〜LGBTな自分との向き合い方〜
長かった私の黒髪にささげる
男になった自分と話しをする夢を見る。
正確に言うと、男になった自分ではなく見た目が男の自分と、見た目が女の自分が話しをする夢だ。始めはその男が自分であるというハッキリとした認識は無かった。相手もそのようだった。最近になってあ、これは自分なのだと認識するにいったったのだ。そこに至るまでが、何とも奇妙な体験だった。
ある日、疎遠になっていた知人男性から「お前が夢に出てきた。」と、唐突な連絡をもらう事から始まる。5年ぶりの連絡がそれだから、いったい何事かと慌てたがただ単に不思議体験を話したかっただけらい。5年ぶりに会って食事をしつつ話しを聞いていると、だんだんとこちらが奇妙な気分になってくるのだ。気になって、いつも夢出てくる男の背格好や癖、雰囲気の話しをすると、ドンピシャその男だと知人が言う。知人は身長と男だと言う事しか伝えていなかったのになぜ知っているのかしきりに不思議がっていたが、そんな事は私にとってどうでも良く、それよりも自分のなかで生まれたある種の衝動、ショック状態とでも言うのだろうかの処理でいっぱいいっぱいになっていたのだ。
それ以降、しばらくの間寝たくない時期が続いた。寝たときにもしあの男と会ったなら、私は以前のように話せるのだろうか?そもそも、自分はまた会いたいのか、話したいのか、話せるのか……色々な事を考えた。更に言うなら、あの男が自分であると認める事に恐怖すら感じていた。認めてしまうと、自分のなかで気づかないふりを続けていたものと正面きってぶつからないといけないくなる気がしてならなかったのだ。