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決戦に向けての準備

 ラトノコリハは英ちゃんの言葉をキヨキ聖皇国の民に伝えれる為のマジックアイテムです。でも、それはあくまで表向きの機能。私はわざわざ敵に塩を送る程、お人好しじゃありません。

 ラトノコリハ隠し機能その1・ICレコーダー機能、これを使うと英ちゃんと周りの人の会話を自動筆記してくれるんです。敵の作戦が丸分かりと言う反則機能の筈だったんですが…


「これは生徒に見せれませんね…」

 記録された会話の量が膨大だったので、内容チェックを織やんと冨楽先生にもお願いしたんです。


「睦言が3割、飲食の命令が2割、家族との会話が2割、家族以外の女性との会話が2割…政務関係は1割に満たないんですね」

 英ちゃんの会話はまるで18禁のエロ小説でした。重要な情報を手に入れるまで精神が削られまくりです。


「まさかキヨキ聖皇自らが出陣してくるとは思いませんでしたね」

 この世界で王様が自ら出陣するのは異例なんですけどね。その目的が英ちゃんらしいと言えばらしいんですが。


「しかも目的が瀬羽なんですから開いた口が塞がりませんよ…正確には瀬羽、館老、寺柳、佐藤。そして満中の6人ですけどね」

 巨大ハーレムを持っている英ちゃんでも未だに手に入れていないのは日本人女性。しかも今回喚ばれたのはタイプの違う美少女ばかり、日本人の英ちゃんが執着したのは分かります…その為に国を挙げて戦をするのは理解に苦しみます。


「あの子達を捕まえる為だけの限定捕獲魔法ですか…正牙、どうします?」


「魔法の無効化は無理ですけど何とかしますよ」

 しかし、よくそんなエロゲーみたいな魔法を思いつきましたね。流石はキヨキ性皇…その内、英ちゃん自身が18禁対象になるかも知れません。


「赤井さんでも、無効化は出来ないんですか?」


「魔法は限定をすればする程、精度や威力が上がるんですよ。1人や2人の魔法使いなら無効化も出来ますが、今回みたいに集団で使われると厳しいですね」

 今回で言えば日本人の10代の少女限定の魔法…エロゲーに出てきそうな魔法ですよね。


「限定魔法を唱えるのはイビルファング、サポートに回る魔法使いは30人ですか…正牙さん、私達はどう動きます?」

 織やんが着いてくれれば30人どころか国単位の補助がある様な物。使える魔法に制限がなくなります。


「まずはリヤンにいる三米君に連絡を取ります。そして館老さんが精霊と契約をしたらネサンスにいる久郎、かこちゃんと合流。カミカさんも仲間に加わってもらい次第サクセスに向かいます」

 今回の作戦にカミカさんは必要不可欠…ちなみに肝心のカミカさんはショックの余り出家したとの事。


「正牙さんは精霊と契約は行わせないと思ってたんですけど。あの子達を戦わせたくないんでしょ?」

 織やんの言う通り、最初は館老さんが精霊の契約を邪魔するつもりでした。


「今回は戦地に出向くから最低限の戦力は必要不可欠です。だから寺柳さんとかこちゃんの武器も作りますよ」

 戦力が整えば敵は警戒して迂闊に手出しをして来ないでしょう…何より装備を充実させればキヨキ聖皇国は一網打尽を狙ってきます。まあ、敵を騙すには味方からってやつですよ。


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 館老さんの精霊契約は織やん兄弟に任せて私は装備の作成に入ります。一から作る時間はないので、今回は既存の装備に魔法を付与していきます。


「せい君、私の薙刀を持ってきたよ。剣は淳子ちゃんのだよね…手袋は何使うの?」

 紅葉の薙刀はかなり使い込まれていました…何でも私がキヨキ聖皇国に行っている間、ベルク様やシェルムに鍛えて貰っていたとの事。ちなみにライトウォーリアとしての資質はベルク様のお墨付き…魔法が使えない日本だと太刀打ちしようがありません。


「この手袋はかこちゃんの武器だよ。かこちゃんのアーツ止血の光を球状にして遠くに飛ばせるんだ。バスケのパスをするみたいにね」

 かこちゃんは現役のバスケ部、離れていてもパスは正確に出せるでしょう。


「淳子ちゃんの剣にはどんな魔法を付けるの?」


「寺柳さんのアーツはソードダンス。攻撃を防がれると不味いから風魔法を付与して追撃を出来る様にするよ。防がれたらヌンチャクみたく風の刃が後ろから襲うのさ」

 舞い踊れば踊る程、風の刃は増えていく。


「それじゃ私の薙刀には何を付けてくれるの?出来たら魔法使いを守れる様にして欲しいな」

 

「紅葉の薙刀には結界強化を付与するよ。私も結界を張りながら戦うから丁度良いだろ」

 きっと、外からも中からも壊せない位、強力な結界になるでしょう。


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 館老さんが契約したのは光の中級精霊、何でも館老さんの心の光に惹かれたそうです。使えるのは強力な光を相手に放ち目眩まし状態にする精霊の光撃。

 冨楽先生のアーツ氷竜撃とも寺柳さんのアーツソードダンスとも相性は抜群。

都合が良すぎる位に抜群です、恐らくはジャンティー・ミゼルが介入したんでしょう。


「さてと、出発しますよ」

 

「せい君、その石畳はなに?」

 紅葉の言う通り、私が乗っているのは巨大な石畳。


「これで移動するんだよ。ちなみにストーンゴーレムの石名張(いなば)者沖(じゃちゅう)さんです。流石は石名張さん、広いし頑丈だから100人乗っても大丈夫!!織やんがいるから、重い物でも飛行出来るんだ」

 ちなみに石名張さんは、ある事への対策も兼ねています。


「なんで、こんな時に佐藤さんやお兄様はいらしゃらないんですの!!満中さんうっとりする意味が分かりませんわ!?どう考えてもイ○バ物置のパクリじゃありませんか」

 館老さんも中々の突っ込みをお持ちの様ですね。

 ちなみに石名張さんを見た佐藤兄妹の反応は


「兄貴、ショウちゃんがとうとう親父ギャグに走ったよ。しかも物置なのに何も仕舞えないんだよ」


「かこ、気にするな。ストーンゴーレムと大勢乗せれるってだけで安直に着けただけなんだからよ。ショウガ、お前の頭並みに寒いぞ」

 寒さを認める=私の頭の寂しさを認める事になります…断じて認めません、誰かはクスリとしてくれる筈。


「くっ、これだけ大きなストーンゴーレムで空を飛ぶ凄さを無視しやがって…久郎、例の物は出来てるか?」


「ああ、きっちり仕上げてやったぜ。お前もえげつない事を考えるな」

 久郎に作って貰ったのは何百もの釘です。これがキヨキ聖皇国を滅亡に導く楔を打ちます。

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