ナトゥーラ無双
私の名前は赤井正牙、又の名をジャスティスファング。
偽物なんかじゃありません、本物です…間違いなくジャスティスファング本人なんです。
それなのに、彼女の前で赤っ恥を掻いたというのに、貰えたのは参加賞のドリンク引換券(お祭り期間のみ有効)のみでした。
(第一、ジャスティスファングソウルシャウトコンテストってなんですか?私の魂を削る叫びを競わせてどうするんです?)
ちなみに久郎とかこちゃんは大笑いしています。
久郎に至っては涙を流して腹を抱えて大笑い…裏地に龍の刺繍がされている制服を着ていた事をかこちゃんにチクってやる。
館老さんと寺柳さんからは軽蔑の眼差しで見られました。
あれは若気の至りなんです、分かって下さい。
冨楽先生には目を剃らされました。
大人の対応ありがとうございます。
そして紅葉には暖かい目で見られています。
(紅葉、そのお遊戯会でやらかした子供を見る様な暖かい眼差しは止めてっ!!引かなくてもいいから、せめて笑って!!)
そんな中、犯人は、私を見てニヤニヤしています。
「ナトゥーラ様。最後の猿人の方は、かなりお上手でしたが、何がいけなかったんでしょうか?」
司会者さん、貴方もプロなら空気を読んで私の事はスルーしましょう。
「この大会はあくまで私の弟子ジャスティスファングの真似をして、彼を偲ぶのが目的なんですよ。それに上手で当たり前、何故なら彼はジャスティスファング本人なんですから…お久しぶりですわね、セイガさん。元気そうで安心しました」
そう言ってにこやかに微笑むナトゥーラ様。
(本当に舞台上で正体をバラした!!普通、こういうのは大会が終わってから声を掛けてくるもんじゃないですか?)
「ナ、ナトゥーラ様、お久しぶりです」
結果、氷雪の魔導師ジャスティスファングは生暖かい視線に包まれました。
皆様に訴えたい!!私の厨ニ病は完治しています。
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コンテストが終わったら、私達はネサンス国立魔法研究所にあるナトゥーラ様の執務室に案内されました。
部屋の広さは十メートル位で、書類棚や本棚に囲まれています。
そこは飾り気が全くなく実質本意の部屋、広い部屋なのに圧迫感が凄いんですよね。
ナトゥーラ様は王族なんですから、豪奢な絨毯もひけるんですが、床が剥き出しになっています。
唯一、飾り気があるのは来客用のテーブルと椅子だけ。
ちなみに私だけ助手様の椅子に座らせれています。
「異世界から喚ばれた方々にはエレメンの人間として謝意を申し上げます。それと私の弟子に協力してくれた事を感謝致します。宜しかったら皆様の事を教えてもらえますか?あっ、セイガさんは、その課題を考えていて下さい」
私に渡された課題は、新しい攻撃魔法の作成。
確かに作っていますが、可愛い弟子の現状は気にならないんでしょうか?
「さと…クロウ・サトウです。ショウガとは餓鬼の頃からの腐れ縁です…今回、ショウガを巻き込んだのは俺です」
そう言ってナトゥーラ様に頭を下げる久郎。
「僕の名前はサトウ・カコです。僕が契約書にサインしたのがいけなんです。兄貴は悪くありません」
そう言ってナトゥーラ様に頭を下げるカコちゃん。
正確には私を巻き込む為に騙されたんですけどね。
「二人とも、お気になさらないで下さい。悪いのは全てサクセスですので」
二人に笑顔で応えるナトゥーラ様…その優しさの半分でも弟子に分けてくれる気はないんでしょうか?
「リュウ・フガク、オリジンの実弟になります。タテオイとテラヤナギはアカイさんと繋がりはありません」
「フガク先生ですね、。お話は伺っております。ネサンスは貴殿方の保護をお約束します」
「モ、モ、モミジ・マナカでしゅ。せいく…いえ、セイガさんとは結婚を前提にお付き合いさせてもらっていましゅ…」
緊張の為か噛みまくりの紅葉…確かにいつかは結婚はしたいと言いましたが、ここで言っちゃいます?
紅葉の言葉を聞いたナトゥーラ様は、突然ハンカチで目頭を抑え始めました。
「可愛そうに…セイガさんは髪だけでなく目まで悪くなってしまったんですね。きちんと物事が見えていれば、こんな素敵なお嬢様に結婚なんて申し込まないのに」
「ナトゥーラ様、私は髪にも目にも問題はありませんが」
視力は1・5ありますし、髪もまだ挽回出来る筈です。
「セイガさん、きちんと鏡と現実を見て下さい。どう見ても貴方とマナカさんでは釣り合ってないじゃないですか。また捨てられるのが目に見えてます」
そう言うとナトゥーラ様はさめざめと泣き出しました。
「なっ、何を根拠にそんな事…」
「貴方に魔法以外に取り柄はありますか?フィル・スカイの一件で学習した筈なのに」
呆れたのか盛大に溜め息をつくナトゥーラ様。
「それなら見ていて下さい。せい君はしばらくネサンスに居ます。その間に私とせい君の仲が本当か見極めて下さい。それとフィル・スカイなんかと一緒にしないで下さい…不快です」
「マナカさんはお若いですわね。覚えておきなさい…恋は薪と一緒。火が着けば盛大に燃え上がるけれども、燃やせる時間には限界があるの。そして残るのは二度と火が着かない灰だけ。他の女の子もお聞きなさい、絶対に感情だけで男を選ばない事。女は子供を産み育てる役割があるの、だから自分と自分の子をしっかりと幸せにしてくれる男を選びなさい」
確かに夢や恋はいつか醒めるもの。
「ナトゥーラ様、でしたら私がどれだけ成長したか見て下さい。紅葉を幸せに出来る力があるかどうかを」
まあ、私の計画が原因で振られる確率が高いんですけど。
感想お待ちしています
それと活動報告にも書きましたが、入院中の為更新頻度が変わります。




