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Eternity World Online  作者: 桐生紅牙
町と始まり
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プロローグ

 いつもの鍛錬を終えて、汗を流した後に俺は部屋に戻る。

 普段であればほとんど物のない殺風景な部屋であるが、現在は部屋の中央に人が寝そべることができるソファーの様な形の機械が置いてある。

 十年ほど前からVR技術が実現され、医療、ゲームなど様々なものに使われている。

 俺の前にあるこの機械は、ログインするのに必要な機械の最新型の物でコクーン型ギアという。

 個人が使うものは、普通であれば頭につけるヘッド型ギアでコクーン型はネットカフェやゲームセンターで使われているらしい。

 らしいというのは、俺は今までVRゲームをしたことがないが、幼馴染に今回だけはどうしてもと頼まれて参加することにしたのだ。

 ゲームをするための機械もソフトもなかったが、それは幼馴染が用意してくれた。

 最初にコクーンを見た時には驚いたが、幼馴染がゲーマーであり大企業の御曹司であることを考えれば納得できた。

 一応、本人に確認してみると、こんなことを言われた。


「夜行の部屋には、ほとんど物がないからコクーンを置いても大丈夫だろ?それに初めてゲームをするなら快適にやってもらいたいじゃないか」


 さすがはゲーマーで俺の幼馴染だ。

 ゲームをする環境を整え、俺の部屋の事情まで考慮している。

 そんなわけで俺の部屋にはコクーンがあり、これから人生で初めてVRゲームをすることになった。

 これから始めるゲームはEternity World Onlineといい、剣と魔法の世界を舞台に様々なことができるらしい。

 β版から、かなりの人気があり手に入れるのは困難であるらしいが、幼馴染はβテスターで二本、手に入れる事ができたらしい。

 とりあえず幼馴染に言われたとおりに、もうすぐキャラクターメイキングが始まるのでログインすることにする。

 コクーンに座り起動させる。

 すると眠るような感覚で意識が途切れた。



 目を開けると俺は真っ白な空間にいて、目の前には半透明の板が浮いていて、何か文字が書いてある。

 どうやらこれを使ってキャラクターの設定をするようだ。

 設定する項目は名前と容姿、種族、スキルで順番に決めていくらしい。

 名前は考えるのも面倒なので本名からとってヨルにした。

 容姿は幼馴染からリクエストがあり、髪を白にして腰辺りまで伸ばし目は紅にした。

 どうしてこの色にしたのかと聞くと、クール系美形で中性的なお前に絶対に似合うからと言われた。

 確かに自分の顔立ちはそこそこであると思うが、俺からすれば幼馴染のほうがはるかに美形だと思うし、彼女ができたこともない。

 俺がそういうと幼馴染にはため息をつかれたが。

 他は変えるのが面倒であるし、体格などを極端に変えると動くのに障害があるらしいのでそのままにした。

 残りは種族とスキルであるが、ここからは悩みどころである。

 種族はヒューマンやビースト、エルフ、ドワーフなどがある。

 それぞれの種族には特徴があって、ステータスに違いが出てくる。

 種族はゲーム開始後、進化することはあっても変更はできないので、プレイスタイルに大きな影響が出てくるといわれた。

 俺は今の時点でどんなことをするか決めていないので、迷ってしまう。

 考えていても、いいものが浮かばなかったので種族を詳しく見ていると、あるものが目に留まった。


 ランダム


 これはちょうどいいのではないか。

 種族によって大体のプレイスタイルが決まるのなら、ランダムで決まったものをするのもいいし、やりたい事ができても絶対にできなくなるわけではないのだから。

 それにランダムにすると、ゲームの中に一人しかいないユニーク種族や、初めから上位種族になることもあるようだ。

 種族はランダムにして次はスキルだ。

 スキルはスキルスロットに装備することで効果を発揮し、スキルスロットは初めは十枠で、その後は一種類のモンスターから一人一回だけドロップするスキル石で増やせるらしい。

 スキルの選択はゲームが始まれば、いつでもできるようなので俺は種族が決まってから決めることにした。

 ここで決めることにメリットがあるのかと疑問に思ってよく説明を見ると、スキルスロットがゲーム開始から一つ増えるようだ。

 種族を決めていれば大きなメリットになるが、ランダムで種族とスキルが正反対の傾向だと大変なことになるので後に決めることに変更はない。

 すべての設定が終わったので、キャラクターメイキングを終了する。

 ゲームが始まるまで少し時間があるが、ホームページを見ることができたのでそれを見て時間をつぶす。

 PVを見ているとひとつ気になるものがあった。

 もし種族の特徴と合えば、これをするのもいいだろう。

 そんなことを考えているとゲームの開始時間になったので、ゲームをスタートする。

 初めは頼まれて始めたが、俺はこのゲームをすることが楽しみになっていた。


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