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ロンギングの正体

久しぶりのWizardです

設定への突っ込みは勘弁して下さい

 英ちゃんのアーツ、ロンギングの被害は思っていたより深刻な様です。


「しかし、イッポ王はキヨキ聖皇国に加担されませんよね」

 ブリーゼの言う通りリヤンは今の所、中立を保っています。

 やっぱり、気づいちゃいましたか。


「ああ、それはですね。ちょっと事情がありまして」

 イッポは言い澱みながら、私をチラチラと見ています。

 一国を預かる王様なんだから、もう少し腹芸を身につけて欲しいんですけど。


「アカイ、お前何かを知ってるな」

 イッポの不審な態度に気がついたシェルムが、私をジト目で睨んできました。

 幽鬼の様に痩せこけたシェルムに睨まれると、結構怖かったりします。


「セイガさん、何を知ってるか分かりませんが素直に仰った方が宜しいですわよ」

  ブリーゼの穏やかな笑顔が、かえって私の恐怖を煽ります。


「私は英ちゃんのアーツの仕組みを分かっていたから、イッポにはそれを防ぐマジックアイテムを渡したんです。使う素材が希少な物でしたから、イッポとナトゥーラ様にしか渡せなかったんですよ」

 ぶっちゃけ、素材だけでも凄い金額になるんですよね。


「それがあれば俺の中にあるモヤモヤも消えるのか?」

 シェルムが必死の形相で、私に食らいついてきます。


「うーん、感染がどこまで広がっているかですね。何より作るのに、もの凄く時間が掛かるんですよ」

 それに専門的な設備も必要になりますし。


「もしかして、セイガさんがカイラインを倒した後にネサンスに行ったのはフィルに会うのが気まずいからじゃなく、その為だったんですか?」


「半々ですね。最初はナトゥーラ様に無理矢理に連れて行かれたんですし」

 拉致みたいにネサンスに連れて行かれましたが、今思うと本当にありがたい話です。


「せい君、こっちに来たのにナトゥーラ様に会いに行かなくて良いの?私はご挨拶をしたいな」

 紅葉の必殺上目遣い攻撃が炸裂。

 ダメージは大きいです…しかし。


「ナトゥーラ様は色々とお忙しい方ですし、ネサンスはキヨキ聖皇国に見張られているんと思うんですよね」


「アカイ、はっきり言えば良いだろ。良い年して若い娘に手を出したのが、ナトゥーラ様にバレるのが怖いって」

 相変わらずシェルムはストレートと言うかオブラートに包まないと言うか。


「違いますよ。セイガさんは、また身の丈に合わない相手に手を出してナトゥーラ様に叱られるのを怖がっているんですよ」

 フィルの事を好きだってナトゥーラ様に打ち明けた時の第一声は”馬鹿弟子、鏡を見て自分の残念な顔を確認して来なさい”でした。


「せーいくーん」

 紅葉の頭から角がニョキニョキと生えてくるのが見えます。


「違うんだって。ナトゥーラ様はこっちに来て直ぐに顔を出さないと不機嫌になるんだよ。…何より、あのお方をゴタゴタに巻き込みたくないんだ。ナトゥーラ様は自分より若い猿人や獣人が死ぬと酷く悲しまれるから」

 ”若い命が散り老骨は生き恥を晒すしかないんですね”そう、嘆いていました。


「せい君と英雄さんが戦ったらナトゥーラ様は悲しむの?」


「きっと悲しむよ。英ちゃんと戦うって事は、フィルやキヨキ聖皇国にいる昔の知り合いと戦う事なんだから」

 英ちゃんに辿り着くまでに、何人の友人や知人を殺す事になるんでしょうか?


「でもナトゥーラ様はアカイさんが帰って来た事に気付いていると思うな。ナトゥーラ様は各地に使い魔を送り込んでいるし…あぁ、そうだ、アカイさんへの依頼をするね。ネサンスに行って、この腕輪を量産出来るか聞いて来てくれないかな?」

 イッポは腕を捲って、複雑な紋様が刻まれた腕輪を見せました。

 この狸カバは…流石は一国の王様ですね。


「イッポ、それは量産が難しいんだぞ」


「それは昔の話でしょ。ネサンスの技術も向上しているし、アカイさんの知識も増えていますよね…リヤンのイッポ・ポータマが命ずる、ネサンスに行き聖皇キヨキのアーツを防ぐ手だてを講じよ」

 イッポはそう言うと、さっと部屋を出て行きました。


(後から依頼書を寄越すつもりだな。サクセスも立場上、イッポの依頼を無下には出来ないから許可を出すだろうな)

 きっと、イッポは私がリヤンに来ると知った時から企ていたんでしょう。

 成長した友の為、いまだに過去の呪縛に苦しむ友の為。

 そして心配をかけ通しの師に大切な人を紹介する為にも、私はネサンスに行きます。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 イッポを出て数分後、私と紅葉はある部屋に案内されました。


「ふわー、凄いお部屋…まるでおとぎ話の世界だね」

 紅葉が驚くのも無理はないでしょう。

 細かな飾りが施された調度品の数々、(くるぶし)まで埋まる絨毯、キングサイズより大きなベッドにはシルクのシーツに羽毛布団。


「他国の王侯貴族を泊める時に使う部屋だよ。獣人の国だからって馬鹿にされない為にも豪華にしたんだと思うよ。窓から外を見てみな」


「凄い…湖が一望出来るんだね。せい君はあまり驚かないんだね?」

 私の話を聞いた紅葉が窓から外を眺めると感嘆の声をあげました。


「この部屋のアイディアは私が出したんだよ。泊まる人の度肝を抜く部屋を作ればいいって」

 だから驚きはしませんが、豪華過ぎてリラックスも出来ません。

 

「そっか…やっぱりせい君は凄い人だったんだね。そう言えば英雄さんのアーツの仕組みってなに?感染とか言ってたけど」



「英ちゃんのアーツロンギングの正体ウィルスかナノマシーンみたいな物なんだよ。感染すると脳内に入り込んで英ちゃんの事を考えると脳内麻薬に近い物質を出すんだ。英ちゃんとの距離が近い程、動きは活発になるし一緒にいる時間が長くなればより深く感染するんだ」

 しかも空気感染するから(たち)が悪い。

 脳に負担を掛けずに退治する方法を考えなくては。


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