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ナトゥーラ無双パート2

 魔法使いと言えば攻撃魔法のイメージが強いと思いますが、平時はマジックアイテムを作ったり魔石に魔力を注入して生活を建てています。

 そして神官と言えば治癒魔法のイメージですが、彼等の主な仕事は布教と相談業務…そして説教。

 言わば神官は先生と同じ説教のプロ。

 神官のガチ説教はとんでもなくきついです。


「正牙さん、満中さんのご両親は満中さんを愛し慈しみ育てておられます。それは彼女を立派な大人にする為です…それはお分かりになりますね」


「それは紅葉を見ていたら良く分かります」

 友達に敬語はおかしいんですが、織やんの迫力に負けました。


「それなら何故彼女の将来を邪魔する様な真似をしているんですか?もし、貴方と交際している事が周囲にバレたらどうなりますか?そして未成年者との不純異性交遊は立派な犯罪ですよね…つまり正牙さんしている事は正牙さんの家族も不幸に巻き込む行為なんですよ」

 もう正論過ぎてぐうの音も出ません、このお説教を聞きながら巨大ハーレムを作った英ちゃんの面の皮はどれだけ厚いんでしょうか?


「愛してるからは言い訳になりませんよね」


「なると思いますか?貴方は成人で満中さんは未成年なんですよ。彼女を愛しているなら学校を卒業するまで待つのが大人ですよね?違いますか?」

 据え膳食わぬは…なんて言ったらお説教が長引くだけですよね。

 大人しゃかいじんになって身に染みている事、説教されている時に反論は事態が悪化させるだけ。


「あの織やんそろそろ話題を変えませんか?…例えばキヨキ聖皇国との戦とか」

 これぞ必殺、話題変換。


「正牙さん、やっぱり戦は避けられないの?」

 漸くいつもの織やんに戻ってくれました。


「無理だね。今のキヨキ聖皇国は成長をし続けないと破綻してしまう。何より英ちゃんは欲望を抑えれなくなっている。隣国に好みの女がいるって分かったら難癖をつけて攻め込むよ…そしてキヨキ聖皇国では、それが正義になる」


「正牙さんは、僕の事を怒ってないの?僕は側にいながら英ちゃんの暴走を止めれなかった」

 キヨキ聖皇国の建国に携わった織やんにしてみれば、今の現状は後悔しかないでしょう。


「私に織やんを責める資格はないよ。私は一人で逃げたんだよ。でも、織やんは残って奮闘してたんだろ?」

 

「ありがとう…正牙さん、みんなを先に日本へ還すって本当?」

 

「異世界転移は簡単に出来ないからね。ましてや今回は因果律に干渉する必要があるんだ。私が外から起動させなきゃ満足な結果は得られない。下手したら違う所に飛んじゃうんだよ。何より戦いに巻き込みたくない」

 紅葉や久朗は納得しないでしょうから、ちょっと強引に転移させます。


「キヨキ聖皇国に勝つ算段はあるの?幾つもの国が必死の抵抗をしても虚しく呑み込まれたんだよ」

 それは人を癒す神官としては辛い現実だったと思います。


「キヨキ聖皇の驚異はロンギングの影響で死さえ喜びと感じる様になった兵です。でも、織やんが居てくれれば血をあまり流さなくても勝てますよ」

 ロンギングを無効に出来ても直ぐには戦いを止めないでしょう。

 だったら、戦えなくするだけです…そしてうまくいけばキヨキ聖皇の崩壊に繋げれます。


「あまりって事は殺し合いは防げないんだね」


「ロンギングを無効に出来ても今の国で甘い汁を吸っている人は抵抗しますし、英ちゃんと肉体関係にあった人のロンギングを無効にするのは時間が掛かります。もし、戦うとしたら国から名前を授かった人達です」

 つまり真勇者パーティーを始めとするキヨキ聖皇親衛隊と英ちゃんと親しい人達。


「それじゃフィルさんやディップル姫とも戦うの?ヴァイゼさんもいるんだよ」

 ヴァイゼさんはイッピョー君の母親で、ベルク様の妹。


「ああ、私が殺すよ。イッピョー君の手は汚さない。あの人達が生きていると新しい国を作れないんだよ」

 英ちゃんには一番残酷なエンディングわりをプレゼントします。


――――――――――――――――


 戦をすると決めたから直ぐに攻め込む事は出来ません。

 同盟国との話し合い、食料や装備品の準備、軍の編成、通過国への通知。

 何より対ロンギングのマジックアイテムを生産しなければ無理です。

 織やんとの話し合いが終わったらナトゥーラ様から呼び出しを食らいました。

 部屋にいたのはフンゴ王とナトゥーラ様。


「それで私にラシーヌに行けとおっしゃるのですか?」

 私に命を下したのは他ならぬ鬼師匠ナトゥーラさま


「ええ、兄にこの親書を届けてマジックアイテムを作る職人を連れて来て下さい。出発は出来るだけ、早い方が嬉しいですね」


「それなら明後日に出ます」

 私は疲れてるんです、織やんに隠れて紅葉とイチャイチャしたいんですよ。

 

「セイガさん、私の話を聞いていましたか?早い方が嬉しいと言いましたよね」


「大婆様、アカイは今日帰って来たばかりですよ」

 流石はフンゴ王、私はナトゥーラ様に意見出来ませんからお願いします。


「フンゴッお黙りなさい!!事態は一刻の猶予も許さないんですよ。王たる者、優しいだけでは務まりません。時には厳しく使える者は擦りきれるまで使いなさい」

 ナトゥーラ様、王籍を離れたんじゃなかったんですか?

 …とりあえず、物凄く怖いです。


「それでは、アカイすまぬが明日でも旅立て」

 フンゴ様が申し訳なさそうに、こっちを見てます。


「フンゴ、甘いですわよ。こんな時はこう言うんです。”アカイ、準備は出来ている。今すぐ旅立て”。良いですよね、セイガさん」

 迫力負けで頷いてしまいました。


「あの準備とは?」


「ラシーヌには精霊がいますし、途中魔物も出ます…お入り下さい」

 そこにいたのは織やん一家、冨楽先生、パーティー、そして紅葉。

 これじゃあ紅葉とイチャイチャ出来ないじゃないですか!!

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