んだり(※第1部では未描写)、父親の縁故で建設会社に内定を得た後、無免許で軽トラックの運転に挑戦したりと、基本的にやりたい放題である。

 Age 15

 Physical 173センチ、70キロ

 Character オプチミスト


・三良坂 集 (みらさか・しゅう)

 ハッピーマウンテン市教育委員会の教育総務課に勤務する地方公務員。6年目。魔導技術職としての任用である。19才になる年からキャリアをスタートさせている。

 18歳の時、S(Selection)ウイルスに感染する。それまでは中の上ほどの魔法の腕前だったが、以降は人が変わったように有能となる。ウイルスの影響により、哲学的ゾンビになりかけている。

 現在は、Sウイルスの命令に従い、珍しい能力を持った使用者(エッセ)を殺害し、その力を奪い取る日々を過ごす。罪悪感はあるが、自殺もできないし、やりたくないので、誰かが殺してくれるのを待っている。そうなるまでは、永遠にこのままである。

 主な担当業務は、契約に関すること、学校施設管理に関すること、魔法関係事案に関すること

 Age 24

 Physical 174センチ、62キロ

 Character 情熱クール


・喬木 直利 (たかぎ・なおとし)

 ハッピーマウンテン市議会議員。7期目。芦田川の支流に沿った地域の被差別集落に生まれる。幼い頃に差別に苦しんだことが原因で、社会そのものに対して恨みをもつ。生まれつき概念力(ノーション)を持っていたわけではない。大切の人の死と引き換えに託されたものである。

 現在は、国府の森(こうふのもり)の利益代表者として市政に参加している。特殊概念能力の使用者、通称、使用者(エッセ)の権利と生存を守ることが至上目的である。

 有する概念力(ノーション)は、喪失付与(スティゾフィニア)。任意の対象に対し、負のベクトルを加える。物理現象にも精神現象にも有効である。この能力を使って、ありとあらゆる政敵を葬ってきた。

 Age 65

 Physical 185センチ、75キロ

 Character 権力志向


・サブキャラクター


・道ノ上 悟 (みちのうえ・さとる)

 渉の父。遠方にある製鉄所で期間工として働いている。ひと月に1回程度、備後国府町に帰ってくる。

 渉や栞に隠れて、使用者(エッセ)だけの独立国家の誕生を目指す政治団体で活動している。第7話で文化会館を襲ったのは、組織の敵対者である喬木を殺害するため。しかしながら、その情報自体が罠であり、実際には喬木の侍衛(プレシディオ)や、国府の森(こうふのもり)の実力者である高森千尋が待ち構えていた。

 その現場では、渉と由香里と戦うことになる。殺さないように手加減をして戦っていたが、あまりに油断が過ぎ、息子である渉に締め落とされる。文化会館が浮上する際、すんでのところで脱出に成功する。

 Age 44

 Physical 194センチ、97キロ

 Character 独りよがり


・道ノ上 栞 (みちのうえ・しおり)

 渉の姉。第6話にあるとおり、家族3人で暮らしている。父子家庭であり、彼女が母親代わりである。

 近所にある商店でパートとして勤めている。渉よりも体躯が大きい。最終学歴が中学校卒業であり、職探しに苦労したことを気にしており、せめて渉には高校まで出てほしいと考えている。

 渉と同じく、幻想変換(デモンズ・トレード)の使い手である。その実力は、渉をはるかに凌ぐ。十数年前、国府の森(こうふのもり)使用者(エッセ)によって母親を殺されたことに激情し、ほぼ1人で攻撃を仕掛けたことがある。最終関門を突破し、部外者にして居住区に足を踏み入れることとなった。その際、国府の森(こうふのもり)の住人達から袋叩きに遭い、あわや殺されるかというところを悟に助けられた。

 Age 30

 Physical 168センチ、64キロ 

 Character 情熱クール


・吉舎 洋菓 (きさ・しょこら) ※第1部では紹介されない

 三良坂の後輩。今年からハッピーマウンテン市に採用され、教育委員会に出向している。

 三良坂から行政職員としての基本を教わっていく。仕事と家庭を両立させるのが目的で民間企業から転職してきた。家族の介護問題を抱えている。

 いわゆる、DQNネームである。本人もそのことを気にしていて、採用試験を受けてもよいか迷ったほどである。『やりがいのある仕事がしたい』が転職目的ではないことを後ろめたく思っている。

 主な担当業務は、課内の庶務に関すること、後援申請・許可に関すること、統計に関すること

 Age 22

 Physical 157センチ、53キロ

 Character 保母さん


・梶田 芽衣子 (かじた・めいこ) ※第1部では紹介されない

 三良坂の同僚。行政職員10年目。教育総務課は3年目。他人にも自分にも厳しいタイプ。細かなミスも見逃さない。仕事できる系女子。人には言えない趣味をもっている。テンションの変化が激しい。

 主な担当業務は、学校施設使用受付、財務会計、広報に関すること

 Age 32

 Physical 153センチ、47キロ

 Character 情熱まじめ


・矢野 則博 (やの・のりひろ) ※第1部では紹介されない

 教育総務課次長。地元の高校を卒業後、ハッピーマウンテン市(合併前の備後国府町)に採用された。行政職員としては古株である。ろくに働かないことに定評がある。遅刻は当たり前、時にはサイレント有給休暇を行使する。が、いったん自分が決めたことは、必ず遂行する。

 主な担当業務は、教育委員会会議に関すること、請願陳情に関すること、儀礼式典に関すること

 Age 55

 Physical 168センチ、71キロ

 Character 隠遁者


・三川 裕丈 (みかわ・ひろたけ)

