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思い出す人

前の話の魔力回復が全回に見えるので直しました。

 私が初めてエレメンに来た時は半日ぐらい目を覚まさなかったそうです。

そして目を覚ますと1人の少女がいたんですよね。

一目惚れでした、あの時の胸の高鳴りは今でも良く覚えています。

亜麻色の髪を三編みにした良く笑う娘でした。

 少女の名前はフィル・スカイ、私の護衛騎士にして初めて出来た恋人。

最後は笑えない終り方でしたけどね。

 そして今私の前にいるのはロマンスグレーの髪と髭がダンディな自称執事のデュライさん。


(隙のない身のこなし、引き締まった身体…執事と言うより特殊部隊の方がお似合いですね)

「あのデュライさんは日本語が話せるんですか?」

話が通じる理由は分かっていますが怪しまれない為にも、あの時と同じ質問をしておきます。


「私はサクセス語しか話せませんよ。信じられないかも知れませんが異世界から転移する時にエレメンの言語が分かる様になるそうです」

そりゃそうです、異世界召喚をする緊急事態にわざわざ言葉を教えている余裕なんてないんですから。


「はあ、なんとも不思議な話ですね。しかし、言葉を話せるだけで何のお役にもたてないと思うんですが」


「いえいえ、皆様でなければ出来ない事があるんですよ」

今ならデュライさんの言動に不自然な点があるのが分かるんですけど、前の時はフィルと異世界に夢中で、全然疑わなかったんですよね。

戦いを経験した事がない異世界人をなんでわざわざ喚ぶのかを。


 「申し遅れました、私の名前はは赤井正牙です。そう言えば私と一緒に来た人達はどうしていますか?」

エレメンで私の本名を知ってるのは英ちゃんやフィルを含めて数人ぐらいです、でも久郎達には知られたくないアダ名の方がエレメンでは有名なんですけどね。


「他の方はまだお目覚めになられてないかと。赤井様も体に疲れが残っていると思いますのでご無理はなさらない様にして下さい」

地球からエレメンに来た人が中々目覚めないのは疲れではなく体がマナに馴染まないからマナ酔いをおこすそうです。


「お気遣いありがとうございます。とりあえず私は部屋で待機をしていれば良いんですか?」

待機ならついでに魔力を少しでも回復 させたいですし。


「ええ、全ての方が目覚めてから王から話がありますので」


「分かりました、少し体がだるいの休ませてもらいます」

すぐに情報収集をしたい所なんですが、下手に動けば怪しまれるだけです。

デュライさんが部屋を出る瞬間に、とても執事とは思えない凄味のある表情になった事には気づいていない振りをしておきましょう。


 とりあえず時空リュックから腕時計を取り出します。

ただし、ただの腕時計じゃありません。 

従兄弟から貰ったGショックを改良した魔力残量測定装置付きの腕時計です(異世界でも安心の太陽電池タイプ)。

…昔、MEGAショックって呼んでいたのは内緒にしておきます。


_________________


 哀しいかな、現役の頃なら半日も休んでいたら魔力が回復したのに、半日たっても3分の1しか回復していません。

異世界に来て早速新発見、魔力も体力と同じで使わないと回復力が衰える様です。

 私がアラサーの切なさを実感しているとドアがゆっくりとノックされました。


「デュライです、他の方もお目覚めになられたのでお迎えに上がりました」


デュライさんの後を着いて綺麗に掃除された石畳の廊下を歩いて行くと20畳ぐらいの部屋に案内されました。


「赤井様、他の方が来るまでこちらの控えの間でお待ち下さい」


デュライさんが引いてくれた椅子に座ると色んな思いが浮かんでは消えていきます。

もし、キヨキ神皇国と戦争になったら私は英ちゃんやフィルとちゃんと戦えるのか?

私の力を知ったら久郎やかこちゃんが脅えて疎遠になるかもしれない。

私の過去を知ったら紅葉は…紅葉はもう関係ないんですけどね


_____________


 控えの間で待っていると、メイドさんや執事に案内されて次々と転移した人が控えの間に入って来ました。

やはりと言うか木谷さんグループと富楽先生グループの人達は私に近寄る所か話し掛けてすらきません。

皆さん青ざめた顔をしていますから、そんな余裕はなんてないんでしょうけど。


「ショウガ、お前は具合悪くならなかったのか?俺はまだ頭が痛てえぞ」

部屋に入って来た久郎は私を見つけるなり愚痴り始めます。


「二日酔いの朝を思い出すだろ?まっ、きつかったら後から何とかしてやるよ」

ちなみにかこちゃんと紅葉も椅子に座ったまま一言も喋っていません。

普通ならもう少し落ち着いてから謁見になるんでしょうけれども、王様にそんな期待を求める方が間違っています。



________________


 全員が集まって30分ぐらいすると騎士が10人程、控えの間に入って来ました。


「これよりサクセス王との謁見となる。くれぐれも失礼のない様に!!では着いて来い」

やたら態度のでかい騎士に着いていくと大きな扉の前で立ち止まりました。

扉は金銀で細かい装飾された豪奢な物

やがて扉が重い音をたてて開きました。

くるぶしまで埋もれそうな絨毯、必要以上に派手な額縁に納められた絵画、光が乱反射しそうなぐらいに磨かれた鎧を着ている近衛兵、花瓶には活き活きとしている花。


(権力を誇りたいのは分かりますが、こんな所にお金をかけるんなら他に予算を回す方が良いと思うんですけどね)


「王からお声が掛かる。膝まづいて待機しろ」

マナ酔いが幸いしたのか騎士の言葉に反発する人はいませんでした。


「我が名はハアーケン・サクセス。今、サクセス神聖国に未曾有の危機が迫っている。異界の客人よ、汝らの力を貸して欲しい」

嘘、大袈裟、紛らわしい…異世界の事でもジャ○に言ってもいいんでしょうか。


木谷の名前が何か分かった人はいますか?

ちなみに木谷流夏はきやるげ→ギャルゲです。

他のキャラも似た感じです

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