現実1
現実の話
少なめです。
次の日
早朝の稽古を終わらせてから汗を流して、朝食を取ってから部屋に戻る。
一昨日から夏休みで学校はなく、両親は仕事が忙しいため家にいることはあまりない。
普段、稽古をつけてくれる祖父は全国の道場を回りにいって、祖母はそれに付き添っている。
掃除などの家事を終わらせると、やる事もなくなったのでEWOにログインしようかと思ったとき、電話がかかってきた。
どうやら幼馴染の様だ。
「もしもし達也、何か用か?」
「おう、夜行。別に特別な用はないが、ゲームをしてみた感想でも聞こうと思ってな」
「まだ一日目だろ、でも俺なりに楽しんでる」
「そうか、それなら良かった。こっちは誘った手前、少し気になってたんだ」
「そんなことを気にしていたのか、お前の事だからしばらくはゲームに夢中で話すこともないと思っていたけどな」
「俺だって自分が誘った相手のことくらい気にするさ。それに俺のリクエスト通りにしてくれたか、気になってたしな」
「そっちが本音だろ、リクエストは叶えたさ。ちなみにプレイヤーネームはヨルだ」
「おお、ゲームの中で会えるのを楽しみにしてるぜ。俺のほうのプレイヤーネームはリュウだ」
「お互いに安易な名前だな」
「気にするな、それより種族やプレイスタイルはどうした?」
「俺は妖鬼で、生産職をやっている」
「妖鬼?聞いたことないな、ユニークか?それより夜行が生産職か、はっきり言って意外だな。俺は今頃、嬉々としてモンスターを倒してるかと思ってたぜ」
「PVを見て生産に興味がわいてな。それに生産職になっても、最低限の戦闘スキルは取ってるから戦える。それに妖鬼はユニーク種族でステータスがかなり高いし、まだ使ってはいないが妖鬼専用のスキルもある」
「生産については分かったが、妖鬼か。詳しく聞いてもいいか」
「ああ、話すのはいいが、お前の種族は?」
「俺か?俺はドラゴニュートで戦士やってる。それより早く聞かせてくれ」
「話すから焦るな」
それからは妖鬼について話したり、お互いの初日について話し合った。
俺が防具なし、棒一本でレッドベアーを倒したり、話をした女性プレイヤーの話をしたら、ため息をつかれて、やっぱり夜行は夜行かと言われた。
何となく納得いかない。
しばらく話していたら、達也がこんなことを言ってきた。
「そういえば、明日香も友達とEWOをやってるらしいから、ゲームの中であったらよろしく頼むな」
「明日香ちゃんもやっているのか、しばらく会ってないから会うのが楽しみだな」
明日香ちゃんとは達也の妹だ。
昔はよく、達也と一緒に俺と遊んでいたが、中学から大学までエレベーター式のお嬢様学校に入った。
そこは全寮制らしく長期休みにしか帰ってこれないらしい。
なのでしばらく会うこともなかった。
「おっ、明日香に会うのが楽しみなのか?」
「当たり前だろ。しばらく会ってなかったし、きっと大きくなってるだろうな」
「まあ、確かに大きくなっているが、俺の期待した答えとちょっと違うな」
明日香も前途多難だと言って、またため息をつかれた。
それを聞いて、明日香ちゃんは優秀だから大丈夫だろというと、またため息をつかれた。
やっぱり納得いかない。
それからもしばらく話をしたが、俺も達也もEWOにログインすることにした。
さあ、またあの世界を楽しもう。
また伏線を張る、回収はするかな?
達也は溜め息をつく係
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