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Eternity World Online  作者: 桐生紅牙
町と始まり
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森の中

 町から出る前に武器や生産の道具を持っていないことに気付いたので、武器屋と道具屋に行ってみた。

 とりあえず武器屋で棒を買って、道具屋では鍛冶以外の生産に必要な初期セットを買った。

 道具屋の店員に聞いたが、鍛冶には炉などが必要で、拠点を借りるか共有生産施設で行えるらしい。

 防具は資金が足りなくなりそうなので、今は後回しにする。

 一通りそろえたら初期資金がなくなったので、あとはモンスターを狩って稼ぐか、生産をして作ったものを売らなければならない。

 モンスターを倒すと素材とお金が手に入り、素材は店で買うこともできたが、金もなく普通より高い気がしたので、フィールドで採取しないといけない。

 武器も買ったので、改めてフィールドに向かうことにした。


 東門からフィールドに出る。

 現在フィールドは、南門の平原、東門の森、西門の湖、北門の山脈があり、順番に難易度が上がるので、素材も多く平原より人も少なそうな森に行くことにした。

 素材を手に入れる事が一番の目的だが、店で道具を揃えたり、歩いているだけで何故か周りから視線を感じるのだ。

 そんなに俺の容姿は目立つのだろうか?そんなことを考えていると森についた。

 森だけあり緑が豊かで、少し見回すと様々な種類の植物や樹木がある。

 近くにあった草を採取してみる。

 

 薬草・Hpを少量回復する効果がある。効果はあまり高くない。


 さっそく調合に必要そうな素材が手に入ったので、薬草を中心に他の物も採取してみることにした。

 

 毒草・毒を含む草。摂取すると状態異常<毒>になる。


 アプの実・酸味と甘みのある果実。


 麻痺草・麻痺毒を含む草。摂取すると状態異常<麻痺>になる。


 採取を続けていると【気配察知】が発動したのか、何かの気配を感じる。

 息をひそめて木の陰に隠れていると、それは現れる。

 

「ギャッギャッ」


 緑色の肌に子供ほどの背丈の生き物、ゴブリンだ。

 一匹しかいないようなので戦闘の練習台にすることにした。

 ゴブリンが裏を向いた瞬間に木の陰から飛び出し、首に突きを一撃を入れる。

 それだけでゴブリンのHpが吹き飛んだ。

 今、俺が使っているのはただの棒なので攻撃力はほとんどない。

 妖鬼のステータスがいくら高いと言っても、ただの棒の一撃では仕留められないだろう。

 おそらく首の骨を折るなど、致命傷を与えてもモンスターは倒せるのだろう。

 そしてこれはプレイヤーにも言える事だと思われる、気を付けなければならない。 

 ストレージを確認してみると、ゴブリンのドロップアイテムである[小さな牙]があり、金も増えていた。

 ドロップアイテムは使えそうにないが、金が増えたのは良かった。

 スキルを確認してみると、【棒Lv2】になっていた。

 スキルは使うことでレベルが上がるので、生産スキルを上げるためにも素材集めを続けよう。

 ステータスを確認した後、しばらく採取をしたりゴブリンを倒していると、今まで感じたことのない気配を感じる。

 感じられる気配から、確実にゴブリンよりも強いとわかる。

 初めの戦闘の後にゴブリンが大した敵ではないと分かったので、隠れることもせずに正面から倒してきたが、段違いの気配が感じられるので様子見のために木の陰にまた隠れる。

 すると二メートルを超える赤色のクマが現れた。

 大きさもゴブリンと比べると雲泥の差があるが、森の中で目立つ赤色の毛皮が隠れる必要がないと主張しているようだ。

 赤色のクマはまだこちらに気付いていないが、気づかれるのも時間の問題だろう。

 逃げるか戦うかを決めなければならない。

 ゲームの中で死ぬとデスペナルティで、持っているアイテムがいくつかロストして、一時間の間ステータスが低下する。

 俺は生産の道具と予備の棒、素材、ゴブリンのドロップアイテムを持っているが、武器や防具、生産の道具などの一定のアイテムはロストしないので、デスペナルティを受けると素材かゴブリンのドロップアイテムをロストする。

 素材のロストは少し痛いが、また集めればいい。

 それにあの赤い熊を相手に戦えば、倒すことができなくとも今の俺にできる限界を知ることができ、妖鬼の性能も確認できる。

 ここはデスペナ覚悟で挑戦しよう。

 

 ただの棒では妖鬼の力でも、打撃ではあの熊を倒せない。

 倒すためには、急所か致命傷を狙わなければならない。

 かなり厳しい戦闘になりそうだが、俺の心は湧き立って来る。

 さあ、戦闘を始めよう。


 ゴブリンの時と同じように、熊が後ろを向いた瞬間に熊の右後ろ脚の関節に突きを入れる。

 熊は瞬時に距離を取り、俺の様子をうかがっている。

 ダメージはほとんど入らなかったが、距離を取る時の動きが少しぎこちない気がする。

 致命傷だけでなく、そういった所も現実に近いようだ。

 俺が動かないでいるとしびれを切らして、跳びかかってくる。

 動きが鈍く直線的なので、回避した瞬間に熊のこめかみに突きを入れる。

 今度の突きは効いたようで、ダメージもしっかりと入り頭をふらつかせている。

 しかし追撃を入れようと近づいた瞬間、熊が前足をふるってきたので回避する。

 完全に回避することができずに少しかすったが、それだけで俺のHpは半分を切った。

 防具はつけていないが、かすっただけでこの威力なら、直撃すれば防具をつけていようと一撃もらうだけで死ぬだろう。

 熊の様子をうかがうと、俺の一撃を受けて怒り心頭の様だ。

 それでもさっきのことが頭にあるのか、無暗に突っ込んでくることはない。

 今度はこちらから近づくと、熊は立ち上がって前足をふるってくる。

 棍棒のような腕に鋭い爪を、妖鬼のAgiを生かして紙一重でさける。

 避けるときに少し体勢が崩れたが、何とか熊の首に突きを入れる。

 ゴブリンのように一撃で倒すことはできなかったが、大きなダメージを与えることができた。

 熊が、がむしゃらに腕を振り出したので、すぐさま距離を取る。

 熊は俺が距離を取ると、さっきは気を付けていたのに勢いよく突っ込んでくる。

 熊の動きが怒りで荒くなり、先が読みずらくなって思わぬ一撃を食らう恐れもある。

 俺は勝負をかけることにした。

 棒を構えて突きの体勢を取る。

 熊が突っ込んできて棒の間合いに入った瞬間に、目に向かって突きを放つ。

 棒は目に吸い込まれるように刺さり、突きのスピードと突進の勢いが合わさり熊に致命傷を与える。

 俺の目の前で熊の体と棒が砕け散る。

 熊を倒せたが、棒も最後の一撃で耐久値の限界に達したようだ。


 俺は戦闘の興奮が収まった後、ストレージの中に熊のドロップアイテムがあるのを確認してから町へと帰ることにした。

 帰る途中でも少しだけ採取をする。

 町に帰ったらさっそく生産を試してみよう。


 

 

あるひ~もりのなか~

くまさんに~であった~


くまさんは狂暴です、出会ったらヨル以外は逃げましょう。

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