旅立つ人達
出てくるキャラの名前はもじってあるので嫌いなかたは無理をせずに
真夜中の校庭で魔方陣が青い光を放っています。
はっきり言ってシュール過ぎです。
「ショウガ、なんで真ん中には何も書いてないんだ?あそこからなんか出てきてエレメンに連れてくのか?」
久郎の言う通り、魔方陣は校庭全面に展開されていて、その中には魔文字がビッシリと書き込まれており真ん中には直径500mぐらいの円があります。
「魔方陣って誤解してる奴が多いけど本来は術者を召喚した悪魔とかから姿を隠す為の物なんだよ。今回だとエレメンに次元転移する対象を守る為でもある」
きちんと保護しておかなかいと別次元に飲み込まれたりするそうです。
「…その悪かったな、かこが危ないと思ったら藁にでもすがりたい気持ちになってお前を巻き込んじまって」
久郎はそう言って俯いたまま顔を上げようとしません。
「きもっ!!なーに改まってんだよ。きちんと有給も通ったし期限内に帰って来れれば問題ないさ…それに代理契約は特別な条件がなきゃ契約が受理されないんだぜ」
有給休暇5日は厳しいんですけど、5日の余裕があればエレメンに1年いても大丈夫でしょう。
「特別な条件?なんだ、そりゃ」
「主に3つある。1つ目は強力なマジックアイテムだった場合、これは契約書を見る限りない。2つ目は代理契約をした人間が相手の了承を受けてなおかつ相手より魔力が強い場合、これは100%あり得ない。お前みたいな素人に魔法使い赤井正牙さんの代理人が勤まるかつーの。3つ目は強力な力を持った第3者が介入した場合。多分、これだと思う。じゃなきゃあんなチンケなマジックアイテムに俺を拘束出来る訳がない」
そうじゃなきゃ私の立場がありません。
「強力な力を持った第3者ってのに心当たりはあるのか?」
サクセスが異世界召喚をしたという事はかなり切羽詰まった状況なんだと思います。
私より強い魔力を持ちサクセスに力を貸す存在ですか。
「あるけど今の俺じゃ魔力を探知できないから確定は出来ない。だけど俺もこの騒動とは無縁じゃない可能性がある。だから気にすんなよ…しかし、随分とエレメンに連れてくんだな」
校庭にはいるのは全部で10人。
まず私と久郎とかこちゃんの3人。
「全員が潮騒高校の生徒だそうだぜ。かこ、名前は分かるか?」
「潮騒でも有名な人達ばかりだからね。先ずはスーツをビシッと着こんでいるのが数学の富楽先生。富楽先生の右隣にいる、いかにも大和撫子って感じの娘は寺柳淳子、淳子ちゃんは日舞の家元のお嬢様。そして左隣にいる派手なのが館老瑠璃色だよ」
えーと、
「かこちゃん、館老さんってこれからご出勤ですか?」
あんな見事なな縦ロールは見た事ありません。
「瑠璃のお父さんはスーパーTATEの社長なんだよ」
スーパーTATEといえば私の担当じゃありませんが大口のお得意様。
「かこちゃん、聞かなかった事にして下さい」
寺柳さんは長い黒髪で日本人形みたいな方。
逆に館老さんは茶髪で縦ロール、目鼻立ちもしっかりしていてフランス人形といった感じです。
「心配しなくても言わないって。それであっちにいるのが木谷流夏、木谷は剣道で全国に行ったんだよ。木谷の右隣が瀬羽季子、季子は木谷の幼馴染みで家がペットショップをしてるんだ。左腕にいるのが三米明、三米も2人と幼馴染みなんだって。お調子者だけどサッカー部の期待の星みたいよ」
木谷君は髪を短くしていて無邪気な少年といった印象を受けます、ジャニーズ系って感じですね。
瀬羽さんはおっとりとした癒し系、髪の長さは肩までで小動物みたいな可愛さがあります。
三米君も髪の長さが肩までありますが、良く喋って良く笑っています。
イケメン2人に美少女が幼馴染みって漫画じゃないんですから。
「それで満中さんはその真ん中で何をしてるんだ?」
紅葉は富楽先生達と木谷君達の間でオロオロしています。
「あー、僕は興味ないんだけど富楽先生と木谷君は潮騒高校の2大ハーレムって言われてるんだよ。富楽先生はあの2人以外にも仲が良い娘がいるし、木谷君もモテるんだよね。今はお互いに紅葉と仲良くなろうとしてるんだよ。紅葉は迷惑してるみたいけどね」
ハーレムですか。
ハーレムって話に聞く分は良いんですけど、実際に周りにあるとキツいんですよね。
「皆様、良く集まってくれました。我がサクセスはキヨキ神皇国の脅威にさらされています。皆様のお力を貸して下さい、。全てが終われば皆様を元に戻しますので」
現れたのは銀色の髪の少女。
「それで今のがカミカ・インシュタル…ショウちゃんどったの?」
キヨキ…私と一緒に戦った勇者の名前も清木英雄。
偶然ですよね。
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