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救出劇

リクエストがあったのでWizardです…ちなみに前話を更新してから書きました。

 イッピョー君は今年で12才なるそうです。

 キヨキ・イッピョー、キヨキ聖皇家の三男。

 ちなみに異母兄弟や姉妹は認知をしていない子も含めると、全部で四十人近くいるとか。 

 アーツを使わせてもらった結果、彼の母親はベルク公爵の妹ヴァイゼさん。

 ちょっと計算が合わないと思ったら、英ちゃんとの婚約時にはイッピョー君がお腹の中にいたそうです。

 イッピョー君のアーツは、状態維持。

 一見地味ですが、毒も防げるし病気にも掛からない万能なアーツ。

 このアーツのお陰でロンギングから免れる事が出来たのでしょう。

 そして彼の年に削ぐわない落ち着きは、周りの大人が影響している様です。

 まずはDQNな家族、色と欲に溺れまくった父親が反面教師になったんでしょう。

 そして彼に多大な影響を与えたのが、織やんだそうです。


「オリベ先生は私に色々と教えてくれました。勉強だけではなく、人としての生き方も教えてもらました」

 キヨキ聖皇国でロンギングを完全に防げていたのはおりやんだけ。

 ちなみにブリーゼは英ちゃんと距離を置く事で、ロンギングの効果を抑えていたとの事。

 一方、英ちゃんはイッピョー君の地味なアーツを嫌いあまり関心を持たなかったそうです。


「イッピョー君はこれからどうしたいんですか?」


「シャンテにも振られましたから、どこか遠い地で修行をしたいです…誰も私を知らない所に行きたいんです。王族なのに我が儘ですよね」

 そう言って哀しげに笑う顔は、とても12才の少年には見えませんでした。

 そしてイッピョー君の恋人の名前はシャンテ・アムール14才。

 正確には元恋人で今は馬鹿勇者の遊び相手なんですが。

 気持ち悪い話ですが、色と欲に溺れた馬鹿勇者にしてみれば、シャンテさんが息子の恋人だと言う事も適度な刺激スパイスなんでしょう。

 

「遠い地ですか…知ってますか?シンデレラって話を聞いた事はありますか?」


「シンデレラは知ってますよ。父上が創られた話ですから」

 馬鹿勇者、パクりやがったな。


「シンデレは女性だから魔法使いのおばさんが願いを叶えてくれましたが、イッピョー君は男です…魔法使いのおじさんが、その願いを叶えてあげましょう」

 それにイッピョー君がいれてくれた私も助かりますし。


「無理ですよ、この国から出るなんて夢のまた夢ですし…ここにオリベ先生がおられます」

 この国は大丈夫なんでしょうか?

 おりやんを封じているマジックアイテムは城の片隅にあったんですが、見張りが一人もいませんでした。

 しかも、こんな重要な施設に鍵すら掛けていません。

 中に入ると、5メートル近い大きさの巨大な箱がありました。

 箱には幾つものホースが繋がれています。

 

(あれで織やんから魔力を吸い出すのか…そして織やん久しぶりだね)

 石にされた織やんが箱の真ん中にコアとして組み込まれていました。

 おりやんを外すと、魔力の供給が止まり、警報が作動する様です。


「まずは”魔力よ、偽りの壁となりて、この部屋を包み込め…フェイクウォール」

 次いでに防音魔法も付与しておきます。


「凄い…この大きな部屋を包み込んだ…」

 唖然とするイッピョー君、そのリアクションは大好物です。

 次に懐から通信石を取り出し、久郎に連絡をいれます。


「ああ、久郎か…ベルク様を呼んできてもらえるか?」

 ベルク様が来る間に体に纏わり付かせて置いた魔石の粉をゴーレムにしておきます。


「魔石のゴーレム?どうしたら、あんなに直ぐ展開出来るんですか?」

 イッピョーのナイスリアクションを堪能していると、通信石から野太い声が聞こえてきました。


「アカイ、何の連絡も寄越さないとはどう言う了見だ!!マナカの嬢ちゃん落ち込んでるんだぞ」


「説教は帰ってから聞きますから…まずは私の話を聞いて下さい」

 そして私はイッピョー君が置かれている現状をベルク様に伝えました。

 何しろイッピョー君はベルク様の甥っ子になるんですし。


「その話はマジか…おい、イッピョー!!ベルクの血を引く男が甘えた事を抜かしてんじゃねえ…俺が鍛えてやるから、ネサンスに来い」

 イッピョー君は、生まれて初めての身内からの暖かい叱責に涙ぐんでいました。

 その間は私は次の仕事に移ります。 

 ゴーレムをスライム状にして、箱を伝わらせて行きます。

 元が粉末ですから、マジックアイテムの隙間に浸入するのもお手の物。

 さらに魔石の粉末には私の魔力をたっぷりと染み込ませておきました。

 徐々に魔石スライムが織やんを包み込んでいき、全てを包み終わったら浮遊魔法で取り外し完了。

 その魔石スライムは見事に、織やんを形作りました。

 人一人分の魔石に魔力を染み込ませておいてるので、しばらくはバレないでしょう。


「イッピョー君、これから君と織やんをネサンスに転移させる。それとこれをお願い」

 予めネサンスには魔方陣を構築して起きましたら、転移は直ぐに行えます。 


「これは?」


「衝撃緩衝のマジックアイテムですよ。石にされたおりやんにもしもの事があったら困りますし」

 転移させたら砕け散ったなんて笑えません。


「あのアカイ様はどうされるんですか?それに何の準備もしていませんし」


「私はしなきゃいけない事がありますから。物は向こうで揃えれば良いですし…何より君の行方を誤魔化せます…ファントムコピー」

 私が造り出したのはイッピョー君の幻影。

 効果は精々三日。

 見る人が見ればバレますが馬鹿勇者に毒されたここの国民には無理でしょう。

 イッピョー君には修行の旅に出るって置き手紙を書いてもらいました。

 大きな堤も蟻の一穴から崩れます。

 大人になった魔法使いが開ける穴はえげつないですよ。

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