大人になって分かった事
ブリーゼが二人の少女を連れて来ました。
「あの子達が、ブリーゼとオリベの娘だよ」
シェルムは既に顔馴染みだとの事。
二人共、ブリーゼと同じの緑色の髪で、一人は中学生くらいでもう一人は小学六年生か五年生くらいでしょうか。
オリヤンとブリーゼの血を引いているから、二人共癒し系の可愛らしい少女です。
その姉妹が私の顔を見た途端、怯え始めて…泣き出しました。
「ソヨカちゃん、エイバちゃん、どうしたの?セイガさんは顔はあれだけどパパとママの大切なお友達なのよ」
ブリーゼがお友達と言った瞬間、二人はさらに激しく泣き始めて今はパニック状態です。
でもブリーゼ、親としてその慰め方はどうなんですか?
顔があれって…確かに私は若い女の子に毛嫌いされますけど。
「アカイー、お前ソヨカ達をいやらしい目で見たんじゃねえか?」
言っておきますが、私は決してロリでも特定紳士でもありません。
うん、説得力がゼロですね。
二人共入って来て直ぐに泣いています…それこそ、私の顔をきちんと見る前に。
(あの一瞬で目に入るとしたら…アーツ発動)
「セイガさん、すいません。今まで、こんな事はなかったんですよ」
「大丈夫ですよ。きっと、二人共私の髪と肌の色を見てパニックになったんですから。これからの旅の事でイッポにお願いする事が出来たから、ちょっと失礼するよ。紅葉、今のうちにその子達と仲良くなっておいて」
流石に今のまま、あの子達が私と旅するのは酷ですし目立ち過ぎます。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
事の始終を聞いた、イッポは驚きを隠せない様でした。
「ソヨカちゃんとエイバちゃんがアカイさんをの顔を見て泣いたんですか?…あの二人は熊人や獅子人になつく位に人見知りをしない子達なんですよ」
それはオリヤン達の教育が良かったんでしょうね。
「正確には私の髪と肌だけどな…この辺りで私と同じ色の髪と肌を持っているの二人だけ。それは石にされた父親とそれを命じた犯人。あの姉妹にとって黒髪で黄色い肌の青年男性はトラウマなんだろうな」
多分、あの二人は私を見て英ちゃんを思い出したんでしょう。
「まさか?それだけで?」
正確には、それだけじゃないんですけどね。
「ブリーゼが私の事を”パパとママのお友達”って言ったら、更に激しく泣き出しましたんだよ。あの状態じゃ私と旅をするのが困難だ。悪いけど馬車を貸してくれないか?それと馬車を改造する工房に私の連れの久郎も呼んで欲しい」
「分かった、直ぐに手配をするよ」
流石は一国の王様、頼み甲斐がある…次いでにあれも頼んでおきますか。
「それからこれを作りたいから、広い土地を貸してもらえる?」
私は事前に書いておいた設計図をイッポに手渡しました。
「良いけど…アカイさんはそれで良いの?」
「これは私のけじめだから」
子供時代へのけじめです。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
イッポが用意してくれたのは装飾は少ないですが、作りはしっかりしている実用的な馬車。
城に入ってからの事を話すと、久郎は不思議そうな顔をしながら口を開きました。
「しかし、泣かれる位に嫌われるなんて珍しいな」
「久郎、嫌われた事は疑問に思わないのか?…仕方ないさ、上の子は英ちゃんに口説かれていたみたいだし。多分、大好きなお父さんを石にした犯人に口説かれて胸をときめかせる自分が信じれなくなったんだろうな」
英ちゃん、オリヤンの娘を口説くなんて節操が無さすぎませんか?…いや、オリヤンの娘だから口説いたのかも知れません。
「お前は、そのロックキングとかの影響は受けないのか?」
「ロンギングだって。私は自分の脳に高濃度の魔力を巡らせてロンギングを退治したから大丈夫なんだよ」
これは私やオリヤン位の魔力耐性がないと無理な手法です。
「それでお前が渡した腕輪にはどんな効果があるんだ?」
「あれにはロンギングの効力を封じる力があるんだよ。何しろウィルスと変わらない大きさの奴が脳に潜んでいるから退治の仕様がないんだ。他人の高濃度の魔力が脳に流れたら大変な事になるし」
でも、安全な濃度だとロンギングを退治出来ませんし。
「それでお前のお師匠さんに会いに行くと…それで俺は何をすれば良いんだ?」
「馬車の改造を手伝ってくれ。流石に馬車を改造するのは無理だからな」
私にはタ○ヤの工作シリーズが限界なんです。
ちなみに馬車には各種防御魔法、空間拡大機能、軽量化等を附与する予定。
「これが設計図か?…随分と気を使うんだな」
「ダチの子供だからな…何より英ちゃんが、あんな風になったのは私にも責任があると思うんだ」
だからと言って英ちゃんを許す訳にもいきませんが。
「お前の所為?女を寝盗られたのにか」
「多分、英ちゃんは自分の実力と評価のギャップに悩んでいた…正確にはいつメッキが剥がれるか怯えていたんだと思うよ。だから、ソウくんから剣を奪い、私からフィルを寝盗り、オリヤンのアーツを自分でも使える様にした。英雄の象徴で自分を着飾って安心を手に入れようとしたんだと思う」
この年になって、大人になってようやく気付けたんです。
ソウくんはアーツに頼り過ぎた所為で、剣を奪われて殺された。
オリヤンはアーツの所為で、石にされてマジックアイテムに組み込まれた。
私はアーツを使った所為で、知らなくても良い他人の裏側を知ってしまった。
英ちゃんはアーツの所為で、人として成長する機会を奪われた。
ジャンティ・ミゼル様は、私達に何とも皮肉なアーツを授けてくれたんですね。
感想お待ちしています
人気投票したら参加する人はいますか?
作者には人気あるキャラが分かりません
活動報告にお祝いをくれた人に感謝です