 教育総務課長。将来の局長職を期待されるエリート行政職員。仕事一筋で、仕事以外にのめり込めるものをもっていない。仕事に対する熱が高すぎて若手職員から失笑を買うこともあるが、プレイヤーとしてもマネージャーとしても一級の腕前である。

 本編では、三良坂の上司として登場。最終話、教育委員会議事堂での広島県水平委員会との会議をセッティングした。

 Age 52

 Physical 178センチ、65キロ  

 Character 権力志向


・高森 千尋 (たかもり・ちひろ)

 国府の森(こうふのもり)の魔術師。職階は、三等魔術管理監(9つある階級の上から3番目。監は誤字ではない)。喬木に命を助けられた過去がある。それ以来、心酔している。使用する魔術(ウィザードリー)は、緑ノ術。重力を操ることができ、実力は作中でも高い方である。

 召喚術も使用する。自らの質料(ヒュレー)を食わせる物理召喚が基本ではあるが、自らの命を被召喚者と一体化させる契約召喚も扱う。ただし、こちらは質料(ヒュレー)の消耗が激しいため、滅多に使われることはない。


・梔子 ほのか (くちなし・ほのか)

 国府の森(こうふのもり)で育った。四天王のひとり。森の東側、ハッピーマウンテン市との山境界を守っている。国府の森(こうふのもり)における最強級の使用者(エッセ)である。

 退屈な日々に嫌気が差し、ある日、市街地に出てみることに。そこで渉たちが運営スタッフをしていた文化会館まつりに興味を示す。文字の読み書きができ、風船釣りコーナーで難儀していたところ、渉に助け船を出してもらった。その恩返しにと、文化会館内で暴れていた者達を会館ともども吹っ飛ばしてしまうが、当然、国府町の議会で問題となり、制裁を受けることとなった。

 「国府の森(こうふのもり)に入りたい」という、渉が述べた自分を誤魔化すための嘘を本気だと思ってしまった。渉への想いがそうさせたのかもしれない。遠くから彼の戦いを見届け、実力を見極めた末、国府町長に渉の町職員としての採用を呼びかけた。


・枸橘 朔太朗 (からだち・さくたろう)

 国府の森(こうふのもり)で育った。四天王のひとり。森の北側、居住区の眼前を守っている。異能者の発現率を増すために近親婚を繰り返す家系である。父とふたり暮らし。

 抑揚のある性格である。人望はあるが、繊細すぎて傷ついてしまうことがある。死霊術(ネクロキャスト)という概念力(ノーション)を用いる。死んだ細胞まで含めて、ほぼ生前の姿(保てていれば)を復元可能である。ただし、人格の復元はできない。

 道ノ上栞が国府の森(こうふのもり)に攻めて来た際、最終関門である長橋の前で、彼の母親である枸橘彩夏と交戦した。すんでのところで栞が勝利するも、その時に負った傷により、彩夏は命を失った。物心がつく前に垣間見た情景であるにもかかわらず、はっきりと記憶に刻まれている。


・塩飽 縁 (しわく・ゆかり)

 上に同じ。見た目は淑やかで美しいが、表裏が激しい性格である。おっちょこちょいなところがある。

 市内有数の名門校である国府高校に通っている。朔太郎と同じクラスである。学業成績は上の中。朔太朗は下の中。

 渉と鵜飼が、通学路ですれ違っていた女子である。鵜飼に目をつけられ、物語の中では見えないところで交流を重ねた結果、両思い(?)になった。縁にしても鵜飼にしても、性に関する知識や経験が疎すぎた結果、異常ともいえる交際方法に発展している。


・赤木先生

 国府第三中学校の社会科教師。

 被差別集落の出身。人権教育に熱心である。授業中に熱が入ってしまうとマルクス主義の解説を始めてしまうクセがある。学生時代からレーニンへの熱狂的憧れをもっている。


・池上先生

 国府第三中学校の理科教師。

 人権教育への取組み意欲が高く、地域集会所での校外学習活動にも顔を出している。広島県労働者教職員組合ハッピーマウンテン支部執行委員。科学と人権を絡めた授業に定評がある。ネタを絞り出すことが難しいため、指導案を作るのにいつも苦労している。


・沖浦先生

 国府第三中学校の技術科教師。

 人権教育には熱心な方ではない。しかしながら、今年度は、持ち回りで組合の書記長という大役を担っていることから、人権教育の実績なしというわけにもいかず、心労が絶えない。技術の授業中に、人権教育の素晴らしい題材を用意してくれた由香里に感謝している。


・小山先生

 国府第三中学校の国語教師。もうすぐ定年。

 なんとなく中学教師になり、なんとなく労働組合に入り、なんとなく勤め上げてきた。人権教育には熱心ではないが、かといって何もしないわけにはいかず、授業中に水平委員会が発行した道徳教育の副読本を片手に、人権啓発のための授業を行う。本来の国語教科書の内容がなかなか進まないのが悩みのタネ。


・景山

 喬木の侍衛(プレシディオ)のひとり。ほかにも十数人いるが、文化会館の事件で大半が死亡した。渉と同じ山野辺の聚落出身である。渉が幼い頃に近所に住んでいて、顔馴染みである。文化会館事件の際、館の浮上から逃げ切れずに死亡。


・川上

 喬木の侍衛(プレシディオ)のひとり。由香里に一本取られ、逆上して本気で潰しにかかるも、砂羽の不意打ちによる重力攻撃に沈んだ。喬木に敗北の原因を問われた際、景山が自らの非を認めたのと対照に、自分の非を認めることができなかったため、喬木に首の骨を叩き折られて死亡する。

第一部終わり。いったんの完結とします。

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